成人したら知っておきたい年金制度について

配信日: 2020.01.29

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成人したら知っておきたい年金制度について
2020年1月13日は成人の日でした。成人となった方々に向けて、年金制度について解説します。
 
大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

国民年金保険料

成人の日のお祝いといっても、20歳になって半年以上も経過している方もいらっしゃれば、まだ20歳を迎えていない方もいらっしゃいます。実は、国民年金保険料も20歳の誕生日に深く関係があります。
 
2019年4月に満20歳になった方は、成人の日までに少なくとも2019年11月分までの8ヶ月分の国民年金保険料を納める必要があります。国民年金保険料を納める期限は翌月末日までですので、12月分は1月末日までに納めればよい、ということになります。
 
ところが、2月~3月に20歳の誕生日を迎える方については、まだ20歳ではありませんので、成人の日までに国民年金保険料を納める必要はありません。なお、12月生まれの方ですと1月末日までに、1月生まれの方は2月末までに最初の国民年金保険料を納めます。
 
同じ日に成人の日を祝うにも関わらず、成人の日を迎えるまでにすでに国民年金保険料を納めている方(4月生まれの方なら、1万6410円×8ヶ月分=13万1280円)と、納めていない方(12月~3月生まれ)がいるのです。
 
では、次は「年金をもらう側」に立って考えてみましょう。
 

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遺族基礎年金、遺族基礎年金と障害基礎年金の子の加算

遺族基礎年金や、遺族基礎年金と障害基礎年金の子の加算については、その支給の対象が「(18歳未満の子もしくは、)18歳の誕生日を迎えた後の、最初の3月31日まで」となっています。これを「18歳到達年度の末日」などといったりします。
 
実は本件についても、先述の国民年金保険料と成人の日の解説と似たようなことがいえるかもしれません。
 
例えば、お子さまが生まれた瞬間に、すでに遺族基礎年金や障害基礎年金の子の加算の対象になっていたとしましょう。お子さまが生まれた月の翌月にもらう権利(=受給権)が生じます。4月生まれのお子さまなら5月からもらうことができ、3月生まれのお子さまなら翌4月からもらうことができます。
 
ところが、もらい終わるのは生まれた月に関わらず、皆、一律に「18歳の誕生日を迎えた後の、最初の3月31日まで」です。
 
4月生まれのお子さまですと、4月に18歳のお誕生日を迎えてから最初の3月31日までですので、4月を含めて12ヶ月もらうことができます。ところが、3月生まれの場合、3月に18歳の誕生日を迎えて最初の3月31日までですから、3月分、つまり1ヶ月分だけしかもらうことができないのです。
 
遺族基礎年金や障害基礎年金の子の加算の額は22万4500円(2人目まで1人に付き)ですので、1ヶ月当たり1万8708円です。その年の年間受取総額について、4月生まれの22万4500円と3月生まれの1万8708円とではかなりの差があります。
 
なお、遺族基礎年金にも同じことがいえます。
 
お子さまが遺族基礎年金をもらうのは両方の親御さまが亡くなった場合ですが、遺族基礎年金の金額は78万100円で、1ヶ月当たり6万5008円です。その年の年間受取総額についての4月生まれの場合は78万100円で、3月生まれの場合は6万5008円となり、やはりその差は大きくなります。
 

まとめに代えて

国民年金保険料は、「国民年金保険料は480ヶ月納める義務があるのは皆、同じ」です。しかし、遺族基礎年金、遺族基礎年金や障害基礎年金の子の加算については最大で12ヶ月分と1ヶ月分という差が生じます。制度だからと割り切らなくてはいけない……少々つらい現実ですね。
 
(引用)日本年金機構「国民年金保険料」
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役


 

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