共働き「世帯年金35万円」の“パワーカップル”なのに、老後は「年金22万円」で専業主婦だった“妹夫婦”より生活が苦しい…「高年収=損」!? 現役時代の稼ぎがアダになる“残酷な理由”

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共働き「世帯年金35万円」の“パワーカップル”なのに、老後は「年金22万円」で専業主婦だった“妹夫婦”より生活が苦しい…「高年収=損」!? 現役時代の稼ぎがアダになる“残酷な理由”
夫婦ともに正社員として働き、老後に世帯年金を月35万円ほど受け取れても、「これなら老後は安心」とは限りません。年金が月24万円程度の片働き世帯より、家計に余裕がなくなるケースも考えられます。
 
大切なのは年金額そのものではなく、税金・社会保険料を差し引いた収入と、老後の支出とのバランスです。本記事では、世帯年金35万円の水準や、共働き世帯が注意したい老後の家計、今からできる準備を解説します。
高柳政道

FP1級、CFP、DCプランナー2級

世帯年金35万円を得るための夫婦の年収とは?

2026年度の老齢基礎年金の満額は1人月7万608円です。また、日本年金機構による標準的な夫婦2人の年金額は月23万7279円となっています。世帯年金35万円は、この標準モデルを月11万円以上上回る水準です。
 
老齢厚生年金の報酬比例部分は、2003年4月以後の加入期間について「平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数」を基本に計算されます。単純化して、夫婦とも40年間加入し、平均標準報酬額がそれぞれ月48万円程度だったと仮定すると、基礎年金を合わせた世帯年金はおおむね月35万円になります。
 
実際の年金額は、過去の給与・賞与、加入期間、再評価率などによって異なります。正確な見込額は「ねんきんネット」で確認しましょう。
 

パワーカップルの欠点とは?

共働きで年金額が多くても、現役時代の支出水準を退職後も維持すれば家計は苦しくなります。
 
例えば、年金収入が月35万円に対し生活費が月45万円なら、単純計算で毎月10万円の不足です。一方、月24万円の年金でも、支出を20万円程度に抑えられれば収支には余裕があります。
 
また、公的年金は原則として雑所得となり、年金額が多ければ税負担が生じる場合があります。健康保険料や介護保険料などもあるため、額面35万円がそのまま使えるわけではありません。
 
配偶者に先立たれた場合にも注意が必要です。遺族厚生年金は、原則として、亡くなった人の老齢厚生年金の「報酬比例部分」の4分の3を基礎に計算されます。
 
65歳以上で自分の老齢厚生年金を受け取れる場合は、自分の老齢厚生年金が全額支給され、遺族厚生年金はそれを上回る部分がある場合などに差額が支給されます。共働きだからといって、配偶者の年金をそのまま上乗せして受け取れるわけではありません。
 

パワーカップルが老後に向けて進めておく準備とは?

まず、年金の見込額と老後の支出を比較しましょう。生命保険文化センターの2025年度調査では、夫婦2人が老後生活に必要と考える最低日常生活費は平均月23万9000円、ゆとりある老後生活費は平均39万1000円でした。
 
これは、実際の支出額ではなく、回答者が「必要」と考える金額ですが、老後資金を考える参考になります。
 
不足が見込まれる場合は、NISAやiDeCoを使った資産形成も選択肢です。18歳以上のNISAは1人1800万円の非課税保有限度額があるため、夫婦なら合計3600万円まで利用できます。iDeCoの掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象です。
 
また、老齢年金は繰下げ受給によって1ヶ月につき0.7%増額され、75歳まで繰り下げれば最大84%増額できます。ただし、税金・社会保険料や健康状態なども考慮して判断する必要があります。
 

まとめ

世帯年金35万円は、2026年度の標準的な夫婦の年金額を大きく上回ります。しかし、年金額が多いことと、老後の生活に余裕があることは同じではありません。
 
現役時代の生活水準を老後も維持して支出が大きければ、年金35万円でも赤字になります。また、税金・社会保険料や、配偶者死亡後の年金収入の変化も考えておく必要があります。
 
老後の安心を左右するのは、年金額の多さだけではなく、手取り収入と支出、保有資産のバランスです。まずは夫婦それぞれの年金見込額と現在の生活費を確認し、不足額があれば現役のうちから資産形成や支出の見直しを進めましょう。
 

出典

日本年金機構 令和8年4月分からの年金額等について
日本年金機構 は行 報酬比例部分
 
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

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