更新日: 2021.06.24 その他税金

貯蓄を増やしたい方が知っておきたい<貯蓄にかかる税金>とは?

執筆者 : 堀江佳久

貯蓄を増やしたい方が知っておきたい<貯蓄にかかる税金>とは?
金融広報中央委員会が2019年に行った家計金融行動に関する世論調査によると、金融資産の保有額の平均値は1139万円で、中央値は419万円という結果になっています。
 
一方で、人生にはさまざまなタイミングで大きなお金が必要になることがあります。例えば、家を買ったり、車を買ったり、子どもの教育費がかかったり、老後の心配もしなければなりません。こういった支出に備えるべく、少しでも貯蓄を増やしたいと思う方もいらっしゃるでしょう。
 
しかし、貯蓄をしていても、知らず知らずのうちに高い税金を払わされているかもしれません。貯蓄を増やすためには、節税をしながら資産を増やすこともとても重要です。
 
今回は、税金がかかる貯蓄と、かからない貯蓄について解説したいと思います。
 
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

税金がかかる貯蓄

税金がかかる主な貯蓄は、次の1~3です。基本的には、得た利益に対して20.315%の税金がかかります。20.315%の内訳は、所得税15%、復興特別所得税0.315%(2013年1月1日~2037年12月31日)、地方税5%です。
 

1.普通預金や定期預金などの預金

預金残高には税金はかかりませんが、利息に対して20.315%の税金がかかります。これは、所得を受け取る時点で税金分が差し引かれているので、確定申告の対象となる所得からは除かれる「源泉分離課税制度」を採用しているので、自分で税金を納める必要はありません。
 

2.財形貯蓄(一般財形・財形年金・財形住宅)

これも預金同様、利息に対して20.315%の税金がかかります。
 
ただし、55歳未満の会社員が、勤務先で給料から天引きの方法で積み立てる勤労者は、財産形成貯蓄のうち、5年以上にわたって定期に預け入れる財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄に限り、合わせて元本または払込額550万円までの利子については非課税となりますので、税金面で有利となります。勤務先の制度をよく確認してみましょう。
 

3.株式投資、投資信託

投資によって得た利益、すなわち分配金や配当金、譲渡益に対して20.315%の税金がかかります。口座を特定口座にして「源泉徴収あり」にしていれば、証券会社や銀行などが税金を差し引いてくれるので、納税および確定申告は必要ありません。
 
ただし、一般口座や特定口座でも「源泉徴収なし」にしている場合は、基本的に確定申告をする必要があります。
 
なお、貯蓄を増やしたいからといっても、投資にはリスクが伴いますので、運用方法はしっかり検討する必要があります。
 

税金がかからない貯蓄

税金がかからない貯蓄は、主に以下の1~3です。
 

1.タンス預金

銀行に預けてもわずかな金利しかもらえないし、バブルのときのように銀行の倒産リスクなどを考えて、タンス預金をする人が少なくないようです。タンス預金は、受取利息がないため、税金はかかりません。
 
しかし、貯蓄を増やしたいのであれば、少しでも利率の高いネット銀行に預けるなど運用を検討したほうが良いと思います。
 

2.NISA

NISAとは、2014年1月にスタートした、個人投資家のための税制優遇制度です。NISAでは毎年120万円の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託等の配当・譲渡益等が非課税対象です。
(一部抜粋:金融庁「NISAとは?」(※))
 

3.つみたてNISA

つみたてNISAとは、2018年1月からスタートした、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。購入できる金額は年間40万円まで、購入方法は累積投資契約に基づく買い付けに限られており、非課税期間は20年間であるほか、購入可能な商品は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託に限られています。
 
ただし、2.NISAと併用はできないので、NISAを活用する場合は、どちらかの制度を選択する必要があります。
(一部抜粋:金融庁「NISAとは?」(※))
 

3.iDeCo

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度です。ご自分で申し込み、掛金を拠出し、ご自分で運用方法を選んで掛金を運用します。掛金、運用益、そして給付を受け取るときに、税制上の優遇措置が講じられています。さらに、掛金が全額所得控除されます。
 
(※)金融庁「NISAとは?」
 
(出典)
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査/[二人以上世帯調査](2019年)」
金融広報中央委員会「知るぽると」
iDeCo公式サイト「iDeCoってなに?」
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー
 

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