還付金の受け取り方法とは? 還付金詐欺にも注意!

配信日: 2021.12.31

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還付金の受け取り方法とは? 還付金詐欺にも注意!
所得税の確定申告を行うと、本来支払うべき税額より多く収めた人や医療費を払った人などは、還付金を受け取ることができます。還付金はどのようにして、どのくらいの期間待てば受け取ることができるのかを解説します。
 
また、確定申告時期は、還付金詐欺に特に注意が必要です。実例を知って十分警戒しましょう。
岩永真理

執筆者:岩永真理(いわなが まり)

一級ファイナンシャル・プランニング技能士

CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
横浜市出身、早稲田大学卒業。大手金融機関に入行後、ルクセンブルグ赴任等を含め10年超勤務。結婚後は夫の転勤に伴い、ロンドン・上海・ニューヨーク・シンガポールに通算15年以上在住。ロンドンでは、現地の小学生に日本文化を伝えるボランティア活動を展開。
CFP®として独立後は、個別相談・セミナー講師・執筆などを行う。
幅広い世代のライフプランに基づく資産運用、リタイアメントプラン、国際結婚のカップルの相談など多数。グローバルな視点からの柔軟な提案を心掛けている。
3キン(金融・年金・税金)の知識の有無が人生の岐路を左右すると考え、学校教育でこれらの知識が身につく社会になることを提唱している。
ホームページ:http://www.iwanaga-mari-fp.jp/

還付金はどのようにして受け取るのか?

還付金の受け取り方には、以下の2つの方法があります。

1. 預貯金口座への振り込み
2. 最寄りのゆうちょ銀行の店舗、または郵便局へ出向いて受け取る

1. の口座振込は、指定した自分の口座へ自動入金されます。還付金を受け取れるのは、原則として、銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合、漁業協同組合、およびゆうちょ銀行の預貯金口座です。注意点は2つあります。
 
■振込口座は申告者本人名義の口座のみ可能
店名、事務所名などの名義(屋号)が含まれる場合は入金できません。
 
■インターネット専用銀行は、特定の銀行を除いて還付金の振り込みができない
あらかじめ利用しているインターネット専用銀行に還付金受取可否を確認しておく必要があります。
 
現金で直接受け取りたい場合は、2のゆうちょ銀行の店舗または郵便局へ出向く必要があります。確定申告申請書の「還付される税金の受取場所」欄へ、指定するゆうちょ銀行の店舗や郵便局名を記入します。
 
申請書の提出後、国庫金送金通知書が送付されてきますので、その通知書と本人であることを証する身分証明書(運転免許証、国民健康保険証など)を持って、指定したゆうちょ銀行の店舗や郵便局窓口に取りに行きます。この場合は、指定先以外のゆうちょ銀行の店舗や郵便局では受け取ることができませんので、注意が必要です。
 

還付金はどのくらい待てば受け取ることができるのか?

確定申告申請書の記載内容や添付書類等の審査などを経て、還付金の支払い手続きに入るため、国税庁のホームページによれば、申請後おおむね1ヶ月から1ヶ月半程度の時間がかかります。
 
ただし、自宅や税理士事務所からe-Tax(電子申告)で還付申告を提出した場合は、3週間程度で処理されますので、急いで受け取りたい場合はこちらの方法を検討するとよいでしょう。
 
また、還付金の請求(申請)は、その請求をすることができる日から5年間行使しないと、時効により消滅します。できるだけ早めに申請しましょう。
 

還付金詐欺の手口とは? 手口その1

還付金詐欺、いわゆる振り込め詐欺は、特殊詐欺犯罪の1つです。まずは一般的なの手口をみてみましょう。
 

<通常の還付金詐欺の一般的な手口>

 
1. 自治体や年金事務所の職員を名乗り、「医療費」や「保険料」の還付金や未払いの年金がある、などとお金を受け取れる内容の電話がかかってきます。
 
2. その後、コンビニなどのATMで還付金等が受け取れるのですぐに出向き、ATMに着いたら操作方法を教えるので、携帯電話から指定の電話番号に電話するように誘導されます。
 
3. ATMで指定の電話番号に電話をかけ、相手の指示通りに操作をすると、お金を受け取るのではなく、反対に自分の口座から相手口座へ振り込む操作になっています。
 
4. 預金残高は、増えるどころか何十万円単位で減っており、詐欺と気づきます。
 

<確定申告時期の手口>

「医療費」「保険料」などの還付金ではなく、「所得税の還付金」と品を変えて同様の手口が横行する可能性があり、大いに要注意です。
 
その際に相手が名乗るのは、自治体や年金事務所の職員ではなく、税務署職員や国税庁です。実際には確定申告を行った実績がない人でも、確定申告の時期に電話を受けると、自分も該当したのかと勘違いして相手の言うことを信用してしまうこともあり得ます。
 
医療費還付や年金の場合は、自治体や年金事務所の職員が電話をすることは絶対にありませんが、確定申告の場合は税務署職員が問い合わせの電話をすることもあり得るところが厄介です。
 
しかし、税務署職員が電話で問い合わせをする場合は、本人が提出した申告書等に基づく内容を確認することが原則です。税務署や国税局では、還付金受取のために金融機関等のATMの操作を求めることはありません。
 

還付金詐欺の手口とは? 手口その2

確定申告の申告期限3月15日が迫ると考えられるのは、「本日が確定申告の期限で、納税をしなければ、重加算税が課される」「確定申告を振り込みで納税すれば還付金がもらえる」などのうその電話をかけて、指定の銀行口座に振り込ませる手口でしょう。
 
納税の方法には、現金で支払うほかにも金融機関の自分の口座から振り替えで支払う方法があります。その場合は、納期限までに、特定の書類「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」(振替依頼書)を作成の上、納税地を所轄する税務署または振替依頼書に記載した金融機関へ提出しなければなりません。
 
つまり、電話で指定された金融機関の口座へ振り込むことは一切ありません。
 

まとめ

所得税の確定申告は、申請が必要な納税者の義務ですが、還付金を受け取ることも納税者の権利です。必要な情報を正確に理解して、確実に受け取れる準備をしましょう。
 
また、この時期ならではの還付金詐欺には、厳に注意が必要です。特に高齢者が狙われやすいので、確定申告を行う年金受給者などは、手口を前もって知っておくことで、未然に防ぐ準備も併せて進めておきたいものです。
 
出典
国税庁「【税金の還付】」
警視庁ウェブサイト「還付金詐欺」
 
執筆者:岩永真理
一級ファイナンシャル・プランニング技能士

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