親族が年金の受給開始後6ヶ月で亡くなりましたが、支給されなかった分は相続できるでしょうか?

配信日:
この記事は約 3 分で読めます。
親族が年金の受給開始後6ヶ月で亡くなりましたが、支給されなかった分は相続できるでしょうか?
父母や配偶者が亡くなった後の必要な諸手続きは20件程度あり、年金や保険関係などは、手続きによっては2週間以内に終える必要があります。
 
本記事では、公的年金の未支給年金と遺族年金の受給手続きや年金の相続について学んでみましょう。
植田英三郎

ファイナンシャルプランナー CFP

家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。

公的年金受給のしくみと未支給年金

最初に、公的年金は相続財産になりませんが、以下、公的年金の受給のしくみと遺族年金と私的年金について見てみましょう。
 
公的年金(基礎年金と厚生年金)の受給は、2ヶ月に1回後払いになっています。例えば、6月・7月分は8月に支払われます(※1)。そのため、多くの場合に未支給年金が発生することになります。
 
仮に8月に親族が亡くなった場合は、8月分の年金は10月支給となり相続発生時(8月)では未支給年金になります。
 
未支給年金を受け取れる遺族は決まっています。亡くなった時点で生計を共にしていた(1)配偶者(2)子(3)父母(4)孫(5)祖父母(6)兄弟姉妹(7)その他(1)から(6)以外の3親等内の親族となり、受け取れる順序もこのとおりです(※2)。
 
未支給年金を請求するに際しては、以下の書類等を年金事務所へ提出する必要があります。


・請求する人のマイナンバーカード
・亡くなった人と請求する人の関係を確認する書類(戸籍謄本など)
・生計を同一にしていたことを証明する書類(住民票や生計同一関係に関する申立書)
・受け取りを希望する金融機関の口座番号等が確認できる書類

ここまでは、公的年金の未支給年金の受給方法について見てきました。これらの公的年金の未支給年金は、相続財産ではなく、受け取った遺族の一時所得となり、50万円以下は非課税となります。
 

公的年金の遺族年金と私的年金の相続

次に、公的年金の遺族年金と私的年金について確認してみましょう。
 
公的年金の加入者が亡くなり、所定の要件を満たす場合、遺族は遺族年金の受給ができますが、厚生年金加入者と国民年金加入者によって受給内容が異なります。
 

厚生年金加入者の遺族

厚生年金加入者の遺族は、遺族厚生年金を受給することができますが、死亡時に生計を共にしている親族のなかで受給できる順位が定められています。
 
該当する親族は、(1)配偶者(2)子(3)父母(4)孫(5)祖父母ですが、(1)~(5)の順位になります(※3)。
 
また、遺族厚生年金は亡くなった厚生年金加入者の厚生年金額(報酬比例部分)の4分の3となります。遺族厚生年金の受給は、現在は女性と男性によって年齢と受給期間が異なりますが、2028年から男女差の解消に向けた見直しが始まります。
 

国民年金加入者の遺族

国民年金加入者の生計を共にしていた遺族は、遺族基礎年金を受給できます。遺族基礎年金を受給できるのは、子のある「配偶者」と「子」になりますが、子とは原則として18歳になった年度の3月31日までにある人です。
 
遺族基礎年金の2026年度の年金額は、配偶者は84万7300円、子の加算は第1子・第2子各24万3800円、第3子以降各8万1300円です。
 
ただし、配偶者は年齢と男女により受給期間に制約があります。遺族厚生年金や遺族基礎年金は、相続税も所得税も非課税です(※4)。
 
なお、公的年金は、請求する人が事実婚関係にあった配偶者も認められることになっています。この場合については、配偶者ほかの3親等内の親族とは少し項目の異なった書類の提出が必要です。
 

私的年金の相続

一方で、私的年金については、保険料の負担者(支払者)によっては相続税や贈与税の対象になるケースがあるので、専門家(税理士等)に相談することをおすすめします。
 

終わりに

親族が亡くなった後は、精神的なダメージのなか、短期間に処理を要することも多いので、日頃から相談できる人を考えておくことが大事でしょう。
 

出典

(※1)日本年金機構 年金Q&A(年金の支払い) 年金はいつ支払われますか。
(※2)日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
(※3)日本年金機構 遺族厚生年金を受けられるとき
(※4)国税庁 No.1605 遺族の方に支給される公的年金等
 
執筆者 : 植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP

  • line
  • hatebu

LINE