通勤手当、上限を超えたらどうなる?

配信日: 2021.07.13

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通勤手当、上限を超えたらどうなる?
非課税で支給される数少ない手当の1つに通勤手当があります。
 
実はその通勤手当には上限額があります。上限額を超えたらどうなるのでしょうか。通勤手当の上限額について見ていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

通勤手当とは

通勤手当とは、通勤にかかる費用を補助する目的で会社から支給される手当です。会社によっては単に交通費など異なる名称で呼ばれていることもあります。
 
通勤手当は労働の対価ではなくその性質上、一定額まで非課税となり、所得税がかからないものになります。そのため、通勤手当として非課税が認められるには合理的な経路と方法である必要があります。
 

通勤手当の非課税額の上限は?

通勤手当は上限額が定められており、いくらでも非課税になるわけではありません。基本的に電車やバスなどの公共交通機関を利用して通勤する方は月額15万円が上限になります。
 
以前は10万円が上限とされていましたが、平成28年1月からは15万円に引き上げられました。その他通勤方法ごとの詳細については下記の表をご覧ください。
 

    

区分 非課税上限額
(1) 交通機関または有料道路を利用している人に支給する通勤手当 1ヶ月の当たりの
合理的な運賃などの
合計額(上限15万円)
(2) 自動車や自転車などの
交通用具を使用している人に
支給する通勤手当
通勤距離が片道 55km以上
である場合
3万1600円
通勤距離が片道 45km以上
55 km未満である場合
2万8000円
通勤距離が片道 35 km以上
45 km未満である場合
2万4400円
通勤距離が片道 25km以上
35 km未満である場合
1万8700円
通勤距離が片道 15 km以上
25 km未満である場合
1万2900円
通勤距離が片道 10 km以上
15 km未満である場合
7100円
通勤距離が片道 2 km以上
10 km未満である場合
4200円
通勤距離が片道 2 km未満
である場合
全額課税
(3) 交通機関を利用している人に支給する通勤用定期乗車券 1ヶ月当たりの合理的な運賃かつ15万円
(4) 交通機関または有料道路を利用するほか、
交通用具も使用している人に支給する
通勤手当や通勤用定期乗車券
1ヶ月当たりの合理的な運賃などの額と(2)の金額との合計額かつ15万円

※国税庁 「通勤手当の非課税限度額の引上げについて」より筆者作成
 

通期手当の非課税限度額を超えたらどうなる?

通勤手当として支給された金額が先の表にある上限額を超えたとしても、それが直ちに違法になるわけではありません。
 
超えた部分に関しては給与の一部として扱われます。そのため、その分の所得税や住民税などの税金が発生します。例えば、遠隔地から新幹線などを利用して通勤している方がこれに該当することがあります。
 
会社から通勤手当として受け取っていた手当でも、金額次第では税金が発生する可能性があるということを覚えておいてください。
 

通勤手当は非課税だが社会保険料が高くなる

通勤手当が基本的に非課税なのは所得税や住民税などにおいてです。健康保険料や厚生年金といった社会保険料の算定においては通勤手当も含めて計算します。
 
そのため、通勤手当が高いと、社会保険料の算定の際の等級が上がり、同水準の給与の偏りも1等級高い保険料を支払わなければならないということもあるため、その点については注意が必要です。
 

通勤手当は上限を超えたら給与として課税対象に!

通勤手当は通勤方法などによって最大15万円が非課税の上限となっています。上限額を超えた部分は給与として課税されることになり、所得税がその分増加します。
 
通勤手当が上限額を超えることはめったにあることではありませんが、通勤方法に応じた上限額を超えた分は課税対象となるということを、サラリーマンとして覚えておいて損はないでしょう。
 
出典
国税庁 通勤手当の非課税限度額の引上げについて
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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