学生時代の「年金40万円」が未納…親は「追納すべき」と言いますが、正直NISAで「年率3~5%×35年」で運用するほうが“得”ではないでしょうか? 65歳時点でいくらになるか試算
一方、追納するお金をNISAで投資して、資産形成に回すという選択肢も考えられ、どちらを選ぶべきか迷う人もいるかもしれません。
本記事では、30歳で約40万円を追納した場合と投資した場合を比較し、それぞれの特徴や判断ポイントを解説します。
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士
追納すると年金額はどのくらい増える?
学生納付特例制度を利用していた場合、その期間も年金を受け取るために必要な加入年数には含まれますが、年金額には反映されません。そのため、追納せずにいると、将来受け取る老齢基礎年金が少なくなります。
追納することで、こうした猶予期間が「納付済み」として扱われ、将来の年金額に反映させ、満額受給に近付けることが可能です。現在の年金水準をもとにすると、2年分を追納した場合、将来の年金は年約4万円増える計算になります。
一方、追納額は猶予を受けた期間の保険料によって異なりますが、ここでは追納額を事例のとおり約40万円とすると、単純計算では約10年で元が取れる計算です。65歳から受給を始めると仮定すると、おおむね75歳前後まで受給すると、追納した分を回収できます。
追納するよりも投資に回したほうが良い?
近年は「長期投資で資産形成をしたほうが効率的では?」と考える人も増えているようです。では、追納ではなく、同じ40万円をNISAで運用した場合はどうなるのでしょうか。比較しやすくするため、年金にかかる税金や、追納した保険料が社会保険料控除の対象となる影響などは考慮せずに試算します。
40万円を30歳から65歳までの35年間、年利3%から5%程度で運用した場合、おおよそ110万円から220万円程度になる見込みです。ここでは一例として、65歳時点で200万円になったケースで考えます。
追納によって増える年金額の目安である年約4万円ずつ、200万円を取り崩すと、約50年分に相当します。平均的な寿命を前提とすると、実際にはもう少し取り崩し額を増やせる余地があり、金額面では投資のほうが有利になる可能性があると言えるでしょう。
また、資産を取り崩しながら運用を継続するケースも多く、状況によってはさらに取り崩し額を増やせる可能性もあります。
ただし、投資は元本割れのリスクがあるほか、資産を取り崩すタイミングで相場が下落している可能性や、投資対象によっては為替の影響を受ける点にも注意が必要です。一方で、年金は制度が大きく変わらない限り、生きている間は継続して受け取れることが特徴です。相場の値動きや運用成績に一喜一憂せずに老後資金を受け取りやすいという安心感があります。
自分の価値観にあった方法を選択しよう
学生納付特例制度を利用していた2年分の保険料を追納すると、現在の年金水準をもとにした場合、将来の老齢基礎年金は年間約4万円増加する見込みです。
今回の事例のように40万円を追納した場合、10年以上年金を受給すれば元を取れる計算です。一方で、同じ約40万円をNISAで長期間運用した場合は、より大きな資産になる可能性があります。
ただし、投資には元本割れや相場下落のリスクがあり、年金は制度が大きく変わらない限り、終身で一定額を安定して受け取れる安心感があります。投資に対するリスク許容度や、将来の安定した収入に対する安心感といった要素をふまえて、自分の価値観に合う方法を選択することが大切です。
出典
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 令和8年4月分からの年金額等について
執筆者 : 東雲悠太
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士
