更新日: 2021.12.14 確定申告
YouTuberは確定申告が必要でしょうか? 子どもが高額の収入を得たようです……
結論としては、YouTuberは収入を得る職業の1つですから、特に例外はなく、収入が一定の額を超えるなどの基準で確定申告する必要があります。ここでは、YouTuberが確定申告する際に知っておきたい基本的な知識について確認してみたいと思います。
執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
あなたはどんなYouTuber?
一言でYouTuberといっても、収入を得る方法はさまざまです。
例えば会社や事務所などに所属して、YouTuberとしての収入を給与や賞与などで受け取っている場合は、原則、給与所得として会社による年末調整、または自ら確定申告することになります。
この場合は通常の会社員などと同様ですが、年収2000万円超の方や複数の会社などから給与を受けている方は、確定申告が必要です。
次にYouTuberを本業としており、他に給与収入などがない方は、通常、事業所得として確定申告をすることになります。当然、所得金額が基礎控除額48万円以下の場合には所得税を払う必要はありませんので、確定申告も必要ありません。
YouTuberでの活動を副業としている場合はどうでしょうか?
例えば、会社員として給与所得があり、副業的にYouTuberとして活動している場合は、それらの所得を含め、給与所得と退職所得以外の所得が20万円超であれば、雑所得(または事業所得)として確定申告をする必要があります。
事業所得と雑所得の大まかな違いとしては、事業所得は個人事業主として反復継続的に活動している場合が該当します。また、定期的な広告収入なども該当することとなるでしょう。雑所得は事業所得に当てはまらない所得となり、副業としてスポット的に得られる収入などが該当するでしょう。
それでは学生など、まだ未成年の子どもがYouTuberとして一定の所得を得ている場合ですが、所得税は個人が1年間に得た収入から、これを得るためにかかった必要経費を差し引いた金額に課せられる税金です。
そのため、収入を得た個人が未成年者であっても、基本的には確定申告が必要となることを覚えておきましょう。
所得の種類ごとの計算方法
YouTuberとしての所得が給与所得の場合は、通常は年末調整で完了することになりますが、前述のとおり、年収が2000万円超などで確定申告が必要である場合は対応が必要です。また、事業所得の場合は原則、確定申告が必要となります。計算式は以下のとおりです。
事業所得=総収入金額-必要経費-青色申告特別控除
YouTuberとしての収入を得るためにかかった費用は、必要経費として差し引くことができますが、私用で使ったお金などは必要経費として当然認められませんので、事業で使った経費との区別は明確にする必要があります。
パソコンなどYouTuberとしての活動に必要な機材や広告宣伝費、付随する交通費や交際費なども経費に計上できるほか、10万円を超える機材などの資産は、減価償却計算して計上する場合もあります。
また、自宅の一室を撮影スタジオとして利用しているケースなどで、例えば電気代を経費とする場合には、その全額を計上することはできず、使用スペースの面積比やワット数などで家事案分割合を算出し、合理的に判断することとなります。
計算式の「青色申告特別控除」とは、所得税の青色申告承認申請書を税務署に提出し、一定の帳簿などを備えた場合、特別に55万円などの控除額を適用することができる制度です。
ちなみに雑所得の計算は、「雑所得=総収入金額-必要経費」となり、青色申告特別控除は適用することができません。
事業所得や雑所得は、他に給与所得や不動産所得などがあった場合、総合課税として合計した上で所得税を計算することになります。
まとめ
未成年の子どもであっても、YouTuberとして思いもよらない額の収入が入ることも想定されます。一定の基準を超える所得を得た場合には確定申告を行い、必要な納税を行うことを再度認識しましょう。
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー