更新日: 2020.11.20 その他年金

初めての年金はいつ受け取る? 手続きはどうすればいい?

執筆者 : 柘植輝

初めての年金はいつ受け取る? 手続きはどうすればいい?
年金は受給要件を満たしたら自動で支給されるようになるわけではありません。年金の受給には所定の手続きを踏む必要があります。今回は年金を受給する際に必要な手続きを解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

年金を受け取れる人

老齢基礎年金は原則65歳に達している方で、10年以上の受給資格期間がある場合に受け取ることができます。
 
老齢厚生年金は老齢基礎年金の受給資格があり、厚生年金保険の被保険者期間がある方が原則65歳から老齢基礎年金に上乗せして受け取ることができるようになります(生年月日によっては特別支給の老齢厚生年金を受給できる場合もあります)。
 

年金の受け取りには年金請求書の提出が必要

年金の受給開始年齢に達し、受給権が発生する方には受給開始の3ヶ月前に住所地へ宛てて「年金請求書」という書類が送られてきます。
 
年金請求書とは、年金を受け取るために必要な請求書になります。年金請求書の提出は郵送もしくは年金事務所や街角の年金相談センターの窓口へ直接提出することによってできます。
 
ただ、窓口での手続きには予約が必要なこともあるため、事前に提出先となる年金事務所などへ確認するようにしてください。
 

年金請求書は添付書類とともに提出

年金請求書は必要事項を記載し、添付書類とともに提出する必要があります。必要となる添付書類は配偶者の有無や収入などご本人さまの状況によって異なるため、必ず年金請求書とともに送られてくる説明書きを確認し、添付書類や記載に漏れがないようにしてください。
 

年金請求書の提出時期

年金請求書の提出は65歳となる誕生日の前日から可能になります。それ以降であればいつでも年金請求書を提出することができます。しかし、年金は法律によって時効が5年と定められています。5年を過ぎてしまうとその分の年金が受け取れなくなる可能性もあります。
 
年金請求書が届き、提出可能な時期が到来したらすぐに提出するようにしてください。
 

年金の受け取りまでには数ヶ月かかる

年金請求書を提出すると、1ヶ月から2ヶ月後に「年金証書・年金決定通知書」が届きます。
 
それからまたさらに1ヶ月から2ヶ月後に「年金振込通知書・年金支払通知書または年金送金通知書」が届き、ようやく年金の受給が開始されます。なお、年金は原則として偶数月の15日に振り込まれます。
 
年金請求書を提出すればすぐに年金が支給されるようになるわけではないことに注意してください。
 

年金の受給時期は60歳から70歳の間で調整可能

年金は原則65歳からの受給となっていますが、本人の希望により60歳から70歳までの間で繰り上げ・繰り下げ受給をすることが可能です。
 
繰り上げ受給をすると65歳に達する前でも年金を受け取ることができますが、その分年金額が減額され、その減額分は一生変わりません。
 
対して、70歳までの範囲で繰り下げ受給をすると、繰り下げた分増額された年金を受け取ることができます。当然、増額された分は一生変わることがありません。繰り上げ受給や繰り下げ受給をするには年金事務所または街角の年金相談センターにて説明を受け、手続きする必要があります。
 
繰り下げに当たっては「老齢基礎年金・老齢厚生年金 支給繰下げ申出書」の提出が必要になります。詳しくは最寄りの年金事務所へお問い合わせください。
 

年金の受け取りには一定の手続きが必要

年金は受給要件を満たしても自動で支給されるようになるわけではなく、受給権が発生する3ヶ月前に送られてくる年金請求書を提出して請求手続きをしなければ受給することができません。
 
年金は5年を過ぎると時効によって受給権が消えてしまいます。年金請求書が届いたら早めに年金を受給するための手続きをとるようにしてください。
 
出典
日本年金機構 老齢年金の請求手続き
日本年金機構 年金の請求手続きのご案内
 
執筆者:柘植輝
行政書士


 

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