夫は「年収600万円」で、私は“扶養内パート”です。「遺族年金だけで生活できる」と思っていたのですが、今後“5年で打ち切り”になるって本当ですか? 万一の場合、どう暮らせばいいのでしょうか?

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夫は「年収600万円」で、私は“扶養内パート”です。「遺族年金だけで生活できる」と思っていたのですが、今後“5年で打ち切り”になるって本当ですか? 万一の場合、どう暮らせばいいのでしょうか?
「夫に万一のことがあっても、遺族年金があるから何とかなるはず」と考えている人は多いかもしれません。一方で、最近は遺族年金が5年で打ち切りになるといった話題もあり、不安を感じている人もいるのではないでしょうか。
 
特に、扶養内パートで働いている場合、本当に生活していけるのかは気になるところでしょう。本記事では、遺族年金の基本的な仕組みや、年収600万円の夫が亡くなった場合、どれくらい受け取れる可能性があるのか、さらに最近話題となっている制度変更についても解説します。
三浦大幸

2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

遺族年金とは?

遺族年金とは、家計を支えていた人が亡くなった場合に、残された家族の生活を支えるために支給される公的年金です。主なものとして、遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。
 
遺族基礎年金の支給は、原則として子どもがいる配偶者が対象です(子どもが18歳到達年度末まで。障害等級1級または2級の障害状態にある場合は20歳未満)。一方、遺族厚生年金は、厚生年金に加入していた会社員や公務員などに生計を維持されていた遺族に支給されます。
 

夫が年収600万円の場合、遺族年金はいくら?

それでは、具体的にどれくらい受け取れるのかを見てみましょう。前提は次の通りとします。
 

【前提】

・夫:会社員
・年収600万円
・厚生年金加入期間25年(300ヶ月)
・妻:扶養内パート
・子ども2人(18歳到達年度末まで)

 
まず、遺族基礎年金です。2026年度水準では、遺族基礎年金は、年額で84万7300円になります。子ども2人の場合は、1人あたり24万3800円が加算されるため、妻が受け取れる遺族基礎年金は次のとおりです。
 
84万7300円+24万3800円+24万3800円=133万3300円
 
次に、遺族厚生年金です。厚生年金加入25年・年収600万円程度を前提とすると、概算では年間約61万7000円となります。
 
つまり、遺族基礎年金が約133万円、遺族厚生年金が約62万円、合計すると、年間約195万円程度、月額では約16万円前後が1つの目安になります。
 

遺族年金だけで生活できる?

月16万円前後と聞くと、意外ともらえると感じる人もいるかもしれません。ただし、実際に生活できるかどうかは、住宅ローンや家賃、子どもの教育費、貯蓄額、自分の年収などによって大きく変わります。特に、子どもが成長すると教育費は増えやすく、遺族年金だけでは厳しいケースもあります。
 
一方で、扶養内パートを続けたり、将来的に勤務時間を増やしたりすることで、家計を補える可能性もあるでしょう。重要なのは、遺族年金があるから安心と考えるだけではなく、夫がいなくなった後の生活費を一度具体的に試算してみることです。
 

「5年で打ち切り」は本当?

最近、「遺族年金が5年で終わる」という話題を耳にすることがあります。これは、遺族厚生年金の制度見直し議論が背景にあります。
 
具体的には、男女間の取扱差の解消を目的に、将来的に遺族厚生年金の支給が所定の条件の下、原則5年間となる年金制度改正法が成立しました。とはいえ、制度は2028年以降段階的に変更が進められ、さらに本記事のように子どもを養育する間については、現在と変更はありません。
 

遺族年金だけに頼りすぎないことも重要

遺族年金は大切な制度ですが、それだけで将来が完全に安心というわけではありません。
 
例えば、次のような対策も重要です。
 

・生活防衛資金を確保しておく
・生命保険を見直す
・自分自身の収入を増やせる準備をしておく
・住宅ローンの団信内容を確認しておく

 
特に住宅ローンでは、団体信用生命保険(団信)が付いているケースも多く、夫が亡くなった際にローン残高がゼロになる場合があります。これだけでも家計負担は大きく変わるでしょう。
 

まとめ

年収600万円程度の会社員の夫が亡くなった場合、子ども2人がいる世帯では、遺族基礎年金と遺族厚生年金を合わせて年間約195万円程度が受け取れる可能性があります。
 
ただし、生活できるかどうかは、住宅費や教育費、自分の収入などによって大きく異なります。なお、最近話題となっている遺族年金制度の見直しについては、今回のような子育て世帯が直ちに「5年で打ち切り」になるわけではありません。
 
大切なのは、「遺族年金があるから安心」と考えるだけではなく、万一の際の生活費や働き方も含めて、現実的に備えておくことです。制度を正しく理解したうえで、無理のない家計設計を考えていくことが重要といえるでしょう。
 

出典

日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和8年度版)
 
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

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