15歳年上の夫と結婚。「私が若ければ、夫の死後も長く遺族年金がもらえる」と安心していたのに、妻が「30歳未満」だと遺族年金が“たった5年”で打ち切られる!? 年の差婚の恐ろしい落とし穴を解説!
ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
遺族基礎年金の対象者
遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2つがあります。
遺族基礎年金は、夫が国民年金の被保険者であるため、妻が夫に生計を維持されていた場合、以下の条件に適合すれば、受給できます。
(1)子のある配偶者
(2)子
つまり、「子の有無」が受給の条件になります。日本年金機構によると、子とは18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方を指します。
遺族基礎年金の受給期間は子の年齢によって異なるため、タイトルの「たった5年」ということではありません。
ちなみに、子のある妻の受給額は、84万7300円+子の加算額で、子の加算額は、子1人目および2人目で各24万3800円、子3人目以降で各8万1300円となります。
遺族厚生年金の対象者
遺族厚生年金は、夫が会社員や公務員など厚生年金の被保険者であった場合などに、一定の要件を満たすことで受給できます。妻に18歳未満の子があり、夫が会社員等で遺族厚生年金の受給条件を満たせば、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給できることとなります。
受給対象者は、夫に生計を維持されていた遺族のうち、以下の優先順位で受給できます。
(1)子のある妻(配偶者)
(2)子
(3)子のない妻(配偶者)
(4)父母
(5)孫
(6)祖父母
「(3)子のない配偶者」の場合、30歳未満の妻は5年間のみ受給、夫は、55歳以上であることが条件(受給開始は60歳から)となります。
ただし、遺族厚生年金について2028年4月から大幅な改正が予定されています。目的は、女性の就業率向上に合わせた、受給条件の男女差の解消です。これにより、60歳未満で死別した場合は、原則5年間の有期給付、60歳以降の場合は、無期給付となります(男性は2028年4月から実施、女性は2028年4月から20年間かけて段階的に実施)。
年の差婚であること
これまでに記載のとおり、遺族年金に関して「年の差婚」であることの理由で受給条件が変わることはありません。ポイントとしては、受給対象となる遺族が「生計を維持されていたのか」、「遺族本人の年齢」、「子の有無」により判断されます。
まとめ
今回の事例では、15歳年上の夫ということですから、妻が30歳の時点でも、夫はまだ45歳という若さということになります。「“恐ろしい落とし穴”」という大げさな表現ですが、夫が病気であるなどの特別な事情がないかぎりは、夫が45歳で早死にすることを想像するよりも、夫婦協力して将来に向けて家計を豊かにする努力するとよいでしょう。
出典
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
厚生労働省 遺族厚生年金の見直しについて
執筆者 : 高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
