年金の繰り上げ受給、繰り下げ受給、みんなはどのくらいしている?
配信日: 2020.11.22
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
年金の繰り上げ受給・繰り下げ受給とは
年金は原則65歳からの受け取りになります。しかし、本人からの請求により60歳以上であれば、65歳よりも前に受け取れるようにすることができます。この仕組みを年金の繰り上げ受給といいます。繰り上げ受給を選択すると、繰り上げた期間に応じて減額された年金を受給することになります。この減額率は一生変わることがありません。
対して年金の繰り下げ受給は、年金を65歳からではなく、66歳以降70歳までの間に受け取るよう繰り下げる制度です。繰り下げ受給をすると、繰り下げた期間に応じて増額された年金を受け取ることができます。この増額率は一生変わることがありません。なお、2022年4月以降は年金の繰り下げ受給をできる年齢が75歳にまで拡大される予定になっています。
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どれくらいの人が繰り上げ受給・繰り下げ受給している?
出典:厚生労働省年金局 「繰下げ制度の柔軟化」
厚生労働省年金局がまとめた「繰下げ制度の柔軟化」内のデータによれば、繰り下げ受給の選択が終了した70歳の年金受給権者の利用状況は上記のグラフのようになっています。国民年金、厚生年金ともに繰り上げ受給や繰り下げ受給を選択される方は少なく、大多数の方が通常どおりに年金を受け取っているようです。では、繰り上げ受給と繰り下げ受給を選ぶ人の割合の推移について詳しく見ていきましょう。
繰り上げ受給の状況
2017年度末の70歳の年金受給権者における繰り上げ受給の利用者数は、国民年金では5.2万人でした。これは全体の19.7%という割合になります。繰り上げ受給は2013年度末では26.5%の方が利用していましたが、そこから毎年減少傾向が続いています。今後もこの減少傾向が続くことが予想されます。
繰り下げ受給の状況
2017年度末の70歳の受給権者における繰り下げ受給の利用者数は、国民年金で0.4万人となりました。これは全体の1.5%に当たります。対して厚生年金で繰り下げ受給を選択した人は2.1万人であり、全体の1.2%です。繰り下げ受給の利用者数については2013年以降、国民年金、厚生年金いずれも横ばいの状況が続いています。2013年末から2017年末までの全体の割合で見ると、国民年金ではおおむね毎年1.4%前後、厚生年金では1.0%程度となっています。
年金は繰り上げ受給・繰り下げ受給のどちらかを選ぶべき?
年金は繰り上げ受給で65歳よりも早期に受け取れることになる反面、将来にわたって減額された金額を受け取ることになります。逆に繰り下げ受給をすれば、将来にわたって受け取れる年金が増額する反面、受け取りが66歳以降と遅れてしまいます。
年金の繰り上げ受給と繰り下げ受給は、一度選択してしまうと後から撤回したり、変更することができません。繰り上げや繰り下げをせず、通常どおり65歳から年金を受け取るというのも間違いではありません。
繰り上げ受給や繰り下げ受給を選択する際は、増額・減額される金額を確認した上で現在の生活費や資産状況なども加味し、ライフプランに応じて充分に検討して決定するようにしてください。
出典
厚生労働省年金局 繰下げ制度の柔軟化
執筆者:柘植輝
行政書士