最終更新日: 2021.06.02 公開日: 2021.06.03
税金

年収750万円と世帯年収750万円。税負担には一体どれだけの違いがある?

執筆者 : 伏見昌樹

年収750万円と世帯年収750万円、一見すると収入は同じですが、両者の税負担は異なってきます。そこで、両者の税負担の違いについて解説します。
 
伏見昌樹

執筆者:

執筆者:伏見昌樹(ふしみ まさき)

ファイナンシャル・プランナー

大学卒業後公認会計士試験や簿記検定試験にチャレンジし、公認会計士試験第二次試験短答式試験に合格や日本商工会議所主催簿記検定1級に合格する。その後、一般企業の経理や県税事務所に勤務する。なお、ファイナンシャル・プランナーとして、2級ファイナンシャル・プランニング技能士・AFP合格した後、伏見FP事務所を設立し代表に就き今日に至る。

伏見昌樹

執筆者:

執筆者:伏見昌樹(ふしみ まさき)

ファイナンシャル・プランナー

大学卒業後公認会計士試験や簿記検定試験にチャレンジし、公認会計士試験第二次試験短答式試験に合格や日本商工会議所主催簿記検定1級に合格する。その後、一般企業の経理や県税事務所に勤務する。なお、ファイナンシャル・プランナーとして、2級ファイナンシャル・プランニング技能士・AFP合格した後、伏見FP事務所を設立し代表に就き今日に至る。

所得税の課税方式とは?

年収750万円と世帯年収750万円の違いを理解するためには、所得税の計算方法について理解する必要があります。
 
給与の所得税は以下の手順で計算します。
 

(1)給与所得控除の計算
(2)給与所得の計算
(3)所得控除の計算
(4)税額控除の計算
(5)所得税の計算

 

税負担の違いを解説

年収750万円と世帯年収750万円の違いを見ていくために、それぞれ以下のような条件で解説することにします。
 
(例1)
年収750万円:夫の給与収入が750万円、妻は専業主婦(収入なし、70歳以下)、子は17歳の高校生(収入なし)
 
(例2)
世帯年収750万円:夫の給与収入が450万円、妻の給与収入が300万円、子は17歳の高校生(収入なし)
 

年収750万円の場合の税負担

(1)給与所得控除の計算
以下表1の給与所得控除額速算表より、750万円×10%+110万円=185万円となります。
 
表1 給与所得控除額速算表
 

給与等の収入額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
162万5000円まで 55万円
162万5001円から180万円まで 収入金額×40%-10万円
180万1円から360万円まで 収入金額×30%+8万円
360万1円から660万円まで 収入金額×20%+44万円
660万1円から850万円まで 収入金額×10%+110万円
850万1円以上 195万円(上限)

※国税庁 「No.1410 給与所得控除」より筆者作成
 
(2)給与所得の計算
夫の給与収入は、750万円です。これに、(1)で求めた給与所得控除185万円を引くと、565万円になります。
 
(3)所得控除の計算
社会保険料控除は、年収750万円だと約114万円生じるので、114万円とします。基礎控除は以下の表2より、夫の収入が2400万円以下なので48万円となります。
 
表2 基礎控除額速算表
 

納税者本人の合計所得金額 基礎控除額
2400万円以下 48万円
2400万円超2450万円以下 32万円
2450万円超2500万円以下 16万円
2500万円超 0円

※国税庁 「No.1199 基礎控除」より筆者作成
 
次に、配偶者がいるため、以下の表3より配偶者控除が38万円になります。
 
表3 配偶者控除の金額

    

控除を受ける納税者本人の合計所得金額 控除額
一般の控除対象配偶者 老人控除対象配偶者
900万円以下 38万円 48万円
900万円超950万円以下 26万円 32万円
950万円超1000万円以下 13万円 16万円

※国税庁 「No.1191 配偶者控除」より筆者作成
 
そして17歳の子どもを扶養しているため、以下表4より扶養控除は38万円になります。
 
表4 扶養控除の金額

区分 控除額
一般の控除対象扶養親族 38万円
特定扶養親族 63万円
老人扶養親族 同居老親等以外の者 48万円
同居老親等 58万円

※国税庁 「No.1180 扶養控除の金額」より筆者作成
 
(4)税額控除の計算
寄付金などの税額控除の項目がないためゼロになります。
 
(5)所得税の計算
(例1)の課税所得金額を計算すると、750万円-(2)185万円-{(3)114万円+48万円+38万円+38万円}-(4)0円=327万円になります。
 
以下表5より所得税額を計算すると、327万円×10%-9万7500円=22万9500円です。
 
表5 所得税の速算表
 

課税される所得金額 税率 控除額
1000円から194万9000円 5% 0円
195万円から329万9000円 10% 9万7500円
330万円から694万9000円 20% 42万7500円
695万円から899万9000円 23% 63万6000円
900万円から1799万9000円 33% 153万6000円
1800万円から3999万9000円 40% 279万6000円
4000万円以上 45% 479万6000円

※国税庁 「No.2260 所得税の税率」より筆者作成
 

世帯年収が750万円の場合の税負担

(1)給与所得控除の計算
表1より夫の給与所得控除は、450万円×20%+44万円=134万円、妻は300万円×30%+8万円=98万円になります。
 
(2)給与所得の計算
夫の給与収入は、450万円です。これに、(1)で求めた給与所得控除134万円を引くと、316万円になります。妻の給与収入は、300万円です。これに、(1)で求めた給与所得控除98万円を引くと、202万円になります。
 
(3)所得控除の計算
社会保険料控除は、夫の給与収入が450万円なので社会保険料が約70万円、妻の給与収入が300万円なので社会保険料が約48万円になりますので、それぞれの金額が社会保険料控除の金額になります。
 
表2より夫、妻ともに基礎控除は48万円になります。
 
次に夫の配偶者控除についてですが、配偶者の給与所得が202万円で133万円を超えているため、配偶者控除、配偶者特別控除ともに適用されないことになります。(表6参照)そして17歳の子どもを扶養しているため、表4より扶養控除は63万円です。
 
表6 配偶者特別控除の控除額
 

※国税庁 「No.1195 配偶者特別控除」より筆者作成
 
(4)税額控除の計算
寄付金などの税額控除の項目がないためゼロになります。
 
(5)所得税の金額
(例2)の課税所得金額を夫と妻に分けて計算すると、夫分は400万円-(1)134万円-{(3)70万円+48万円+38万円}-(4)0円=110万円となります。妻分は350万円-(1)98万円-{(3)48万円+48万円}-(4)0円=156万円となります。
 
表5より所得税額を計算すると、夫分は110万円×5%=5万5000円、妻分は156万円×5%=7万8000円となり、合計13万3000円です
 

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まとめ

(例1)と(例2)の税負担額の差額は、22万9500円-13万3000円=9万6500円となります。
 
このように税負担額が異なった原因は、所得税が累進課税制度をとっているため、課税所得金額が多くなると税負担額が多くなるからです。税負担額の大小は、家族の働き方や家族構成によって左右され、手取り金額も影響を与えてきます。家族にとって望ましい税負担について、一度話し合ってみてはいかがでしょうか。
 
出典
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 No.1199 基礎控除
国税庁 No.1191 配偶者控除
国税庁 No.1180 扶養控除の金額
国税庁 No.2260 所得税の税率
国税庁 No.1195 配偶者特別控除
 
執筆者:伏見昌樹
ファイナンシャル・プランナー