学生のお子さんの収入はご存じですか? 稼ぎすぎる子が親の家計に与える影響とは?
配信日: 2021.10.25
子どもの収入が一定額を超えると、親の扶養から外れて、子どもの収入も課税対象となります。また、控除がなくなることで親の税負担も増えるため注意が必要です。
ここでは、子どもが親の扶養を外れる収入要件や扶養を外れた場合の税負担について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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子どもの収入が103万円を超えると親の扶養控除から外れる
子どものアルバイト収入が103万円を超えてしまうと、親の扶養から外れることになります。扶養から外れると、子どもが課税対象となるだけでなく、親も控除を受けられなくなります。結果として、世帯全体の税負担が増えることになるので注意が必要です。
子どもの収入が103万円を超えるとどのようなことが起きるのか、きちんと把握しておきましょう。
「103万円」とは
学生に相当する19~22歳の扶養親族は「特定扶養親族」となり所得控除が適用されます。その際の扶養控除要件の1つが、年間の合計所得金額が48万円以下(給与のみの場合の給与収入が103万円以下)であることです。したがって子どもの収入が103万円以下であれば、子ども本人は課税の対象とはなりません。また、親も特定扶養親族の控除(所得税63万円、住民税45万円)を受けられるので、税負担を軽減できます。
しかし、子どものアルバイト収入が103万円を1円でも超えてしまうと「親の扶養を外れる」ため、子どもは課税対象になり、親の税負担も増えることになります。子ども自身が課税対象から外れ、親の税負担を軽減するには、子どもの収入を103万円以下に抑えることが必要です。
扶養控除から外れると親の税金は高くなる
子どもの収入が103万円を超えて親の扶養から外れた場合、親は特定扶養親族の所得控除(所得税63万円、住民税45万円)を受けられなくなります。収入によっては年間で5~20万円親の税負担が増す可能性があります。
子どもの収入が103万円を超えて親の扶養から外れると、子どもが課税対象になるだけでなく、親の税金も増えるので注意が必要です。世帯全体の税負担が増すことになります。
収入が年130万円以上になると社会保険料負担も必要
子どもの収入が130万円以上になると、親の社会保険の扶養からも外れることになります。親の健康保険の扶養から外れた場合、アルバイト先の社会保険の加入対象である場合は、子ども自身で社会保険に加入します。勤務先の社会保険に入った場合は、20歳未満であっても厚生年金保険料の支払いが必要です(厚生年金は労使折半)。そして、20歳になったら国民年金保険料の支払いも生じます。
勤務先が社会保険の加入対象でなかった場合は、国民健康保険への加入、20歳以上になると国民年金保険料の支払いが必要です。このように、親の扶養を外れると、親の税負担が増えるだけでなく、子ども自身で負担する必要も出てくるため「130万円の壁」と言われています。
税負担も考えて計画的に稼ぐことが大切
学生である子どもがアルバイトをする場合は、収入が増えて親の扶養を外れた場合に、税負担が増えることを事前に共有しておきましょう。子どもだけでなく親の税負担も増えるため、収入の目安を決めておくことが大切です。
世帯全体の税負担も考えた上で、計画的に稼げるようにしましょう。
まずは子どもの収入を明確に把握しましょう
学生である子どものアルバイト収入が103万円以下の場合は、親の扶養から外れないため、子どもの収入は課税対象にはなりません。親も所得税63万円と住民税45万円の控除を受けられます。
しかし、子どもの収入が103万円を超えると、親の扶養から外れて課税対象となり、親の税負担も増えます。また、子ども自身でアルバイト先の社会保険加入するか、加入できない場合は国民健康保険に入って、自ら保険料を支払わなくてはなりません。20歳以上の場合は、厚生年金や国民年金の支払い義務も生じます。
まずは、子どものアルバイト収入または目標収入を把握することが大切です。そして、扶養や税金について共有し、一緒に収入計画を立てましょう。
出典
国税庁 No.1180 扶養控除
日本年金機構 国民年金保険料
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員