更新日: 2021.08.29 その他税金

住民税の改正で減税されるのはどんな人?

住民税の改正で減税されるのはどんな人?
令和3年度から適用される個人住民税の改正について「どのように変わったのか知りたい」「主な改正点を教えて」など、疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
 
今回の改正で基礎控除は10万円引き上げられ、給与所得控除や公的年金等控除は10万円引き下げられています。
 
また、所得金額調整控除が創設されました。控除が増えると課税所得が減るため住民税は下がり、控除が減ると課税所得が増えるため住民税は上がります。自身が納めている住民税を理解するためにも、改正内容を知ることは大切です。
 
ここでは、住民税の主な改正内容について解説します。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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住民税の決まり方

住民税は地方公共団体が徴収する地方税で、都道府県民税と区市町村民税を合わせたものです。前年所得額に応じた「所得割」と、定められた額で一律に課税される「均等割」の合計額が住民税の金額です。
 
所得割の標準税率は、都道府県民税が4%(2%)、区市町村税が6%(8%)の合計10%になります。※()内は指定都市の場合
 
均等割は都道府県民税が1500円、個人区市町村税が3500円の合計5000円です。
 
所得割は、年収から給与所得控除や社会保険料控除などを差し引いた「課税所得」をもとに計算されますので、課税所得が多いと住民税は高くなります。
 
住民税額が確定すると、会社員の方は給料から天引き(特別徴収)され、個人事業主などは自身で納めます(普通徴収)。

 

住民税の主な改正点

令和3年度から適用される個人住民税の税制改正で、給与所得控除や公的年金等控除、基礎控除などの見直しが行われています。また、所得金額調整控除の創設や未婚のひとり親に対する税制上の措置および寡婦(寡夫)控除、所得控除等の所得金額要件等の見直しなどもあります。
 
税制がどのように変わったのか知っておくことは大切です。確定申告など税金の計算にも役立ちます。
 
ここでは、基礎控除や給与所得控除など住民税の主な改正点について見ていきましょう。

 

基礎控除

基礎控除が10万円引き上げられました。また、年収が高額になると基礎控除が減り、2500万円超になると基礎控除の適用外となります。
 

改正後 改正前
合計所得金額 基礎控除 合計所得金額 基礎控除
2400万円以下 43万円 一律 33万円
2400万円超
2450万円以下
29万円 一律 33万円
2450万円超
2500万円以下
15万円 一律 33万円
2500万円超 0円 一律 33万円

 

給与所得控除

給与所得控除額が10万円引き下げられました。また、給与所得控除の上限額(195万円)が適用される収入金額が850万円になります。
 

給与収入金額 「改正後」給与所得控除 「改正前」給与所得控除
162万5000円以下 55万円 65万円
162万5000円超
180万円以下
収入金額×40%-10万円 収入金額×40%
180万円超
360万円以下
収入金額×30%+8万円 収入金額×30%+18万円
360万円超
660万円以下
収入金額×20%+44万円 収入金額×20%+54万円
660万円超
850万円以下
収入金額×10%+110万円 収入金額×10%+120万円
850万円超
1000万円以下
195万円 収入金額×10%+120万円
1000万円超 195万円 220万円

 

公的年金等控除

公的年金等控除は、一律10万円引き下げられました。また、公的年金などの収入金額が1000万円超ある場合は、控除額の上限が195万円になります。
 
さらに、公的年金などに係る雑所得以外の合計所得が1000万円超2000万円以下の場合は控除額が10万円、2000万円超の場合は20万円減額されます。

 

所得金額調整控除の創設

この度の改正において、給与収入が850万円を超えていて子育てや介護がある方の負担が増えないように創設されたのが所得金額調整控除です。以下のA・Bに該当する場合は給与所得から所得金額調整控除額が控除されます。
 

A.給与収入が850万円超で以下のいずれかに該当する

・納税義務者本人が特別障害者に該当する
・年齢23歳未満の扶養親族を有する
・特別障害者である同一生計配偶者もしくは扶養親族を有する
控除額:給与収入から850万円を控除した金額の10%

 

B.給与所得と公的年金などに係る雑所得金額の両方があり合計額が10万円を超える場合

控除額:各所得金額(それぞれ10万円を限度)の合計額から10万円を控除した残額

 

住民税の改正で控除が増える人は減税の可能性

基礎控除や給与所得控除、公的年金等控除以外にも、さまざまな控除や要件の見直しがなされています。住民税の計算の基になる課税所得は「収入-控除」で算出されます。よって、今回の改正で控除が増える場合は、住民税が減税となる可能性が高いです。
 
早速、ご自身の収入を調べて控除額がどのくらい増減するのかを確認し、住民税を試算してみましょう。

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
 

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