年金を受け取り始めた父が、「学生時代に国民年金を払わなかったことを後悔している」と話していました。私も未納期間があるのですが、やはり受給額は減るのでしょうか?将来のことを考えると不安です。

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年金を受け取り始めた父が、「学生時代に国民年金を払わなかったことを後悔している」と話していました。私も未納期間があるのですが、やはり受給額は減るのでしょうか?将来のことを考えると不安です。
学生時代は収入が少なく、国民年金保険料の支払いを負担に感じる人も少なくありません。若い頃には老後の年金を身近に感じにくいため、納付しなかった期間が将来どのような影響を及ぼすのか、後になって気になることもあるでしょう。
 
ただし、学生時代に保険料を払っていなかった場合でも、当時の制度や手続きの状況によって扱いは異なります。本記事では、学生時代の未納期間が年金の受給額に与える影響や、確認しておきたい制度について解説します。
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学生時代の未納期間は年金額にどう影響する?

老齢基礎年金は、原則として20~60歳までの40年間、計480ヶ月分の保険料を納めると満額になります。
 
2026年度の老齢基礎年金は、1956年4月2日以後に生まれた人の場合、満額で月7万608円、年84万7296円です。この金額を基に単純計算すると、保険料を納めていない期間が1ヶ月あるごとに、受給額は「7万608円×12ヶ月÷480ヶ月=年約1765円」減ります。なお、実際の金額は生年月日や年金額が改定される年度によって異なります。
 
2026年度の年金額を基に単純計算した、未納期間別の目安は図表1のとおりです。
 
図表1

未納期間 老齢基礎年金の年間減額目安 月額換算した減額目安
1年間 約2万1182円 約1765円
2年間 約4万2365円 約3530円
4年間 約8万4730円 約7061円

日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」より筆者作成
 
例えば、大学在学中の2年間について年金額に反映されない期間がある場合、毎月の受給額は満額より約3500円少なくなる計算です。
 
一見すると大きな金額ではないように思えるかもしれません。ただし、2年間の未納によって年金額が年約4万2365円少なくなる場合(図表1)、65~85歳まで20年間では、「約4万2365円×20年=約84万7300円」の差が生じます。年金は原則として生涯支給されるため、長期間になるほど総額の差も広がります。
 

未納と学生納付特例では年金への影響が異なる

学生時代に保険料を払っていなかったとしても、すべてが同じ未納になるわけではありません。
 
学生納付特例とは、所得が一定以下の学生について、申請により在学中の保険料納付を猶予する制度です。承認された期間は、老齢基礎年金を受け取るために必要な受給資格期間には含まれます。
 
ただし、追納しなければ年金額の計算には反映されません。一方、申請をせずに保険料を納めなかった期間は未納です。未納期間は年金額に反映されないだけでなく、受給資格期間にも原則として含まれません。
 
さらに、父親の学生時代が1991年3月以前だった場合は注意が必要です。当時、学生の国民年金加入は任意でした。加入しなかった期間は年金額には反映されませんが、現在の制度における一般的な未納とは性質が異なります。
 
そのため、父親本人が「払わなかった」と記憶していても、実際には学生納付特例、任意加入対象期間、未納のいずれかである可能性があります。
 

年金を受け取り始めた後は原則として追納できない

学生納付特例の承認を受けた期間は、承認月の前10年以内であれば追納できます。追納した期間は老齢基礎年金の受給額に反映され、1年分を追納すると、将来受け取る年金は年約2万円増えるのが目安です。ただし、承認期間の翌年度から数えて3年度目以降に追納する場合は、当時の保険料に加算額が上乗せされます。
 
なお、老齢基礎年金を受け取れる権利が発生した後は、原則として追納できません。そのため、すでに父親が年金を受け取り始めている場合は、学生時代の期間を今から追納して受給額を増やすことは難しいでしょう。
 
また、60歳以上65歳未満で、まだ老齢基礎年金を受け取っていない人は、一定の条件を満たせば国民年金へ任意加入できますが、任意加入は今後の加入月数を増やすための手続きであり、過去の未納期間へさかのぼって加入する制度ではありません。
 
このように受給開始後に年金額を増やすのは難しいため、まずは「ねんきんネット」や年金事務所で記録と計算に誤りがないか確認し、必要なら年金事務所に相談してください。
 

年金記録を確認して受給額が少ない理由を把握しよう

2026年度の満額を基にすると、年金額に反映されない期間が1年あれば、受給額は月約1765円減る計算です。
 
ただし、学生時代の時期や当時の手続きによって、「未納」「学生納付特例」「任意加入の対象外」など扱いが異なります。すでに年金を受け取り始めている場合、原則として追納はできません。そのため、「ねんきんネット」や年金事務所で記録を確認し、実際の減額理由と受給額を把握したうえで、今後の生活費や貯蓄計画を見直しましょう。
 

出典

日本年金機構 令和8年4月分からの年金額等について
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 年金Q&A(国民年金関係) 平成3年4月前から学生であったにもかかわらず、平成3年4月から国民年金の保険料免除期間とされているのはどうしてですか。
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 任意加入制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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