仕事を退職して住民税非課税世帯になったのに、「月5000円ほど」年金に上乗せされる「追加の給付金」が支給されません。年金が少なくても、もらえないケースがあるのでしょうか?
この給付金は「年金生活者支援給付金」と呼ばれる制度ですが、住民税非課税世帯であることだけで自動的に支給されるものではありません。年齢や受け取っている年金の種類、前年所得、請求手続きの有無など、複数の条件を満たす必要があります。
本記事では、老齢年金生活者支援給付金の支給要件と、住民税非課税世帯でも支給されないケースについて解説します。
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目次
年金生活者支援給付金は年金に上乗せされる制度
年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準額以下の人の生活を支援するため、年金に上乗せして支給される制度です。厚生労働省によると、給付金には「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類があります。
今回のように老後の年金が少ないというケースで主に関係するのは、老齢基礎年金を受け取っている人を対象とする「老齢年金生活者支援給付金」です。
ただし、この制度は「年金額が少ない人すべて」に支給されるものではありません。支給を受けるには、定められた要件をすべて満たす必要があります。
老齢年金生活者支援給付金には3つの要件がある
老齢年金生活者支援給付金の対象となるには、まず65歳以上で老齢基礎年金を受給している必要があります。加えて、同一世帯の全員が市町村民税非課税であること、さらに前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計額が一定額以下であることが求められます。
所得基準は生年月日によって異なり、昭和31年4月2日以後生まれの人は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの人は90万6700円以下とされています。
このため、退職後に住民税非課税世帯になったとしても、65歳未満であったり、老齢基礎年金を受け取っていなかったり、前年所得が基準を超えていたりする場合には、支給対象にならない可能性があります。
月5000円程度とは限らず、納付期間で金額が変わる
給付額についても、「誰でも月5000円程度が一律で支給される」という仕組みではありません。
老齢年金生活者支援給付金は、月額5620円を基準に、保険料納付済期間や保険料免除期間に応じて計算されます。保険料納付済期間に基づく額は「5620円×保険料納付済期間÷480月」で算出され、免除期間がある場合には別途、免除期間に応じた額が加算されます。
つまり、国民年金の納付状況によって実際の給付額は変わります。月5000円台が目安になるケースはありますが、すべての人が同じ金額を受け取れるわけではありません。
住民税非課税世帯でも支給されないケース
今回の相談で特に注意したいのは、「住民税非課税世帯になったのに支給されない」という点です。
住民税非課税は重要な要件のひとつですが、それだけで支給が決まるわけではありません。例えば、退職した直後で前年所得がまだ高い場合、所得基準を満たさない可能性があります。また、老齢基礎年金をまだ受け取っていない人や、65歳未満の人も対象外となります。
さらに、対象になっていても、請求手続きをしていなければ支給されません。
厚生労働省では、所得額の低下などにより令和7年10月分から新たに対象となる人には、令和7年9月1日から順次、日本年金機構から請求書が送付されると案内しています。給付金を受け取るには請求書の提出が必要で、原則として手続きした翌月分から支給対象となります。
まとめ
年金生活者支援給付金は、所得が一定基準以下の年金受給者を支援するため、年金に上乗せして支給される制度です。
ただし、住民税非課税世帯であることだけでは足りず、65歳以上で老齢基礎年金を受給していること、世帯全員が市町村民税非課税であること、前年の年金収入等と所得の合計が基準以下であることなどを満たす必要があります。
また、給付額は一律ではなく、保険料納付済期間や免除期間に応じて計算されます。さらに、対象者であっても請求手続きをしなければ原則として受け取れません。
このため、「年金が少ないのにもらえない」と感じた場合には、住民税非課税かどうかだけでなく、年齢、年金の種類、前年所得、請求書の提出状況などを確認することが重要といえるでしょう。
出典
厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について
厚生労働省 年金生活者支援給付金制度 特設サイト
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
