家計に大ダメージ!? 固定資産税とは? 支払い時期や負担軽減の方法を解説
配信日: 2021.06.10
毎年支払わなければいけない費用の1つに、固定資産税があります。固定資産税についてご存じない方のために、固定資産税の概要、支払い時期や負担軽減の方法について解説します。
執筆者:中村将士(なかむら まさし)
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。
固定資産税の概要
固定資産税とは、固定資産(土地、家屋、償却資産)の所有者に対して課税される税金のことです。例えば、持ち家(土地付き)がある方の場合、その家や土地に対して税金が課されることになります。原則としては市町村が課税をする市町村税ですが、東京都は特例で都が課税をすることとしています。
課税されるタイミングは毎年1月1日であり、その時点での所有者に対して課税されます。所有者とは、固定資産課税台帳に登録されている方を指します。
固定資産税の税率は1.4%です。固定資産税の計算方法は、固定資産の評価額(固定資産税課税標準額)に1.4%を乗じることにより算出されます。固定資産税課税標準額とは、固定資産税を計算するための評価額であり、流通価格(市場で売られている価格≒時価)や公示価格とは異なります。
支払い時期
固定資産税の支払い時期は、固定資産税を納める自治体により異なります。
例えば東京都の場合は、6月(第1期)、9月(第2期)、12月(第3期)、2月(第4期)の年4回です。一方、名古屋市の場合は、4月(第1期)、7月(第2期)、12月(第3期)、2月(第4期)の年4回となります。
ちなみに、支払いは、納税通知書(納付書)によって行います。口座振替を利用することもできます。
負担軽減の方法
固定資産税は、市町村が課税するものですので、負担軽減措置も市町村で異なります。ここでは東京都を例に取り上げます。
新築住宅減額
新築住宅減額については、以下のとおりです。
●平成17年1月2日から令和4年3月31日までの間に新築
●1戸当たりの床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下
●新たに課税される年度から3年度分(3階建以上の耐火・準耐火建築物の場合は5年度分)
●固定資産税額の2分の1(居住部分で1戸当たり120平方メートル相当分までを限度)
認定長期優良住宅に対する減額
認定長期優良住宅に対する減額については、以下のとおりです。
●平成21年6月4日から令和4年3月31日までの間に新築
●長期優良住宅の普及の促進に関する法律第10条第2号に規定する認定長期優良住宅に該当
●居住部分の床面積の割合が延床面積の2分の1以上
●1戸当たりの床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下
●新たに課税される年度から5年度分(3階建以上の耐火・準耐火建築物の場合は7年度分)
●固定資産税額の2分の1(居住部分で1戸当たり120平方メートル相当分までを限度)
まとめ
固定資産税の税率は1.4%であり、この数字だけを見るとあまり大きくないように感じるかもしれません。しかし、固定資産税の計算の基となる固定資産税課税標準額が大きい金額ですので、固定資産税の額も無視できるものではありません。特に新築住宅は固定資産税課税標準額が大きいので、固定資産税の負担も大きくなります。
固定資産税を減額する制度には、購入した住宅に一定の要件はあります。しかし、その要件を満たすのであれば、最大で7年度分、固定資産税を2分の1にすることができます。
家計への負担は少ないに越したことはありません。一度この制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
出典
東京都主税局 「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」
名古屋市 「Q.固定資産税・都市計画税の納期はいつなのか知りたい」
東京都主税局 「【家屋】5 新築住宅の減額は」
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー