低所得者が対象の「年金生活者支援給付金制度」が開始。対象者と受給額をチェック!

配信日: 2019.09.20 更新日: 2021.06.23

この記事は約 4 分で読めます。
低所得者が対象の「年金生活者支援給付金制度」が開始。対象者と受給額をチェック!
今年10月1日より消費税が8%から10%に増税となる予定ですが、同時に消費税増税による消費の落ち込みを抑えようと政府もいろいろな優遇措置を検討しています。
 
キャッシュレス決済によるポイント還元や住宅ローン控除の拡大などがありますが、今回は、公的年金を受給されている方で所得の低い方の生活を支援するための年金生活者支援給付金制度について見ていきたいと思います。
 
吉野裕一

執筆者:吉野裕一(よしの ゆういち)

夢実現プランナー

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている

https://moneysmith.biz

老齢年金、障害年金、遺族年金の受給者が対象

今年4月に厚生労働省から発表された「年金生活者支援給付金の概要」によると、「生活者支援給付金は、年金を含めても所得が低い者(前年の所得額が老齢基礎年金満額以下の者など)の生活を支援するために、年金に上乗せして支給するもの」とされています。令和元年度基準額は年6万円(月5000円)で、約970万人が対象です。
 
基本的には、公的年金を受給されていて、条件を満たしている方が給付対象となりますが、老齢年金と障害年金・遺族年金で要件が異なる点には注意が必要です。
 

【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資

【PR】J.P.Returns

おすすめポイント

・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる

高齢者への給付金(老齢年金生活者支援給付金)

高齢者への給付金の支給要件として、(1)65歳以上の老齢基礎年金の受給者であること、(2)前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が、老齢基礎年金満額相当以下であること、(3)同一世帯の全員が市町村民税非課税であること、の3つがあります。
 
高齢者への給付では(2)の公的年金等の収入金額には障害年金や遺族年金等の非課税収入は含まず、老齢基礎年金の満額は毎年度の基礎老齢年金の額を勘案して改定されます。ちなみに前年(平成30年度)の満額は77万9300円となっています。
 
給付額は
(1)保険料納付済機関に基づく額(月額)=5000円×保険料納付済期間(月数)÷480月
(2)保険料免除期間に基づく額(月額)=約1万800円×保険料免除期間(月数)÷480月
の合計額が支給されます。
 
5000円に関しても、毎年度の物価変動に応じて改定されますので、物価が上がれば支給額も増えることになります。保険料免除期間に基づく額で、保険料全額免除、3/4免除、半額免除期間の場合は、老齢基礎年金の満額の6分の1が基礎となります。
 
現在の額で計算してみると、77万9300円の1ヶ月の額の6分の1となり、77万9300円÷12÷6=約1万824円です。1/4免除期間の場合は、老齢基礎年金満額(月額)の1/12(約5400円)となります。
 
下の表が受給額の目安となります。
 

 

補足的老齢年金生活者支援給付金

ここまでは老齢基礎年金満額相当額の受給された方の要件等の内容でした。老齢基礎年金満額を少し上回った額の所得しかない方は、老齢生活者支援給付金の対象者の方より、所得が少なくなる方が出てきます。厚生労働省では対象者が約160万人いるとしています。
 
その対象者に対して、老齢年金生活者支援給付金を受給する方と所得総額が逆転しないよう、補足的な給付として支給されるのが「補足的老齢年金生活者支援給付金」です。
 
具体的には、前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が約88万円までの方に対し、所得の増加に応じて給付します。
 
例えば、老齢基礎年金の満額を受給されている方は、前述の表で見ると公的年金と併せて月額7万円を受け取ることとなり、年額では84万円となります。一方、老齢基礎年金満額の78万円とその他の所得が2万円ある方は、合計所得80万円となってしまうため、老齢生活者支援給付金の対象とはなりません。
 
すると、老齢生活者支援給付金を受け取っている方の方が合計額が多くなってしまいます。この逆転現象を解消するために補足的に給付金を支給するものとなります。
 

障害者や遺族への給付金

今回の制度の支給対象は公的年金の受給者が対象のため、老齢基礎年金の受給者だけではなく、障害基礎年金や遺族基礎年金の受給者である方も対象となります。
 
障害者年金生活者支援給付金・遺族年金生活者支援給付金のどちらの制度も、障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まずに前年の所得が462万1000円以下であることが要件となっています。
 
給付額は、障害等級2級の方と遺族である方は5000円(月額)、障害等級1級の方が6250円(月額)となっています。この額も老齢生活者支援給付金同様に毎年度の物価変動に応じて改定されます。
 

給付金を受け取るには

年金生活者支援給付金を受け取るためには、支給要件を満たし、認定請求をご自身で行う必要があります。
 
2019年4月1日時点で老齢基礎年金や障害基礎年金、遺族基礎年金を受給されている方で要件を満たしている方へは、2019年9月頃に日本年金機構から手続きのご案内が送付されますので、送付書類をご確認ください。
 
2019年4月2日以降にそれぞれの年金を受給される方は、年金の裁定手続きを行う際に合わせて、年金生活者支援給付金の認定請求を行う必要があります。
 
基本的には恒久的な制度となっているために、今後、対象者には毎年給付金が支給されます。支給方法は年金と同様に偶数月に2ヶ月分が年金と同じ口座に、年金とは別に振り込まれることになります。
 
年金生活者支援給付金制度について、詳しくお知りになりたい方は年金ダイヤルや年金事務所でも、確認してみてください。
 
出典:日本年金機構「年金生活者支援給付金制度の概要」
 
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー
 

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集