母から「年金の管理が大変だから、振込先をあなたの口座に変えたい」と相談されました。本人名義ではない口座で年金を受け取ることはできるのでしょうか?

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母から「年金の管理が大変だから、振込先をあなたの口座に変えたい」と相談されました。本人名義ではない口座で年金を受け取ることはできるのでしょうか?
親が高齢になると、「年金の管理が難しくなったので、娘や息子の口座に振り込んでほしい」と相談されることがあります。しかし、日本の公的年金は、原則として受給者本人名義の口座で受け取る決まりです。そのため、家族だからという理由だけで、子ども名義の口座へ変更することはできません。
 
とはいえ、本人の判断能力が低下している場合などには、利用できる制度があります。また、年金の受取口座を変更する際には、公金受取口座という制度も知っておくと便利です。この記事では、本人以外の口座で年金を受け取れるケースや手続きの方法、公金受取口座について分かりやすく解説します。
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年金は原則として本人名義の口座でしか受け取れない

結論からいうと、年金は原則として受給者本人名義の金融機関口座でしか受け取ることはできません。たとえ家族であっても、「管理しやすいから」という理由だけで娘や息子の口座へ振込先を変更することは認められていません。
 
これは、年金が受給者本人だけに認められた権利であり、年金を確実に受給者本人へ支給し、不正受給や金銭トラブルを防ぐ目的があるためです。
 
例えば、高齢の母親が「通帳の管理が難しくなったから子どもの口座に振り込んでほしい」と希望しても、その理由だけでは基本的に変更はできません。
 
また、年金の受取口座を変更する場合でも、新しく指定する口座は本人名義である必要があります。変更手続きが完了するまでには一定の期間がかかるため、新しい口座への入金を確認するまでは、現在利用している口座を解約しないよう注意しましょう。
 

本人以外の口座が認められるケースと高齢者が利用できる制度

本人以外の口座への振り込みが認められるケースもありますが、その対象は非常に限られています。
 
代表的なのが、成年後見人などの法定代理人が財産管理を行っている場合です。この場合は、一定の条件を満たせば、年金受給権者の氏名を含む管理口座へ振込先を変更できることがあります。これは、家庭裁判所によって選任された成年後見人などが、本人の財産を適切に管理するための制度です。
 
一方で、家族が日常的に通帳を預かっているだけでは、この例外には当てはまりません。
 
そのため、親が年金の管理に不安を感じ始めた場合は、まずは本人名義の口座のまま家族が手続きをサポートできる方法を検討することが大切です。年金の相談や各種手続きについては、委任状を作成すれば家族が代理人として年金事務所で手続きを行える場合があります。
 
もし認知症などによって本人が財産管理を行うことが難しくなってきた場合は、前述の成年後見制度の利用も視野に入れると安心です。早めに年金事務所や地域包括支援センター、家庭裁判所などへ相談することで、状況に応じた適切な方法を選びやすくなります。
 

年金の受取口座を変更する方法と公金受取口座について知っておきたいこと

本人名義の別の口座へ変更したい場合は、「年金受給権者受取機関変更届」を提出して手続きを行います。手続きには、本人確認書類や基礎年金番号が分かる書類、変更先口座の通帳や口座情報が確認できる書類などが必要です。代理人が手続きを行う場合には、本人の委任状と代理人の本人確認書類も求められます。
 
また、近年は「公金受取口座」という制度も利用できます。
 
公金受取口座とは、給付金などを受け取るための口座として、本人名義の口座を国へ登録する制度です。登録は任意で、マイナポータルなどから登録・変更・削除ができます。
 
令和7年6月からは、年金請求の際に指定した受取口座について、希望すれば公金受取口座として登録できる仕組みも始まりました。これにより、今後さまざまな公的給付を受ける際に、口座情報を何度も提出する手間を減らせる可能性があります。
 
ただし、公金受取口座に登録できるのも本人名義の口座だけです。娘や息子など家族名義の口座を公金受取口座として登録することはできません。制度を利用する際は、この点を理解しておきましょう。
 

年金の管理が難しくなったら家族だけで判断せず制度を活用しよう

年金は原則として本人名義の口座で受け取ることになっているため、「家族だから」という理由だけで娘や息子の口座へ変更することはできません。
 
一方で、成年後見制度を利用する場合など、例外的に管理口座への変更が認められるケースもあります。
 
親の年金管理に不安を感じたら、まずは年金事務所へ相談することが大切です。利用できる制度を早めに確認しておけば、本人の生活を守りながら、家族の負担も軽減しやすくなるでしょう。
 

出典

日本年金機構 年金を受けている方が年金の受取機関や住所を変更するとき
日本年金機構 年金請求手続きにおける公金受取口座の登録
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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