【令和8年最新】“夫+専業主婦”の年金は「月24万円」が平均!? わが家は「世帯年収1000万円」なので、最低30万円はもらえますか? 共働き夫婦の年金額を試算
また、今回の発表では平均的な収入の夫と専業主婦の夫婦世帯を想定した年金モデルも示されています。この例を見て「うちは共働きだけど、年金がどれくらいもらえるんだろう」と気になる人もいるでしょう。
本記事では、共働きで世帯年収が1000万円ある場合、将来どれくらい年金を受給できるのか試算します。働き方による年金への影響なども解説しますので参考にしてください。
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来年度の受給水準の変化やモデル年金額はどうなったのか
先日公表された年金額の改定によると、来年度は今年度に比べ、国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)は2.0%引き上げられます。具体的な金額で示すと、国民年金は、1956年4月1日以降生まれの人の満額だった場合で月1300円のプラスです。
また、厚生年金に関しては夫婦2人分のモデル金額が示されており、今年度から4495円増の月23万7279円になっています。このケースは男性が平均的な収入で40年間就業し、妻は老齢基礎年金のみを受け取る前提です。言い換えると、男性は平均年収でほぼ定年まで働き、妻は専業主婦のケースということになります。
世帯年収1000万円なら月30万円の受給は可能?
夫婦で月約24万円の年金と聞くと「生活費は何とかなる」とか「それじゃ足りない」など、金額への受け止めは人それぞれでしょう。では、夫婦世帯の老後の生活費は実際にどれくらい必要なのでしょうか。
総務省の家計調査報告(令和6年)によれば、図表1のとおり、2024年の「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の消費支出は月平均25万6521円です。これだけでも24万円を上回っており、さらに非消費支出3万356円を加えると、月々必要な生活費は平均28万6877円におよびます。
図表1
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)家計の概要 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計支出
これを聞くと「月30万円は受給したい」あるいは「共働きなのでもっともらえるはずだ」と思う人もいるでしょう。そこで1つの例として、共働きで世帯年収1000万円(夫600万円、妻400万円)だった場合、将来月30万円の年金受給が可能なのか、シンプルに試算してみます。
前提としてどちらも40年間働くと仮定します。老齢基礎年金は40年480ヶ月で満額受給となるため、令和8年度改定での月7万608円を年額に直して約84万7300円、夫婦2人で約169万4600円です。
さらに厚生年金の報酬比例分を2003年以降の計算式「平均標準報酬額×5.481÷1000×加入月数」でシンプルに計算してみましょう。平均標準報酬額は年収を月額に換算し、年収600万円だった夫が50万円、年収400万円の妻は33万3000円と想定します。
報酬比例部分の金額は夫が50万円×5.481÷1000×480ヶ月=約131万5000円、妻は33万3000円×5.481÷1000×480ヶ月=約87万6000円になります。
夫婦2人の年金額を合計すると、基礎年金2人分169万4600円+約131万5000円+約87万6000円=約388万5600円となり、月額で32万3000円ほどに達します。つまり、夫婦共働きで世帯年収が1000万円あれば、世帯で月30万円の年金受給は十分可能です。
ただ、これは夫婦ともに会社員等として40年間働き、収入が一定だったことが前提になります。しかし、共働きの場合はどちらかが一時的に仕事を辞めたり、早めにリタイアしたりすることも十分考えられます。
例えば、妻の就業年数が40年ではなく、25年であれば報酬比例部分の金額は33万3000円×5.481÷1000×300ヶ月=約54万7000円まで減少します。
妻が退職した期間、夫の第3号被保険者になれば、妻の老齢基礎年金の満額維持は可能です。結果的に世帯の年金受給額は基礎年金169万4600円+約131万5000円+約54万7000円=約355万6600円で、わずかですが月30万円を割り込んでしまいます。
つまり、今回の例だと妻の就労期間が25年以下であれば、月30万円の年金受給はできません。世帯年収1000万円以上と言っても、その年収を何年保てたかによって年金額が変化する点には注意が必要です。
働き方によって年金額はさまざま
当然ですが、年収に加え、働く期間によっても年金額は大きく変化します。令和8年度の年金額改定において「多様なライフコースに応じた年金額」として、図表2のとおり、経歴類型・男女別に5つの年金受給例が概算で示されています。
図表2
厚生労働省 令和8年度の年金額改定についてお知らせします より抜粋
夫婦2人がどの類型になるか想定すれば、世帯が受給する年金をある程度はイメージできるかもしれません。
まとめ
共働きで世帯年収1000万円なら、将来は年金を月30万円受給できるのか試算してみました。夫婦2人とも長く働き、1000万円の収入を長く維持できれば、月30万円を超える受給も十分可能です。
ただ、共働きであれば、どちらかが早く退職したり、一時的に仕事を離れることも考えられ、その期間が長くなると年金額も大きく減少します。厚生労働省が示した多様な年金モデルなども参考に、働き方を含めた夫婦のライフプランを話し合ってみてはいかがでしょうか。
出典
厚生労働省 令和8年度の年金額改定についてお知らせします
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要
日本年金機構 は行 報酬比例部分
執筆者 : 松尾知真
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