年金生活者支援給付金の受給者が亡くなったら、その未支払分はどうなるの?

配信日: 2020.10.18

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年金生活者支援給付金の受給者が亡くなったら、その未支払分はどうなるの?
所得が少ない年金受給者が受けられる年金生活者支援給付金は、年金と同じ日に振り込みがされます。しかし、年金生活者支援給付金の受給者が亡くなると、その未支払分が発生することになります。
井内義典

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

専門は公的年金で、活動拠点は横浜。これまで公的年金についてのFP個別相談、金融機関での相談などに従事してきたほか、社労士向け・FP向け・地方自治体職員向けの教育研修や、専門誌等での執筆も行ってきています。

日本年金学会会員、㈱服部年金企画講師、FP相談ねっと認定FP(https://fpsdn.net/fp/yinouchi/)。

 

年金も給付金も後払いのルール

老齢基礎年金(65歳以上)、障害基礎年金、遺族基礎年金のいずれかを現に受給していて、所得が一定以下であるなど要件を満たせば、福祉的な給付金である年金生活者支援給付金が加算されます(【図表1】)。老齢、障害、遺族、それぞれの基礎年金に応じた給付金制度があります。
 


 
年金は、原則として偶数月(2月、4月、6月、8月、10月、12月)の15日に、その前月分と前々月分が、受給者の指定口座に振り込まれます【図表2】。4月分と5月分は6月15日振込、6月分と7月分は8月15日振込、ということになります。つまり、後払い制となっています。
 
そして、年金生活者支援給付金についても同様に【図表2】のルールで支払われ、年金と同じ日に振り込みがされます。
 

 
年金と給付金は分けて振り込みがされますので、通帳を記帳すると年金と給付金のそれぞれの金額が2行に分かれて表示されることでしょう。
 

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未支給年金・未支払給付金の発生

しかし、後払い制である年金と給付金については、亡くなった月分までが支給・支払の対象となっています。そのため、年金・給付金を受け続けていた人が亡くなると、未支給分・未支払分が発生します。
 
例えば、10月19日に亡くなると、亡くなった月である10月分の年金・給付金までが支給・支払対象ですが、本来、この10月分が振り込まれるのは12月15日です。
その12月15日時点で本人はすでに亡くなっているため、本人は10月分の年金・給付金は受け取れません。
 
そのため、この未支給・未支払となっている10月分については、受給者の遺族が請求して受け取ることになります。
 

請求ができる遺族

未支給年金を請求できる遺族とは、亡くなった受給者と生計を同じくしていた
 
(1)配偶者
(2)子
(3)父母
(4)孫
(5)祖父母
(6)兄弟姉妹
(7)その他の3親等以内の親族(おじ、おば、甥、姪など)
 
遺族の優先順位は(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)の順です。そして、未支払分の年金生活者支援給付金についても、請求できる遺族は同様ですので、請求をする人は年金と給付金を合わせて請求することになります。
 
亡くなった受給者の遺族に同順位の遺族が複数いる場合、例えば、親が亡くなって遺族である子が数人いる場合もあるでしょう。この場合、その中で実際に請求をした1人が年金と給付金両方を受け取ることになります。
 
いずれにしても、請求をしないと受け取れませんので、亡くなった受給者の遺族は忘れずに手続きを行うことが大切です。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
 

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