老後の年金「月15万円」は“平均的”ですか? 現役時代「年収500万円」だった会社員で、同じだけ受給してるのは“全体の何割”? 年金受給額のリアルを確認
本記事では、厚生労働省の公的な統計データをもとに、月15万円以上の年金を受け取っている人の割合を解説します。また、現役時代の年収がいくらであればこの金額に届くのかを逆算し、夫婦で受け取るときのリアルな生活感についてもあわせて見ていきましょう。
2級ファイナンシャルプランナー技能士
年金「月15万円」をもらえる人は全体の何割?
自分の年金額が全体の中でどの位置にあるのかを知るには、厚生労働省の令和6年度「厚生年金保険・国民年金事業の概況」を確認してみましょう。
同調査によると、会社員などが加入する厚生年金(基礎年金を含む)の平均受給額は、月に15万1142円となっています。また、金額ごとの分布を見ると、月に15万円以上の年金を受け取っている人は、全体の約49.8%です。
この数字から、月15万円という金額はほぼ平均であることが分かります。ただし、女性の場合、出産や育児で働き方が変わる人も多く平均額が下がるため、月15万円を受け取れる人は限られた少数派になると言えるでしょう。
年収500万円の会社員なら「月15万円」に届く?
では、現役時代の年収がいくらであれば、月15万円の年金に届くのでしょうか。
厚生年金の金額は、働いていた期間の平均給与と、加入していた月数によって計算されます。大学を卒業してから60歳まで、38年間にわたって会社員として働き続けた場合でシミュレーションしてみましょう。
現役時代の生涯にわたる平均年収が「約500万円」であった人は、将来受け取る年金額が月に約15万円から16万円(基礎年金を含む)になります。
つまり、月15万円の年金というのは、現役時代に年収500万円前後を安定して稼ぎ続けた、標準的な会社員が受け取るリアルな数字なのです。ボーナスを含めない毎月の額面給与でいうと、約35万円前後を維持し続けた人が到達できる水準と言えます。
夫婦のリアルな生活感! 月15万円でゆとりはある?
夫が月に15万円の年金を受け取れる場合、老後はゆとりのある生活を送れるのでしょうか。会社員の夫と、専業主婦の妻という夫婦のケースで考えてみましょう。
妻が国民年金(基礎年金)のみを約7万円受け取るとすると、世帯全体の年金収入は月に「約22万円」となります。一方、総務省の家計調査によると、65歳以上の高齢の無職夫婦の平均的な1ヶ月の生活費は「約29万円」です。
つまり、平均的な生活を送ろうとしただけでも、毎月約7万円の赤字が発生してしまう計算になります。住宅ローンの返済が残っていたり、医療費や家の修繕費などがかさんだりすれば、家計はあっという間にカツカツの状況に陥ってしまうでしょう。月15万円の年金は平均的とはいえ、それだけでゆとりのある老後を約束してくれる魔法の金額ではないのです。
まとめ
老後の年金「月15万円」は平均的な水準であり、現役時代に平均年収500万円前後で働き続けた会社員が手にする金額と言えます。しかし、夫婦の生活費全体で考えると、年金だけでゆとりある暮らしを送るのは難しいのが現実です。
年金受給額が平均と安心するのではなく、現在の家計の無駄を見直すことや、定年後もできるだけ長く働くことなどを検討してみてください。早い段階から老後の生活費を計算し、足りない分は貯金や投資で補う準備を進めておくことが、将来の安心へとつながるでしょう。
出典
厚生労働省 令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士
