更新日: 2022.01.19 控除
住宅ローン控除の利用方法をおさらい。年末調整時の注意点とは?
住宅ローン控除は、住宅ローンの年末残高の1%に相当する金額を所得税・住民税から控除することができるため、節税手段の少ないサラリーマンなどは必ず利用したい制度といえます。
執筆者:菊原浩司(きくはらこうじ)
FPオフィス Conserve&Investment代表
2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。
住宅ローン控除の最新情報を確認
住宅ローン控除はマイホームを取得または増改築、床面積の半分以上を居住用として使用している場合に利用することができますが、税制改正によって数年おきに仕組みが変化する制度のため、マイホームを取得・入居した時期により控除内容が異なるので注意が必要です。
2021年現在の住宅ローン控除の対象となるのは、合計所得金額3000万円以下かつ50平方メートル以上の場合ですが、例外的に1000万円以下の場合は40平米以上50平方メートル未満でも対象となります。
住宅ローン控除では、1年目〜10年目までは住宅ローンの年末残高(上限5000万円)の1%に相当する額を納付すべき所得税・住民税から直接差し引く「税額控除」を受けることができますが、さらに、消費税10%の住宅を購入した場合で一定の期間の要件を満たすときには、11年目〜13年目も住宅ローンの年末残高の1%または(住宅取得等対価の額-消費税額)×2%÷3のどちらか低い額が控除され、合計13年間にわたり受けることができます。
マイホームの契約・入居のタイミングにより控除内容に大きな差が生じるため、必ず最新情報を確認するようにしましょう。
住宅ローン控除の利用方法
住宅ローン控除を最初に適用する場合は「確定申告」を行うことが必要になります。申告時には確定申告書と住宅借入金等特別控除額の計算明細書を作成するとともに住宅ローン控除適用のための必要書類(登記事項証明書・売買契約書の写し・住宅ローンの残高証明書)と源泉徴収票、本人確認のための身分証明書が必要です。
2年目以降は勤務先で実施している簡易な申告方法である「年末調整」でも利用することができるようになります。年末調整実施時に住宅借入金等特別控除額の計算明細書と住宅ローンの残高証明書を勤務先に提出し、適用を受けるようにしましょう。
現在は確定申告書の提出方法も多様化し、従来の窓口や郵送での提出のほか、オンラインによる申請も可能となっていますので確定申告の経験がない方も利用しやすくなっています。
確定申告の手続が難しく対応困難であったり、自身での確定申告に不安があったりする場合は料金がかかってしまいますが、税理士に依頼することで手間なく確実な確定申告を行うこともできますので、後回しにせず早めに対策を進めていきましょう。
年末調整による住宅ローン控除適用時の注意点
住宅ローン控除は、13年間にわたって住宅ローンの年末残高の1%を税額控除する強力な節税制度です。サラリーマンなどの給与所得者は、所得税・住民税の節税方法が少ないため必ず利用するようにしましょう。
住宅ローン控除の適用は、初年度こそ確定申告が必要ですが、2年目以降は勤務先の年末調整で適用を受けることができますので、税務関係の作業負担が小さい年末調整を活用しましょう。
執筆者:菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表