年金額改定通知書を見て、夫婦で「年額が増えている」と歓喜!でも実際の振込額は増えていませんでした…。少しでも受給額を増やす方法はないのでしょうか?
実際、年金からは税金や社会保険料が差し引かれているため、通知書に記載された年金額と実際の受取額は一致しません。また、年金額が増えた場合でも、その分だけ天引き額が増えるケースがあります。
この記事では、年金額改定通知書の見方や、実際の振込額が増えにくい理由、介護保険料や住民税との関係についてわかりやすく解説します。
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目次
年金の平均受給額はいくら?
現在の高齢者はどのくらいの年金を受給しているのでしょうか。
厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢基礎年金のみを受給する国民年金受給者の平均受給額は月額約5万2000円です。一方、会社員や公務員として働いた人が受給する厚生年金の平均受給額は月額約14万5000円となっています。
ニュースなどで紹介される「夫婦で月23万円程度の年金」は、夫が平均的な収入で40年間会社員として働き、妻が専業主婦だった場合の標準的なモデル世帯の受給額です。実際の受給額は加入期間や収入水準によって大きく異なる点に留意しておく必要があります。
年金額改定通知書の「年額」は実際の受取額ではない
年金額改定通知書に書かれている「年金額」は、税金や保険料が差し引かれる前の金額だということです。例えば、通知書に「年額180万円」と記載されていても、実際に180万円がそのまま振り込まれるわけではありません。
実際には、このようなお金が差し引かれます。
介護保険料
国民健康保険料または後期高齢者医療保険料
住民税
所得税
こうした差し引きがあるため、年金額が増えても受取額の増加を実感しにくい場合があります。
介護保険料や住民税が増えると受取額は増えにくい
年金額が増えたのに手取りがあまり増えない大きな理由の一つが、介護保険料や住民税の負担増です。特に65歳以上の人は、介護保険料が年金から引かれるケースが多く、さらに一定以上の所得があると住民税も差し引かれます。
介護保険料は、前年の所得などをもとに自治体が決定します。年金収入が増えると、保険料の段階が上がり、差し引かれる金額が増える場合があります。例えば、所得区分の変化によって介護保険料が上がる場合があります。
また、住民税も前年の所得を基準に計算されます。公的年金等控除を超える所得がある場合、住民税が課税されるため、年金額の増加によって税負担が増える場合があります。
さらに、後期高齢者医療保険料も所得によって変動します。これらの負担が同時に増えると、年金額が増えても受取額の増加を実感しにくくなることがあります。
振込額を確認したいときは「年金振込通知書」をチェック
実際の振込額の内訳を確認したい場合は、「年金振込通知書」を見るのがおすすめです。
年金振込通知書には、「支払われる年金額」「介護保険料」「後期高齢者医療保険料」「住民税」「所得税」「差引後の振込額」などが記載されています。
この通知書を見ると、どの項目が差し引かれているのか、また、実際に振り込まれる金額を確認できます。
もし前年より大きく手取りが減っている場合は、市区町村へ保険料や住民税の内訳を確認してみるのもよいでしょう。制度改正や所得状況の変化によって負担額が変わることもあります。不明な点がある場合は、自治体へ相談してみるとよいでしょう。
年金生活で負担を軽減するためにできること
年金から差し引かれる税金や保険料を完全になくすことはできませんが、制度を活用することで負担を軽減できる場合があります。
例えば、医療費が多くかかった年は「医療費控除」の対象となる可能性があります。本人だけでなく、生計を一にする家族の医療費も合算できるため、確定申告によって所得税や住民税の負担が軽くなるケースがあります。
また、一定額以上の寄付を行った場合は「寄附金控除」を利用できる場合があります。ふるさと納税も対象となりますが、年金受給者の場合は所得水準によって控除額が異なるため、事前に上限額を確認することが大切です。
このほか、公的年金等控除や配偶者控除など、利用できる所得控除がないかを確認することで、税負担を抑えられる可能性があります。
年金額そのものを増やすことは難しくても、利用できる制度を把握しておくことで、手取り額の改善につながる場合があるでしょう。
まとめ
年金額改定通知書で年額が増えていても、実際の受取額があまり増えないのは珍しいことではありません。
その主な理由は、介護保険料や住民税、医療保険料などが年金から差し引かれているためです。年金額が増えると、それに伴って負担額も増える場合があり、結果として受取額の増加が小さくなることがあります。
そのため、年金生活では「額面の年金額」だけでなく、「実際にいくら振り込まれているか」を確認することが重要です。
特に、毎年届く年金額改定通知書と年金振込通知書を見比べることで、自分の負担状況を把握しやすくなります。内容を理解しておくと、将来の生活設計も立てやすくなるでしょう。
出典
厚生労働省 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
