更新日: 2021.06.24 国民年金
国民年金の住所変更はどうすればいい? 引っ越し前に確認したい手続き方法
国民年金の加入者の中には、転居に伴い「住所変更」をする方もいると思います。そこで、国民年金の住所変更における、「引っ越し前に確認したい手続き方法」について書くことにします。
執筆者:伏見昌樹(ふしみ まさき)
ファイナンシャル・プランナー
大学卒業後公認会計士試験や簿記検定試験にチャレンジし、公認会計士試験第二次試験短答式試験に合格や日本商工会議所主催簿記検定1級に合格する。その後、一般企業の経理や県税事務所に勤務する。なお、ファイナンシャル・プランナーとして、2級ファイナンシャル・プランニング技能士・AFP合格した後、伏見FP事務所を設立し代表に就き今日に至る。
被保険者の加入状況で違う! 住所変更に伴う対応方法
国民年金には、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者があり、それによって住所変更に伴う対応も変わってきます。具体的な違いを被保険者ごとに見てみましょう。
(1)第1号被保険者
・対象者:農業等に従事する人、学生、フリーター、無職の人など。
・届出先:市(区)役所や町村役場です。
・届出期限:転入日より14日以内です。
・提出書類:被保険者住所変更届です。
・必要なもの:年金手帳と印鑑です。ただし、代理人申請の場合は、委任状、代理人自身の印鑑および本人確認書類が必要になります。
・引っ越し前に行うこと:印鑑登録の廃止です。
・引っ越し後に行うこと:新たな印鑑登録です。ただし、同じ市区町村内で引っ越しした場合、印鑑登録は不要です。転居届を提出した時に、印鑑登録の住所登録を変更する自治体もあります。
(2)第2号被保険者
・対象者:厚生年金保険を受けている事業所に勤務する者であれば、自動的に国民年金にも加入します。
・届出先:勤務先の会社などです。
・届出期限:引っ越し後、すみやかに行う必要があります。
・提出書類:特に必要ありません。
・必要なもの:特にありません。
・引っ越し前に行うこと:勤務先の人事総務に「被保険者住所変更届」を提出することになります。引っ越しに伴う住所変更の手続きは勤め先で行われます。
・引っ越し後に行うこと:勤め先の指示に従うことになります。
(3)第3号被保険者
・対象者:会社員や公務員といった「第2号被保険者」に扶養されている人、または、20歳以上60歳未満で年収が130万円未満のパートタイムで働く人や専業主婦です。
・届出先:配偶者(扶養者)が厚生年金に加入する場合、第2号被保険者の配偶者の勤務先の指示に従います。これに対し、配偶者が厚生年金に加入しない場合、国民年金の変更と同様に市(区)役所町村役場で住所変更の手続きをすることになります。
・届出期限:引っ越し後すみやかに行う必要があります。
・提出書類:特にありません。
・必要なもの:特にありません。
・引っ越し前後に行う手続き:第2号被保険者と同様、勤め先の人事総務に変更依頼をすることになります。
・引っ越し後に行う手続き:勤め先の指示に従うことになります。
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マイナンバーを活用した住所変更手続き
従来、引っ越しの手続きには、転出証明書の交付を必要としていました。しかし、マイナンバーカードを持っている人は、転出証明書なしで転入届の手続きが行うことができます。
また転入先の市(区)役所や町村役場で、マイナンバーカードや印鑑を持って、転入届の手続きをすることになります。市町村によって手続きが異なるため事前の確認をおすすめします。
国民年金の住所変更をしないとどうなるの?
国民年金の住所変更をしなかった場合、「ねんきん定期便」などの重要なお知らせが届かなくなることがあり、現時点でのご自身の将来の年金給付額などの情報を得ることができなくなる恐れがあります。
また、年金受給のために必要な書類である、「年金請求書(事前送付用)」と「年金の請求手続きのご案内」が送付されず、年金受給時に時間がかかる場合があります。
Q&A
Q1 結婚して氏名が変わりました。その際の手続きとは何ですか?
A1 マイナンバーと基礎年金番号がひもづいている被保険者であれば、原則、氏名変更および住所変更に関する届けは不要です。
Q2 離婚して氏名が変わりました。その際の手続きとは何ですか?
A2 第2号被保険者は、勤務先の指示により必要書類や持ち物の準備をしてください。これに対し、第1号被保険者は、市(区)役所町村役場により必要書類や持ち物が違うので、市(区)役所町村役場に問い合わせたうえで対応することになります。
Q3 住民票と違う場所で生活していますが、手続きした方がいいですか?
A3 現在、住民票とは違う居所を日本年金機構に登録している場合には、各種送付物は現在登録している居所宛てに送付されるので、手続きは必要ありません。なお、住民票の異動後も引き続き居所に住む場合には、住所変更届で年金事務所へ居所を申しでる必要があります。
まとめ
将来、国民年金がスムーズに受給できるよう、住居、氏名、勤務先などの変更があった場合、すみやかに手続きをしましょう。また、マイナンバーカードの情報を日本年金機構とひもづけすることで手続きも簡略化されて便利です。
【出典】日本年金機構
執筆者:伏見昌樹
ファイナンシャル・プランナー