妻が扶養内で働いてきたのですが、このままだと老後の年金が少ないのではと不安です。今からできる見直しはあるのでしょうか?
そこで今回は、扶養内で長年働いてきた方が、今からでもできる年金を増やす方法について考えていきます。
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
扶養内で働いていても厳密には年金が減るわけではない
まず押さえておきたいのは、扶養内で長年働いてきた方(いわゆる第3号被保険者に該当する期間が長い方)でも、年金が0というわけではありません。
その期間は、老齢基礎年金の受給資格期間に算入されるため、原則として、自営業やフリーランスの方などと同様に国民年金に加入している方と同額の年金を受け取ることができます。
言い換えれば、会社員や公務員など厚生年金に加入している期間のように上乗せ分がないだけであって、決して扶養内で働いていたことで、本来受け取れる年金額が少なくなっているわけではないのです。
例えば、令和8年4月分からの国民年金支給額は満額で月額7万608円です(昭和31年4月2日以後生まれの方の場合)。この金額は、国民年金から支給されるものなので、扶養内で働いた場合や、会社員として厚生年金に加入して働いた場合で変わらないということです。
年金を増やすなら厚生年金の存在を意識すること
今後の年金額を増やすための見直しとして最も影響が大きいのは、厚生年金に加入して働くというものです。厚生年金に加入することで、国民年金から支給される老齢基礎年金に加えて、厚生年金から老齢厚生年金が支給されるため、老後の受取額の底上げが期待できます。
とはいえ、「今更厚生年金なんて入っても……」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。そういう方もご安心ください。今から厚生年金に加入するような働き方はできないという方でも、繰下げ受給をすれば年金額を増やすことができます。
繰下げ受給とは、年金を65歳から受け取らず、66歳以降75歳までの間で受給開始時期を遅らせることをいいます。繰下げ受給を選択することで、1ヶ月繰り下げるごとに年金額を0.7%増額させることができます。
例えば、毎月10万円の年金を受け取れる方が受給開始時期を75歳にすると、毎月の受給額が84%増額され、18万4000円になるということです。働けるうちは収入を確保し、受給開始を少し遅らせることで、その後の年金月額を高めるという考え方です。
iDeCoやNISAで備えるのもあり
年金額が少ないことに不安を感じる背景には、老後の生活資金に対する備えが十分ではないと感じやすい点があるといえるでしょう。その点を踏まえると、このまま扶養内で働き、そこから得たお金をiDeCoやNISAで運用し、自分で年金のように老後に備えることも有効です。
ただ、扶養内で働き続けるのであれば、iDeCoでは節税効果の恩恵が限定的になってしまうでしょう。また、年金として利用するには60歳以降でなければ取り崩せないなど、一定の制約がかかるため自由度も低いといえます。
もし、iDeCoかNISAかどちらがよいか迷われたら、いつでも取り崩せて、貯金に近い感覚で扱うことのできるNISAがおすすめです。
まとめ
今回のケースのように、妻が扶養内で働いてきた場合でも、その間は会社員などと比較して厚生年金による上乗せ分がないだけであり、自営業者やフリーランスなどと同じように国民年金を受給することができます。
もし、年金が少ないと思ったときの見直しとしては、厚生年金に加入する働き方を検討することや、年金の受給開始時期を繰り下げて増額を狙うこと、iDeCo やNISAを利用すること、などが有効でしょう。
「扶養内で働いてきたからもう手遅れ」と必要以上に不安に感じたり、諦めたりする必要はありません。安心して老後について前向きに考えてみてください。
出典
日本年金機構 令和8年4月分からの年金額等について
日本年金機構 年金の繰下げ受給
執筆者 : 柘植輝
行政書士
