更新日: 2021.02.17 iDeCo(確定拠出年金)
転職・退職するとき、加入していた企業型確定拠出年金はどうなるの?
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執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士
企業型確定拠出年金のおさらい
企業型確定拠出年金とは、簡単にいえば、企業が従業員のために掛金を支払い、その掛金は各従業員の口座に振り込まれます。
結果として、各従業員のお金が貯まり、退職時にお金が受け取れる仕組みになっています。掛金を負担してくれるのは企業で、従業員は自分の口座に振り込まれた掛金を自分の知識で運用することにより、退職時に受け取れる金額を変える(増えたり減ったりする)ことができます。
つまり、しっかり老後資金が貯めることができるのです。
通常、退職金などは転職(退職)するときにお金をまとめてもらうというイメージですが、企業型確定拠出年金は老後資金を貯めるための制度なので、転職時にその口座ごと転職先の会社に移行することができます。これにより、主目的である老後資金の確保が保たれます。では、その後、どうなるのでしょうか。
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転職(退職)したときの手続き
転職(退職)するとき、企業型確定拠出年金の加入者としての資格は喪失します。そのため、その後の進路により手続きが異なります。
(1)転職先に企業型確定拠出年金の制度がある場合
転職先に申し入れ、自分自身の口座ごと、受け入れてもらいます。それにより今までと同じように、この制度を利用して、退職金を積み増すことができます。
(2)転職先に企業型確定拠出年金の制度がない場合
自分自身でiDeCo(個人型確定拠出年金)に移換する手続きをする必要があります。
(3)転職せず、専業主婦(夫)や起業する場合
自分自身でiDeCo(個人型確定拠出年金)に移換する手続きをする必要があります。
手続きで気をつけること
転職(退職)後の進路により手続きが異なることはお伝えしました。そこで、注意したいのが、(2)(3)の「自分自身でiDeCo(個人型確定拠出年金)に移換する手続きをする」人です。
この手続きは自分自身で行わないといけないので、その手続きを忘れがちです。加入者資格喪失日の翌月から6ヶ月以内に手続きをしなかった場合、移換先がないと、強制的に国民年金基金連合会へ移換されます。自動移換されると、次のデメリットがあります。
a 資産の運用ができない。
b 管理手数料がかかる。
c 自動移換中の期間は、老齢給付金の受給要件となる通算加入者等期間に算入されないので、受給可能年齢が遅くなる可能性がある。
このように、自動移換されたままだと口座にあった資産は手数料だけマイナスされ、目減りするだけになります。実際に貯まっていたお金がゼロになった人もいるので、注意が必要です。
iDeCoに移換するときに気をつけること
iDeCoに移換する場合に悩むことは2つです。「運営管理機関(金融機関)選び」と「商品選び」です。それぞれに注意してほしいことは、次の点です。
●運営管理機関(金融機関)を選ぶときは、手数料やサポート体制、商品のラインナップに注意すること
●商品を選ぶときは、手数料・元本保証なのか違うのか・商品の構成(国内株式のみ・海外債券のみ・バランス型など)に注意すること
今は運営管理機関の数も多く、また商品の数も多いです。インターネットで情報を検索することもできる反面、何を選んだらよいか悩む種となります。自分のライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
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手続きを忘れないこと
転職(退職)してバタバタしていると、手続きは忘れがちです。6ヶ月という期間の余裕はあるものの、具体的に何をしたらよいのか分からないでいると、あっという間に時間は経ってしまいます。せっかく貯めたお金が目減りする前に、必ず行動を起こしましょう。
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士