夫が亡くなり、遺族年金をもらっています。もし私が「再婚」したら、年金は全額ストップしてしまうって本当ですか?
今回は、遺族年金の受給権について詳しく解説します。
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士
元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
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遺族年金の受給権者を確認しよう
1. 遺族基礎年金の受給権者
国民年金の被保険者であったなど要件を満たす方が死亡したとき、その方に生計を維持されていた以下の遺族が遺族基礎年金を受給することができます(※1)。
(1)子のある配偶者
(2)子
子は、18歳到達年度の末日(3月31日)を迎えていない方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級・2級の状態にある方が対象です。なお、子に生計を同じくする父または母がいる間は、子本人には遺族基礎年金は支給されず、子の加算額を含めて子のある配偶者に支給されます。
2. 遺族厚生年金の受給権者
厚生年金の被保険者であったなど要件を満たす方が死亡したとき、その方に生計を維持されていた以下の遺族のうち、最も優先順位の高い方が遺族厚生年金を受給することができます(※2)。
(1)子のある配偶者
(2)子
(3)子のない配偶者(注1、注2)
(4)父母(注3)
(5)孫
(6)祖父母(注3)
子および孫は、18歳到達年度の末日(3月31日)を迎えていない方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級・2級の状態にある方が対象です。
注1:子のない30歳未満の妻の受給期間は、5年間のみです。
注2:子のない夫は55歳以上の方が受給できますが、60歳から受給開始となります(ただし、遺族基礎年金を併せて受給できる場合は、55~60歳の間でも遺族厚生年金を受給することができます)。
注3:55歳以上の父母および祖父母が受給できますが、60歳からの受給開始となります。
なお、子のある妻か55歳以上の子のある夫が遺族厚生年金を受給している間は、子に対して遺族厚生年金は支給されません。
再婚すると妻は遺族年金の受給権を失う
遺族年金を受給している方が再婚(事実婚・内縁関係を含む)すると、遺族年金の受給権を失います(※3)。
遺族年金を受給している方が再婚した場合は、遺族基礎年金は14日以内、遺族厚生年金は10日以内に「遺族年金失権届」を提出しなければなりません。
母親が再婚しても子に遺族基礎年金を支給
現行制度では、遺族基礎年金を受給していた子のある妻が再婚した場合、妻は受給権を失い、子についても、母親と生計を同じくしている間は支給停止となっています。
しかしながら、2025年の年金制度改正により、2028年4月からは遺族基礎年金を受給していた子のある妻が再婚した場合、母親は遺族基礎年金の受給権を失いますが、子には遺族基礎年金が支給されるようになります(※4)。
まとめ
要件を満たす方が死亡した場合、その方に生計を維持されていた妻に遺族厚生年金が支給されます。また、子のある妻には、併せて遺族基礎年金が支給されます。
遺族年金を受給している妻が再婚(事実婚を含む)すると、遺族年金の受給権を失います。ただし、2028年4月以降は、遺族基礎年金を受給していた子のある妻が再婚した場合、妻は受給権を失いますが、子には遺族基礎年金が支給されるようになります。
出典
(※1)日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
(※2)日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
(※3)日本年金機構 遺族年金を受けている方が結婚や養子縁組などをしたとき
(※4)厚生労働省 年金制度改正法が成立しました
執筆者 : 辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

