「70歳まで待てば年金が増える」と言っていた父が68歳で他界。支給予定だった年金はどう扱われるのでしょうか?

配信日: 2026.04.21
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「70歳まで待てば年金が増える」と言っていた父が68歳で他界。支給予定だった年金はどう扱われるのでしょうか?
「70歳まで待てば年金が増える」と聞くと、その増額分まで家族に引き継がれるように感じるかもしれません。
 
しかし、実際の年金の扱いは、亡くなった時点で請求していたかどうか、どの年金にあたるのか、遺族の条件を満たすかどうかで変わります。制度を正しく理解していないと、受け取れるはずの年金を見落とすおそれもあります。
 
そこで本記事では、父が68歳で亡くなったケースを例に、老齢年金、未支給年金、遺族年金の違いを整理しながら、家族が確認すべきポイントを解説します。
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68歳で亡くなった場合、70歳から受け取る予定だった年金はどうなる?

老齢年金は、原則として65歳から受け取る権利が発生します。70歳まで待つ「繰下げ受給」を選ぶと、1ヶ月あたり0.7%ずつ増額されますが、その増額は本人が生きて受給を始めてこそ意味を持つ仕組みです。したがって、68歳で亡くなった場合、70歳受給を前提とした増額後の年金をそのまま家族が受け取れるわけではありません。
 
まず確認したいのは、「65歳から亡くなった月までに受け取るはずだった老齢年金がどう扱われるか」です。年金は自動的に支給されるものではなく、請求手続きが必要です。そのため、状況によっては請求が遅れることで、不利益が生じることもあります。
 

家族が受け取れるのは「未支給年金」か「遺族年金」か

ここで混同しやすいのが、「未支給年金」と「遺族年金」の違いです。
 
未支給年金とは、亡くなった人が本来受け取れるはずだったのに、まだ受け取っていなかった年金のことです。これに対し、遺族年金は、亡くなった人の加入状況などに応じて、配偶者や子などの遺族に対して新たに支給される年金です。この2つは仕組み性質が異なるため、分けて考えることが大切です。
 
今回のように68歳で亡くなったケースでは、70歳からの増額後年金ではなく、65歳から亡くなった月までに受け取るはずだった老齢年金について、生計を同じくしていた遺族が未支給年金として請求するのが基本です。また、亡くなった方が厚生年金の加入者だったなど一定の条件を満たせば、遺族厚生年金の対象になる可能性もあります。
 

請求前に確認したい手続きと時効の注意点

未支給年金を受け取れるのは、亡くなった方と生計を同じくしていた遺族です。未支給年金を受け取るには、所定の請求書の提出する必要があります。
 
さらに注意したいのが、時効です。年金には5年の時効があり、請求が遅れると受け取れない分が出るおそれがあります。68歳で亡くなった場合は、65歳から死亡月までの期間は5年以内に収まるため、一般的には時効が問題になりにくいと考えられます。
 
ただし、実際には加入記録や請求状況によって確認事項が変わるため、戸籍や住民票関係の書類を早めに整え、年金事務所で確認することが大切です。特に、悲しみのなかでは手続きが後回しになりがちですが、早く動くほど確認漏れを防ぎやすくなります。
 

年金の扱いは受給開始前かどうかで変わるため早めに確認しよう

「70歳まで待てば年金が増える」という考え方自体は、制度上、間違いではありません。ただし、受給前に亡くなった場合は、増額後の年金を家族がそのまま受け取れるわけではなく、未支給年金や遺族年金として考える必要があります。
 
そのため、増えるはずだった年金に目を向けることではなく、亡くなった時点でどの権利が発生していたかを確認することが重要です。
 
制度を正しく理解し、必要な手続きを早めに進めれば、受け取れる年金を落ち着いて確認できます。不安が大きいときほど、自己判断だけで済ませず、日本年金機構や年金事務所に相談しながら整理することが安心につながるでしょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 老齢年金の請求手続き
日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
日本年金機構 年金の時効
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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