iDeCoを「月5000円×10年」で“運用益10万円”に! でも実際は「手数料負け」でほとんど消えるって本当ですか!? 実際の“損益分岐点”はいくら? 注意点を解説
本記事では、iDeCoの手数料負けが起こる仕組みや、損益分岐点の考え方を解説します。iDeCoの加入者が知っておきたい手数料の基礎知識や、手数料負けを防ぐ方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
iDeCoの手数料の種類
iDeCo(イデコ)は、掛金を60歳まで積み立てて運用することで、公的年金に「自分年金」を上乗せする制度です。原則60歳まで引き出せませんが、掛金の全額が所得から控除され、運用の利益も非課税になります。ただし、iDeCoは、加入時と運用中に以下の費用が発生します。
加入・移換時手数料
iDeCoの利用を開始する際、または企業型DCから資産を移し換える際に、1回だけ発生する初期費用です。どの金融機関(運営管理機関)を選んでも金額は共通で、2829円となります。
口座管理手数料
iDeCoの資産管理のため、毎月支払う手数料です。内訳は、事務手数料、資産管理手数料、運営管理手数料の3つで、掛金を拠出している期間中は継続してかかります。
金額は金融機関により異なり、月額171~600円程度と幅があります。 1回あたりの金額は少額ですが、長期にわたる運用ではトータルコストに大きな差が出るでしょう。
信託報酬
iDeCoで投資信託を選んだ場合に発生する、管理費用です。運用商品の純資産総額に対して年率で計算され、日々の資産から自動的に差し引かれます。
具体的な料率は、投資信託の種類によって異なりますが、一般的に年率0.1%~2.0%程度です。インデックスファンドは低く、アクティブファンドは高くなる傾向があります。
給付手数料
iDeCoで積み立てた資産を受け取る際にかかる費用です。振込1回につき440円が発生し、給付金から差し引かれます。一時金として一括で受け取る場合は1回分で済みますが、年金形式で分割受取をする場合は、受け取るたびにこの手数料が差し引かれます。
還付時手数料
本来拠出できないはずの掛金が引き落とされた場合に、そのお金を本人に返還(還付)する際に発生する手数料です。具体的には、国民年金保険料の未納期間に拠出された場合や、拠出限度額を超えて払い込んだ場合などに発生します。
iDeCoの「手数料負け」とは?
iDeCoの「手数料負け」とは、節税メリットや運用益よりも、発生する手数料のほうが上回ってしまう状態のことです。
iDeCoの手数料は、「利益の○%」といった変動制ではなく、毎月一定額が引かれる「定額制」です。そのため、掛金が少額であったり運用益が少なかったりすると、手数料が利益を上回って資産を削ってしまう場合があります。
iDeCoで月5000円積み立てた場合「手数料負け」の損益分岐点は?
例えば、口座管理手数料を171円とすると、iDeCoを10年間積み立てた場合の総額は約2万円です。表題のケースでは運用益が10万円発生しているので、いわゆる手数料負けの状態にはなっていない可能性が高いでしょう。
ただし、これはあくまで手数料が比較的安く、運用益が順調に生じている場合であり、手数料や年利によっては手数料負けになる可能性があります。月5000円を10年間積み立てると、元本は60万円です。そのため、表題のケースでは60万円+運用益が、60万円+手数料を超えていれば、手数料負けは生じません。
つまり、口座管理手数料が171円の場合は、62万円が損益分岐点といえます。なお、月5000円を10年間積み立てて62万円を達成するためには、年利はおおよそ0.33%あれば良い計算になります。
iDeCoの手数料負けを防ぐ方法
iDeCoの手数料負けを防ぐ方法は、主に以下の3つです。
掛金を増やす
iDeCoの掛金を増やすことで、資産残高に対する手数料の割合を相対的に下げることができます。なお、iDeCoの掛金は1~12月の間に1回だけ変更可能です。
手数料が少ない金融機関を選ぶ
口座管理手数料のうち、金融機関に支払う「運営管理機関手数料」は、金融機関によって大きく異なります。中には、運営管理機関手数料が無料の金融機関もあるため、ランニングコストの抑制に役立つでしょう。
長期間続ける
加入時にかかる初期費用(2829円)は、運用期間が長いほど1年あたりのコストとして薄まります。また、長期運用は複利効果を最大化しやすいため、運用益の積み重ねにより、手数料を上回るリターンを期待できる可能性が高まります。
iDeCo利用にかかる費用を把握し、手数料負けを防ぎましょう
iDeCoの利用には、加入・移換時手数料や口座管理手数料などのさまざまな手数料が必要です。
特に、口座管理手数料は毎月生じるため、運用益が少ないと「手数料負け」が起きる可能性があります。手数料負けが予想される場合は、掛金の増額や手数料の安い金融機関への変更なども検討しましょう。
出典
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCo(イデコ)の特徴
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
