更新日: 2021.11.23 その他税金
これからの増税、どのようなものが予定されている?
東日本大震災後は、比較的早期に復興財源の議論が高まりました。復興財源となる資金は、法人税、所得税、住民税にそれぞれ上乗せされる形で徴収されることになりました。今回の新型コロナウイルス感染拡大による財政赤字は格段に大きく、今後の増税が予測されます。
執筆者:藤井亜也(ふじい あや)
株式会社COCO PLAN (ココプラン) 代表取締役社長
教育カウンセラー、派遣コーディネーター、秘書等、様々な職種を経験した後、マネーセンスを磨きたいと思い、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。
「お金の不安を解決するサポートがしたい」、「夢の実現を応援したい」という想いからCOCO PLANを設立。
独立系FPとして個別相談、マネーセミナー、執筆業など幅広く活動中。
<保有資格>
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ファイナンシャルプランナー(AFP) 、住宅ローンアドバイザー、プライベートバンカー、相続診断士、日本心理学会認定心理士、生理人類学士、秘書技能検定、日商簿記検定、(産業カウンセラー、心理相談員)
<著書>
「今からはじめる 理想のセカンドライフを叶えるお金の作り方 (女性FPが作ったやさしい教科書)」※2019年1月15日発売予定
復興特別税の内容は?
東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律第117号)により創設された復興税には、法人税、所得税、住民税があります。
復興特別法人税は、法人がその各事業年度の所得の金額に対する基準法人税額に10%の税率を乗じて計算した復興特別法人税を、法人税と同じ時期に申告、納付することとされていました。期間は当初、平成24年から27年までの3年間とされていましたが、1年前倒し平成26年までの2年間となりました。
一方、復興特別所得税は、平成25年1月1日から令和19年12月31日までの期間となり、この間に発生する所得に関して、源泉所得税を徴収する際、併せて源泉徴収されています。復興特別所得税の額は、源泉徴収される所得税の2.1%相当額とされています。
復興特別税は住民税にもわずかですが課税されています。加算されるのは住民税の均等割額の部分で1000円の復興特別税が課されています。期間は平成25年度から令和5年度までの10年間です。
東日本大震災の復興予算は総額38兆円程度とされています。今回の新型コロナウイルスにおいては、どのくらいの財政赤字や財政負担の額になるのでしょうか。
予測される増税とは?
2020年度の基礎的財政収支では約69兆円の赤字となり、感染拡大前と比較して4倍以上に赤字は増えていました。2021年も10月まで緊急事態宣言が続き、ようやく解除されて経済は動き始めましたが、今年も赤字は増えていると予測されます。
つまり、これまでの税収だけでは足りないのですから、増税をすることで赤字を減らしていかなくてはいけません。復興税のように法人税や所得税、住民税などに加算される可能性もありますし、消費税の増税もあるかもしれません。これらの増税なども視野に入れて、今後の家計や資産運用を考えていく必要があります。
税金が上がる際、気をつけなくてはいけないのは、同じように収入が増えるかという点です。収入アップが見込める場合は増税にも対応できるかもしれませんが、収入が同じで税金だけが上がってしまうと、途端に家計を圧迫してしまうからです。
そのためには、無駄な支出の見直しなども必要ですし、収入アップにつながる努力も必要になってきます。貯蓄するだけでなく投資でお金を増やす努力、収入アップにつながるような資格取得やスキルアップなどの自己投資も重要かもしれません。新型コロナに関連するもの以外でも、増税はこの先あると予測されますので、少しずつ、できることからスタートしておくと安心です。
最後に
増税と聞くと、個人消費の面などから考えると負担に感じられることもあると思いますが、税金で私たちの生活は支えられています。医療が3割負担などで受けられるのも、道路や公園などがきれいに整備されているのも税金のおかげです。
災害や新型コロナウイルスなどのような有事はこれからもあるでしょう。その際、復興のために税負担をすることは、私たちの生活基盤を整えるためには必要なことなのです。とはいえ、急な増税により家計が苦しくなっては困ります。
日頃から家計の管理を行い、税金や支出が上がった際でも対応できるよう貯蓄や投資などをしておく、収入アップにつながる対策をとっておくなどの対策が、これからさらに重要になってくると思います。
執筆者:藤井亜也
株式会社COCO PLAN (ココプラン) 代表取締役社長