一人暮らしだった父が亡くなった後、父の口座に年金が振り込まれていました。このお金はそのまま受け取れるのでしょうか? それとも返金が必要になるのでしょうか?
年金は後払いのため、亡くなった後に振り込まれていても、亡くなった月分までの年金は未支給年金として遺族が請求できる場合があります。ただし、亡くなった月より後の分まで含まれている場合は返金が必要です。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
年金は亡くなった月分まで受け取れる
公的年金は、受給者が亡くなった月分まで支給されます。年金は原則として偶数月の15日(15日が土日・祝日のときは直前の平日)に前2か月分が振り込まれるため、亡くなった後に口座へ入金されることがあります。
たとえば、父が5月に亡くなった場合、4月分と5月分の年金が6月15日に振り込まれることがあります。この場合、亡くなった後の入金だからといって、すべて返金になるわけではありません。亡くなった月分までの年金は、まだ受け取っていない年金として扱われます。
この未払いの年金を「未支給年金」といいます。日本年金機構は、亡くなった日より後に振り込まれた年金のうち、亡くなった月分までの年金は、未支給年金として一定の遺族が受け取れると説明しています。
ただし、勝手に父の口座から引き出して使うのは避けましょう。未支給年金を受け取るには、年金事務所へ請求書を提出する必要があります。
一人暮らしでも受け取れる遺族がいる場合がある
未支給年金を請求できるのは、父が亡くなった当時、父と生計を同じくしていた遺族です。対象は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、その他3親等内の親族です。受け取れる順位は、ここに並べた順となります。配偶者が1位、子が2位となり、優先的に受け取ります。
「父は一人暮らしだったから、自分は対象外なのでは」と思うかもしれません。しかし、同居していなくても、生計を同じくしていたと認められる場合があります。たとえば、定期的に生活費を援助していた、父の生活費を負担していた、頻繁に介護や身の回りの世話をしていたなどの事情です。
反対に、父とは別生計で、生活費のやり取りもなく、単に相続人であるだけの場合は、未支給年金を受け取れないことがあります。この場合、入金された年金の扱いは年金事務所に確認が必要です。
未支給年金は、相続財産として分けるお金とは少し扱いが違います。国税庁は、未支給年金請求権は自己の固有の権利として請求するものであり、相続税の課税対象にはならない、と説明しています。相続人全員で自由に分けるものではなく、年金制度上の順位に従って請求するものです。
払い過ぎ分があれば返金が必要になる
亡くなった月分までの年金は請求できる可能性がありますが、亡くなった月の翌月分以降が振り込まれている場合は、原則として返金が必要です。
たとえば、父が5月に亡くなったのに、6月分や7月分まで支払われてしまった場合、その部分は父が受け取る権利のない年金です。死亡届や未支給年金の手続きが遅れると、年金を多く受け取りすぎることになり、後から返還を求められる場合があります。
日本年金機構によると、未支給年金を受け取るために提出する書類は、亡くなった方の年金証書、請求する方のマイナンバー確認書類、戸籍謄(抄)本など続柄確認のための書類、受け取りを希望する金融機関の口座番号などです。
別々に住んでいた場合は、「生計同一関係に関する申立書」などが必要になる場合があります。入金に気づいたら、できるだけ早く年金事務所へ相談しましょう。
また、銀行口座は死亡により凍結されることがあります。口座から引き出す前に、年金の内訳と相続手続きを確認することが大切です。葬儀費用などに使ってしまうと、あとで返金が必要になったとき困る可能性があります。
まとめ
父が亡くなった後に年金が振り込まれていても、すべて返金になるとは限りません。亡くなった月分までの年金は、未支給年金として一定の遺族が請求できる場合があります。
一方で、亡くなった月の翌月分以降が含まれていれば、その部分は返金が必要になる可能性があります。一人暮らしだった父の場合でも、生計を同じくしていたと認められるかで受け取れるかが変わります。
大切なのは、勝手に引き出して使わないことです。入金額、父の死亡日、年金の支給対象月を確認し、年金事務所へ未支給年金の請求と返金の要否を相談しましょう。早めに手続きすれば、受け取れるお金と返すべきお金をきちんと分けられます。
出典
日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
日本年金機構 年金はいつ支払われますか。
国税庁 未支給の国民年金に係る相続税の課税関係
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

