更新日: 2021.10.11 税金

間違いが起こりやすいかも。この「新商品」の複雑な面とは?

執筆者 : 上野慎一

間違いが起こりやすいかも。この「新商品」の複雑な面とは?
ビール系飲料で新登場した「微アル(微アルコール)」というジャンル。アルコール度数1%未満という商品で、第1号は今年・2021年3月から試験販売を始めて、6月から全国販売されています。
 
あるスーパーマーケットの酒類売り場で見かけたこの新商品(アルコール度数0.5%)。350ミリリットル缶が[本体168円、消費税込184円]という価格表示でした。
 
陳列棚のすぐ近くには「第3のビール(新ジャンル)」といわれる別の商品も並んでいます。価格表示はまったく同じ数字で、こちらは、500ミリリットル缶でアルコール度数5%。この2つの商品の価格表示、よく考えると実はちょっとおかしいのです。
 
上野慎一

執筆者:

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

上野慎一

執筆者:

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

「第3のビール」と「微アル」の違いとは

第3のビールは「低価格」、微アルは「低アルコール」がそれぞれ特徴でアピールポイントです。どちらも、本来のビールの風味やコクをできるだけ再現しながら、ビールと同じではない原料や製法も導入されています。
 
先述の2つの商品価格(税込み)を例えば「1リットルでアルコール度数1度当たりの価格」で計算してそれぞれの“コスパ”を比較すると、次のとおりです。
 

<第3のビール>   73.6円
<微アル>      1051.4円

 
上記で、第3のビールは量が4割以上多くてアルコール度数も10倍。計算上の“コスパ”が14倍以上の差になるのも当然です。優しさの対象が、「おサイフ」なのか「健康」なのかの差ともいえるでしょう。
 

こんな間違いが起こりえます

では、2つの商品の価格表示のどこがおかしいのか。第3のビールは、本体168円に消費税10%が加算された税込み価格184円は正しいでしょう。(正確には税込み184.8円なので1本買うと184円ですが、2本だと369円を請求されます)
 
もう1つの微アルがくせものです。酒類には酒税がかかっています。昨年10月に税率が変更され、350ミリリットル換算でビール70円、第3のビール37.8円。2023年10月にも変更されたうえで、最終的には2026年10月に「発泡酒」を含めたビール系3つのジャンル全部が同54.25円に統一されます。
 
こうした酒税、実は酒税法ではアルコール度数1%以上の飲料(酒類)が対象となります。すでに販売されている微アル商品の缶には「炭酸飲料」と表示されていて、酒税法上の「酒類」ではなく酒税はかかっていません。そのため、消費税は軽減税率が適用されて8%。この点でも酒類とは違います。
 
つまり、先述のスーパー売り場の微アル商品も[本体168円、消費税込181円]と表示しなければならなかったのです。なお実際に2つの商品を1本ずつ買ったところ、税込みで第3のビール184円、微アル181円で合計365円でした。
 
売り場の価格表示は間違いでしたが、レジのPOSシステム上は[微アル商品 ⇒ 酒税のかかる酒類ではない ⇒ 消費税率8%(軽減税率)適用)] の流れでキチンと管理されていたのです。
 
スーパーやコンビニなどの酒類売り場では、「ノンアルコール」のビール系やチューハイ系の商品も並べて売られるケースが多いと思います。今回の売り場でもノンアルコール系商品たちの価格表示は、ちゃんと消費税8%で計算されていました。
 
恐らく、[微アル商品 ⇒ 低濃度ながらアルコールを含んでいる ⇒ 酒税のかかる酒類 ⇒ 消費税率10%適用] という意識で、価格表示だけ誤ってしまったものと推察されます。
 
ついやってしまいそうな勘違いですが、レジのPOSシステムまで誤った設定をして消費税額を過剰に請求・徴収したケースが、私鉄系スーパーで実際に発生しています(※)。
 

「微アル」のメリットとは?

一般的なビールや第3のビールなどのアルコール度数は5%前後なのに対して、微アル商品はそのわずか1割前後。
 
一方、価格水準はビールとあまり変わりがなく、アルコールの度数や摂取量の面では、人気の「ストロング系チューハイ」の対極に位置するような“コスパの悪さ”です。
 
しかし、「アルコール分が薄くて損だ」という気持ちよりも、「同じ量を飲んでも、ほかのお酒ほどアルコール摂取量が気にならない」点にメリットを感じる人も少なくないのでしょう。
 

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まとめ

お酒について「飲めないけれど、アルコール気分は楽しみたい」、「飲めるけど、あえて飲まないようにしていたい」。こうした健康志向が“コスパ”とはまったく違う判断軸となって、微アル商品が選ばれるのです。
 
酒税はかからないものの、微アルはあくまでもアルコールを含んでいる飲料です。「お酒を飲みたいけれど、運転があるので今日は微アルで我慢しよう」はアウトですので、ご注意ください。
 
[出典]
(※)小田急商事株式会社「販売商品の売価違いに関するお詫び」(2021年3月31日)
 
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士

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