夫の遺族年金を受け取ると、老齢厚生年金が「全額」もらえなくなるって本当!? もし夫が死んだら私は生きていけません。何か対策はないのでしょうか?年金が相殺されるカラクリを解説!

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夫の遺族年金を受け取ると、老齢厚生年金が「全額」もらえなくなるって本当!? もし夫が死んだら私は生きていけません。何か対策はないのでしょうか?年金が相殺されるカラクリを解説!
「夫に先立たれて生活が苦しくなった……」ということをよく聞きます。老後生活で夫と二人暮らしのときには、年金でゆとりある生活とはいかないまでも、生活できてきたのに、夫が他界した後に年金は少なくなるのでしょうか。日本では女性のほうが平均寿命は長いので、よくあるケースで考えてみます。
吉野裕一

夢実現プランナー

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている

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遺族年金制度は

公的な遺族年金制度は、遺族基礎年金と遺族厚生年金から成り立っている制度です。
 
遺族基礎年金は、20歳から60歳になるまでの人が加入する国民年金の被保険者が亡くなった時に、一定の要件で受給できる年金制度です。
 
受給できるのは、18歳に達した年度末までの子か、その子を持つ配偶者になります。高齢夫婦の場合は、すでに子どもが18歳以上になっていることが考えられるので、遺族となった配偶者に受給資格はないケースが多くなります。
 
遺族厚生年金は、会社員や公務員など勤めている人が加入する厚生年金の被保険者が亡くなったときに、一定の要件で受給できる年金制度です。受給できるのは、配偶者や子ども、父母、孫、祖父母です。
 
今回のタイトルのように遺族年金という場合は、加入している年金制度や受給している状況によって、受け取れる年金が変わることに注意しましょう。
 
厚生年金に加入している人は、厚生年金で支払っている保険料に国民年金の保険料も含まれています。また、会社員の配偶者で扶養されているような第3号被保険者は、保険料の負担はありませんが、国民年金に加入しているのと同等となっています。
 

遺族年金額はどれくらい?

遺族年金の遺族基礎年金は、前述したように子のある配偶者か子が受け取ることができます。
 
昭和31年4月1日以前生まれの人は84万4900円+子の加算額、昭和31年4月2日以降生まれの人は84万7300円+子の加算額となります。子の加算額は、2人目までは各24万3800円、3人目以降は各8万1300円となります。
 
遺族厚生年金は、現役時代の収入に応じて年金額が変わり、亡くなった第2号被保険者の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額となります。例えば、毎月12万円の老齢厚生年金を受け取っている人が亡くなった場合には、遺族厚生年金は9万円となります。
 
配偶者は、自身の老齢基礎年金と遺族厚生年金(遺族基礎年金の受給要件に当てはまれば遺族基礎年金)を受け取ることができます。
 
また、配偶者に第2号被保険者に加入している期間がある場合には、前述の額と亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の額の2分の1と自身の老齢厚生年金の2分の1の額を合算した額を比べて高いほうを受給することができます。
 
例えば、亡くなった人が前述の老齢厚生年金を受け取り、配偶者は老齢厚生年金を10万円受け取っていた場合には、亡くなった人の老齢厚生年金の2分の1の6万円と自身の老齢厚生年金の2分の1の5万円を合わせた11万円を受け取ることができます。
 

自身の老齢厚生年金も受け取ることができる

前述したように、遺族年金を受け取ることができる配偶者は、遺族基礎年金と遺族厚生年金と条件によっては自身の老齢厚生年金を受け取ることができます。
 
ただし、これまで専業主婦や扶養範囲内でいた場合には、自身の老齢厚生年金はない、もしくは少額となるケースが多いと思われます。その場合、自身の老齢厚生年金はどうなるのでしょうか。
 
図表1

図表1

筆者作成
 
図表1のように、自身の老齢厚生年金を受給していたとしても遺族厚生年金のほうが多い場合は、多い部分のみを遺族厚生年金から受給することになります。
 
仮に老齢厚生年金を12万円、老齢基礎年金を7万円受給していた人(A)と、老齢厚生年金1万円、老齢基礎年金を6万円受給していた配偶者(B)の場合、毎月の年金額は26万円となります。
 
(A)の人が亡くなると、配偶者(B)には、老齢厚生年金1万円、遺族厚生年金8万円、老齢基礎年金6万円が支給され、合計15万円となります。
 

まとめ

18歳に達した年度末までの子どもがいる場合には、遺族基礎年金を受け取ることができますが、高齢夫婦の場合、子どもはすでに独立していることも考えられ、老齢厚生年金の額が多いほうの人が亡くなった場合には、遺族厚生年金もこれまでの老齢厚生年金よりも少額になり、老齢基礎年金も遺族自身の分だけになるため、年金額が大きく減少することが考えられます。
 
現役時代に、所得税や社会保険の扶養範囲内で働いているという場合、老後の遺族年金が少なくなる可能性が高くなります。現役時代から、扶養にこだわらない働き方をするかNISAやiDeCoを活用した老後費用の準備を検討することを考えておきましょう。
 

出典

日本年金機構 遺族年金(受給要件・対象者・年金額)
 
執筆者 : 吉野裕一
夢実現プランナー

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