「専業主婦は年金保険料タダでズルい!」と言われていますが、もし“第3号被保険者”が廃止されたら、私の年金はどうなるの? 過去にさかのぼって「数百万円の保険料」を請求されるって本当ですか!?
そのため「ズルい」と言われることもありますが、現行制度では第2号被保険者全体で負担する仕組みです。仮に将来見直されても、過去にさかのぼって数百万円を請求されると決まっているわけではありません。
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第3号被保険者は保険料を払っていない扱いではない
第3号被保険者とは、厚生年金に加入している第2号被保険者(会社員や公務員など)に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者です。専業主婦だけでなく、条件を満たせば専業主夫も対象になります。
厚生労働省の資料によれば、第2号被保険者と第3号被保険者の夫婦は全体の44%を占めています(令和4年の調査)。つまり、100組夫婦がいる中で、そのうち44組の夫婦は、夫と妻のどちらかが「第3号被保険者」であるということです。
第3号被保険者は、自分で国民年金保険料を納める必要がありません。この点だけを見ると「無料で年金をもらえる」と見えるかもしれません。しかし、日本年金機構は、第3号被保険者の保険料について、第2号被保険者が全体で負担していると説明しています。
つまり、第3号被保険者の期間は「未納」ではありません。正しく届け出がされていれば、老齢基礎年金の受給資格期間にも年金額にも反映されます。未納期間とはまったく違います。
ただし、夫の退職、妻の収入増(年間130万円以上)、扶養から外れたときなどに手続きを忘れると、第3号ではない期間が生じることがあります。この場合は未納や手続き漏れにつながるため、自分の記録をねんきんネットなどで確認しておくと安心です。
廃止が議論されても過去分の一括請求とは別問題
第3号被保険者制度は、以前から見直しの議論があります。共働き世帯や単身世帯から見ると不公平だという声がある一方、家事、育児、介護を担ってきた人の年金保障をどうするかという問題もあります。
厚生労働省の年金部会でも、第3号被保険者制度や年収の壁について議論されています。ただし、議論があることと、廃止が正式に決まったことは別です。
さらに、将来制度が変わるとしても、過去の第3号期間にさかのぼって保険料を請求するかどうかは、まったく別の大きな問題です。
少なくとも現時点で、「第3号が廃止されたら過去数十年分の保険料を一括請求する」といった制度が決まっているわけではありません。もし過去にさかのぼって数百万円を請求するなら、家計への影響は甚大です。
たとえば、国民年金保険料(令和8年度は月額1万7920円)を40年間さかのぼるとすると、800万円をかるく超えます。
法律上・政治上も大きな議論になるはずです。そのため、SNSなどで「廃止されたら過去分を払わされる」と見ても、決まった事実のように受け止めないことが大切です。
将来の見直しに備えるなら働き方と老後資金を確認する
第3号制度が将来どうなるかは、今後の法改正次第です。仮に制度が見直される場合、今後の保険料負担、短時間労働者への厚生年金適用拡大、配偶者の働き方などが関係してくる可能性があります。
専業主婦や扶養内で働く人が今できることは、まず自分の年金記録を確認することです。第3号の届出漏れがないか、夫の転職や退職時に空白期間がないかを見ましょう。
次に、老後の収入見込みを夫婦で確認します。自分の老齢基礎年金、夫の年金、預貯金、退職金、NISAやiDeCoなどの資産を合わせて、老後の生活費を考えます。制度への不安だけで動くのではなく、家計全体で備えることが大切です。
働ける状況なら、短時間でも厚生年金に加入できる働き方を検討するのも一つの方法です。厚生年金に加入すれば、将来の年金が増える可能性があります。
まとめ
第3号被保険者は、自分で国民年金保険料を直接納めませんが、未納扱いではありません。現行制度では、第2号被保険者全体で負担する仕組みです。
第3号制度の見直しは議論されていますが、廃止が決まったわけではなく、過去にさかのぼって数百万円を請求する制度が決まっているわけでもありません。ネット上の不安をあおる話は、制度の事実と分けて考えましょう。
不安があるなら、ねんきんネットで自分の記録を確認し、夫婦の老後資金を見える化することが第一歩です。制度変更に振り回されるより、働き方と資産づくりを少しずつ整えるほうが、将来の安心につながります。
出典
日本年金機構 国民年金の第3号被保険者制度のご説明
日本年金機構 国民年金第3号被保険者の保険料について
厚生労働省 第3号被保険者制度について
日本年金機構 国民年金保険料
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

