更新日: 2020.12.15 厚生年金

雇用延長を検討する際に知っておきたい年金のはなし

雇用延長を検討する際に知っておきたい年金のはなし
定年を迎えてもなお雇用を延長して、働き続けることを選択する方も多くなってきました。しかし、60歳以降は年金を受け取ることのできる年齢でもあります。そこで、雇用延長を検討するに当たって知っておきたい「年金のはなし」についてまとめました。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

必要な生活費はどれくらい?

雇用延長を検討するに当たって大切にしたいのは、今後必要な生活費を年金で賄うことができるかという点です。趣味、やりがいなど、お金以外の面を重視して働く場合はともかく、金銭的な理由によって雇用延長を検討している場合、まずは現在の生活費と受け取れる年金額および貯蓄といった資産を明確にすることから始めるべきです。
 
この時点で余裕をもった生活が可能と判断できる場合は問題ないのですが、受け取れる年金の額や貯蓄などの資産が十分でないという場合は、基本的に雇用延長をする方向で考えていくことになります。
 

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働きながらでも年金は受け取れる!

定年を迎えたが雇用延長となった場合、大抵は定年前に比べて給与が大きく減少します。しかし、給与が一定水準以下まで減少していれば、働きながらでも年金が受け取れるようになっています。例えば、雇用延長となったが出勤日数や時間の変更で給与が下がったという理由で、年金を受け取りながら働くということも可能なのです。
 
しかし、厚生年金においては在職老齢年金という仕組みにより、65歳未満の方は毎月の給与と厚生年金収入の合計が28万円、65歳以上の方は47万円を超えてしまうと、その合計金額に応じて厚生年金の一部または全額が支給停止となります。なお、国民年金については在職老齢年金の制度はないため、支給額が減らされることはありません。
 

働いた期間に応じて年金は増える!

再雇用や定年の延長、再就職などで働き続ける場合、60歳以降であっても厚生年金に加入し、被保険者として保険料を払い込んでいくことになります。それにより、将来的に受け取ることのできる厚生年金の額を増やすことができるのです(報酬比例部分に限り、定額部分については480ヶ月という上限があります)。
 
ただし、厚生年金の保険料は年金を受け取るために必要な加入期間を満たしていないなどの例外を除き、原則として70歳までしか支払うことができないようになっています。
 
なお、既に働きながら厚生年金を受け取ってしまっている場合でも、法定の要件を満たす限り、厚生年金に加入して保険料を支払い、将来の年金受取額を増加させることができます。
 

支給停止部分があると繰り下げの効果が薄まることに注意

年金は受給開始年齢を70歳まで繰り下げる(遅くする)ことができ、繰り下げた期間に応じて最大42%増額された年金を受け取ることができます。

 
しかし、雇用延長により収入が一定以上あり、年金の一部あるいは全額が支給停止となっていると、その支給停止されていた部分については繰り下げ受給の割り増しが適用されません。なお、この繰り下げ効果が薄まるのは在職老齢年金の仕組みのある厚生年金のみになります。
 

雇用延長を検討するのならば年金について考えるべき

年金は60歳以上であれば働きながらでも受給できますし、雇用延長後も厚生年金に加入して保険料を納め、将来の厚生年金の受取額を増やすこともできます。雇用延長について悩んだときは、延長後の給与や受け取れる年金の額についても考え、どうすれば理想とする老後を送ることができるかという点から検討するとよいでしょう。

 
出典
日本年金機構 老齢厚生年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)
厚生労働省 高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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