70歳の母に「専業主婦は年金6万円だけ」と言われましたが、ウチは夫が「年収1000万円」なので“老後も心配いらない”ですよね? 専業主婦が「年収140万円」稼いで増える年金額も試算

配信日: 2026.02.25
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70歳の母に「専業主婦は年金6万円だけ」と言われましたが、ウチは夫が「年収1000万円」なので“老後も心配いらない”ですよね? 専業主婦が「年収140万円」稼いで増える年金額も試算
「夫の収入が高ければ老後も安心」と考える人もいるかもしれません。ただし、専業主婦として扶養に入り続けた場合、自分名義で受け取れる年金は老齢基礎年金のみとなります。親世代から「年金が少ないから働いたほうがいい」とすすめられた経験がある人もいるでしょう。
 
本記事では、専業主婦の年金額や夫が高年収でも油断できない理由、パートに出た場合の年金増額効果について解説します。
金子賢司

CFP

専業主婦がもらえる年金はいくら?

会社員や公務員などの配偶者として扶養に入っている人は、国民年金の「第3号被保険者」に該当します。第3号被保険者は、国民年金保険料を自分で納める必要がありませんが、将来受け取れるのは老齢基礎年金のみです。
 
厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」によると、令和8年度の老齢基礎年金の満額は月額7万608円です。20歳から60歳までの40年間、すべて第3号被保険者であった場合は満額を受け取れますが、未納期間や免除期間があるとその分減額されます。
 
つまり、母親の言う「年金6万円」という指摘は決して的外れではなく、専業主婦が自分名義で受け取れる年金は、満額でも月約7万円にとどまるのが現状です。
 

夫が年収1000万円でも安心とは限らない理由

厚生労働省の同資料によると、夫が平均的な収入(賞与含む月額換算の平均標準報酬45万5000円)で40年間就業し、妻が専業主婦だった場合のモデル年金額は、夫婦2人分の老齢基礎年金を含めて月額23万7279円です。
 
夫が年収1000万円であればモデルケースよりも厚生年金の報酬比例部分が多くなるため、夫婦の年金合計額はさらに高くなるでしょう。
 
総務省統計局の家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯の毎月の支出は、消費支出と非消費支出を合わせて約28万7000円です。モデルケースよりも額が多ければ、年金だけでなんとかまかなる可能性はありますが、以下のようなリスクには注意が必要です。
 

離婚・死別・経済的DVのリスク

離婚した場合、夫の厚生年金の一部を分割して受け取れる「年金分割」という制度はありますが、分割できるのは婚姻期間中の厚生年金の報酬比例部分に限られます。分割した受け取り分を加えても、自身の年金額だけでは生活が苦しくなる可能性は否定できません。
 
また、夫が先に亡くなった場合は遺族厚生年金を受け取れますが、受給額は夫の報酬比例部分の4分の3であり、生前と同水準の収入が確保されるわけではありません。
 
さらに、収入のすべてを夫に依存していると、経済的DVに遭った場合に生活基盤を失うおそれもあります。夫が高年収であっても、収入源が夫だけに集中している状態はリスクがあるといえるでしょう。
 

年収140万円のパートで25年間働くと年金はいくら増える?

仮に40歳から65歳までの25年間、年収140万円(月収約11万7000円)のパートで厚生年金に加入した場合、報酬比例部分による年金の増額分を試算してみましょう。
 
老齢厚生年金の報酬比例部分は、「平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数」で概算できます。年収140万円の場合、平均標準報酬額を約11万7000円とすると、計算は以下のようになります。
 
11万7000円×5.481/1000×300ヶ月(25年)=約19万2000円(年額)
 
月額に換算すると約1万6000円の増額です。つまり、専業主婦のまま老齢基礎年金の満額(月額7万608円)だけを受け取る場合と比べると、パートで働いた場合は月額約8万7000円を受け取れる計算になります。
 
月1万6000円の差は小さく感じるかもしれませんが、65歳から85歳までの20年間で計算すると約384万円の差になります。
 
年金は生涯にわたって受け取れるため、長く受給するほどその恩恵は大きくなるでしょう。加えて、パートで働くことで給与収入が得られるだけでなく、厚生年金に加入することで障害厚生年金や遺族厚生年金の対象にもなります。
 

まとめ

専業主婦が受け取れる年金は満額でも月約7万円にとどまり、夫が年収1000万円であっても離婚や死別といったリスクへの備えとしては心もとない金額です。年収140万円のパートで25年間働けば、年金は月約1万6000円増え、20年間の受給総額では約384万円の差が生まれます。
 
将来の経済的な安心を得るためにも、パートなどで厚生年金に加入し、自身の年金を増やしておくことは有力な選択肢の1つといえるでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和8年度の年金額改定についてお知らせします
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年) 家計の概要
日本年金機構 は行 報酬比例部分
 
執筆者 : 金子賢司
CFP

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