住宅ローン控除の特例、年末調整はどうすればいい?
配信日: 2021.12.24
この記事では特例措置が受けられる人の年末調整について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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目次
住宅ローン控除の特例を受ける場合の年末調整に必要な書類
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除制度)を受けるには、住宅を購入した初年度に限り、自分で確定申告をしなければなりません。給与所得者であるなら、2年目以降の手続きは年末調整にてできます。
年末調整に使う「住宅借入金等特別控除申告書」と「住宅借入金等特別控除証明書」は、確定申告をした年に税務署から届きます。時期は10月ごろです。
これらの書類は、特別控除を受けられる期間分の枚数が送られてきます。13年間の控除期間なら、確定申告をした1年目を除いた、12年分の12枚です。紛失してしまった場合は、税務署において再発行できます。
また、10月ころになると、住宅ローンの借り入れをした金融機関から「年末残高証明書」が送られてきます。
もし、その年の9月以降に住宅ローンの借り換えや繰上げ返済をした場合には、実際の年末残高が正しく反映されていないことがあります。年末残高証明書に記載されるのは、9月末の残高を基準に計算するためです。この場合には金融機関に再発行を依頼して、正しい年末残高が記載された証明書を作成してもらうとよいでしょう。
なお、複数人で住宅ローンを借り入れした場合、全員の分の年末残高証明書がまとめて送られてくることがあるので注意してください。その場合には、自分の分だけを取り出して、年末調整に使います。
住宅ローン控除の特例を受けている場合の年末調整の方法
年末調整の手続き方法は、住宅ローン控除の特例を受けていないときと同じです。従来通りに「住宅借入金等特別控除申告書」を記入して、給与支払い会社に提出すれば年末調整ができます。なお、「住宅借入金等特別控除申告書」は、該当年の書類のみ記載して提出します。複数年分がまとめて送られてくるので、年度を間違えないように気を付けましょう。
給与所得が2000万円超の方や、複数の収入がある人は、年末調整ができません。その場合は確定申告をしてください。ただし、複数の収入がある場合でも「主たる給与以外の所得」が20万円以下の場合は、給与を得ている会社で年末調整をすることができます。
年末調整における住宅ローン控除額の計算
特例措置を受けていても、1年目から10年目の控除額は、特例を受けていないときと変わりはありません。以下では住宅ローン控除額の計算方法を示します。
・控除額の算出
控除額の計算は「住宅借入金等特別控除申告書」を記入することでできます。まず、残高等証明書を参考にして12月末時点の住宅ローン借入残高を「住宅借入金等特別控除申告書」に記入します。なお、複数人でローンを組んでいる場合は、自分の負担割合を乗じた額を記入します。
次に「家屋の総床面積又は土地等の総面積のうち居住用部分の床面積又は面積の占める割合」と「家屋又は土地等の取得対価の額」を記入しなければなりません。
これは「住宅借入金等特別控除証明書」に記載されている内容を転記するだけで大丈夫です。その上で「家屋又は土地等の取得対価の額の合計金額」と年末残高を比較して、低い方を「取得対価の額に係る借入金等の年末残高」として記入します。
続いて「取得対価の額に係る借入金等の年末残高」に「家屋の総床面積又は土地等の総面積のうち居住用部分の床面積又は面積の占める割合」を乗じたものを「居住用部分の家屋又は土地等に係る借入金等の年末残高」として記します。
最後に「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算の基礎となる借入金等の年末残高」の記入をしますが、これは「居住用部分の家屋又は土地等に係る借入金等の年末残高」を転記するだけです。なお、この額面の1%から100万円未満を切り捨てた額が、控除額です。算定した控除額は「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」の欄に記入してください。
・住宅ローン控除の特例における11年目以降の控除額
11年目から13年目の控除額は「住宅ローン残高もしくは住宅の取得対価のうち低い方の1%」または「建物の取得価格の2%を3で割った額」の、どちらか低い額になります。なお、住宅・建物の取得価格の上限は4000万円です。
従来の住宅ローン控除と同じく会社に書類を出して年末調整をしよう
住宅ローン控除の特例を受けていたとしても、その手続きは従来までとなんら変わることはありません。従来の住宅ローン控除の年末調整と同じように「住宅借入金等特別控除証明書」を給与支払い会社に提出して年末調整をします。なお、年末調整を忘れてしまった場合には、5年前までならさかのぼって手続きをすることが可能です。その場合は、お近くの税務署に相談してください。
出典
国土交通省住宅ローン減税制度について
国土交通省住宅ローン減税の適用要件の弾力化について
国税庁住宅借入金等特別控除申告書記載例
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員