共働き世帯でも遺族年金は受け取れる? 年収「420万円」だと支給されないケースはあるのでしょうか?
そこで、働き方や年収の額が遺族年金の受給に影響があるのか解説します。
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
共働きでも条件を満たせば遺族年金の対象になる
遺族年金には大きく分けて「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。
上記のうち、まずは遺族基礎年金から説明しましょう。遺族基礎年金は、国民年金の加入者が亡くなった場合などに、原則としてその亡くなった人に生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子ども」に支給されます。
なお、ここでいう「子ども」とは、18歳到達年度の末日までの方、または20歳未満で一定の障害状態にある方を指しています。つまり、遺族基礎年金については、働き方などに関係なく、一定の年齢以下の子どもがいない場合は支給の対象になりません。
一方で遺族厚生年金は、厚生年金に加入していた人が亡くなった場合などに、亡くなった人に生計を維持されていた遺族に支給されます。
したがって、共働き家庭でも、亡くなった人が厚生年金の被保険者であり、かつ、その亡くなった方に生計を維持されていた配偶者や子ども、父母や孫などであれば遺族厚生年金を受け取れる可能性があります。
遺族厚生年金が不支給になる年収
基本的に、年収が420万円であれば、その他の条件を満たしている限り、年収を条件に遺族厚生年金が不支給とされることはありません。なぜなら、日本年金機構によると、亡くなった方に生計を維持されていると認定される条件は、おおむね年収850万円未満であるからです。
なお、生計を維持している方が亡くなった当時に、遺族年金を受けようとする人の年収が850万円以上であっても、おおむね5年以内に年収が850万円未満になることが認められる事由(退職や廃業など)がある場合は、遺族年金を受給することができます。
併給調整に注意
そのほかにも、年金の併給または選択という制度にも注意しておきたいところです。併給調整とは、支給事由の異なる複数の年金が受給できる状態になった際に、原則として1つの年金を選んで受給する、あるいは重なり合う部分について年金がカットされるという制度です。
この点、今回でいうならば、仮に遺族厚生年金を受給することになった場合、自身が65歳以上ですでに老齢厚生年金を受給している、ないし今後受給する際には、遺族厚生年金が老齢厚生年金を上回っている部分があれば、その差額部分を受給することができます。
例えば、遺族厚生年金を8万円受給している状態で、老齢厚生年金を受けられることになってその金額が6万円だとしましょう。すると、遺族厚生年金についてはその差額の2万円を受給できるというわけです。
逆に、遺族厚生年金より老齢厚生年金の方が高い場合、例えば遺族厚生年金が6万円で老齢厚生年金が8万円という場合は、遺族厚生年金の支給は停止されます。
まとめ
共働き世帯でも遺族年金は条件次第で受給できる可能性があります。特に、年収420万円という水準では、不支給になることは通常考えにくいでしょう。
ただし、遺族年金は、併給調整や選択もあり、複雑な制度であることには留意が必要です。遺族年金について悩んだときは、働き方や年収額などだけで判断せず、年金事務所などへ相談して確認することが大切になるでしょう。
出典
日本年金機構 遺族年金ガイド 令和8年度版(12ページ)
日本年金機構 年金の併給または選択
執筆者 : 柘植輝
行政書士
