65歳で「年金月20万円」なのに“生活が苦しい”です…平均は「15万円」なので“多いほう”だと思うのですが、上位何パーセントの年金額ですか?「老後も働くべき」なのでしょうか?
本記事では、日本の年金制度の仕組みを確認しながら、年金月20万円がどの程度の水準なのか、また年金額に差が生じる理由について解説します。
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目次
日本の年金制度は2階建て
日本の公的年金制度は、「2階建て」と呼ばれる仕組みです。1階部分は国民年金(老齢基礎年金)で、日本国内に住む20歳以上60歳未満の人が原則として加入します。
2階部分は厚生年金で、会社員や公務員などが加入する年金です。そのため、自営業者など国民年金のみの人は老齢基礎年金が中心となりますが、会社員として長く働いた人は老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金も受け取れます。
年金月20万円は多い? 平均額と比較してみる
厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者の平均年金月額は約15万円です。なお、この金額には老齢基礎年金も含まれています。
そのため、月20万円の年金を受給している場合、平均よりも約5万円高い水準ということになります。もちろん、生活費は住んでいる地域や住宅ローンの有無、家族構成などによって大きく異なりますが、統計上は月20万円の年金は比較的高い部類に入るといえるでしょう。
年金月20万円は上位何%くらい?
同統計によると、厚生年金受給者のうち年金月額20万円以上を受給している人の割合は約19%です。言い換えると、厚生年金を受給している人の中でも約5人に1人しか月20万円以上を受け取っていないことになります。
また、この統計は厚生年金受給者を対象としたものです。実際には、国民年金のみを受給している人も多く存在します。国民年金のみの場合、受給額は厚生年金受給者より低くなるケースが一般的です。
そのため、年金受給者全体で見れば、月20万円以上を受け取っている人の割合は19%よりもさらに低くなるでしょう。
なぜ人によって年金額に差が出るの?
年金額に差が生じる大きな理由は、厚生年金の仕組みにあります。厚生年金は、加入期間だけでなく、現役時代の給与や賞与の水準も反映して計算されます。
そのため、同じ40年間会社員として働いた場合でも、平均給与が高かった人ほど将来の年金額も高くなる仕組みです。また、厚生年金への加入期間が短かった人や、自営業期間が長かった人は、年金額が比較的少なくなるケースがあります。
月20万円もらっていても生活が楽とは限らない
統計上は上位の年金額だとしても、必ずしも生活に余裕があるとは限りません。例えば、持ち家ではなく都心で家賃を支払っている、住宅ローンが残っている、医療費や介護費用の負担が増えている場合などは、年金月20万円でも家計は厳しく感じられることがあるでしょう。
また、物価上昇によって食費や光熱費などの負担が増えていることも影響しているでしょう。年金額だけで生活のゆとりを判断することは難しく、支出とのバランスを見ることが重要です。
働く高齢者は増えている
実際、年金を受給しながら働く高齢者は少なくありません。総務省の労働力調査によると、65~69歳の就業率は50%を超えており、半数以上が何らかの形で働いています。
働く理由は人それぞれですが、「生活費を補うため」「老後資金を増やしたいため」といった経済的な理由を挙げる人もいます。年金だけに頼るのではなく、就労収入を組み合わせながら生活設計を行う高齢者は今後も増えていく可能性があるでしょう。
まとめ
厚生労働省の統計によると、月20万円の年金は平均を上回る水準といえます。ただし、年金額が高いからといって、必ずしも生活に余裕があるとは限りません。住居費や物価上昇などさまざまな要因が影響し、実際の暮らしやすさは支出とのバランスによって決まります。
年金額だけを見るのではなく、必要に応じて就労収入や資産活用も含めた老後設計を考えることが大切でしょう。
出典
厚生労働省 令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
内閣府 令和7年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)第2節 高齢期の暮らしの動向 1 就業・所得
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

