確定申告の「予定納税額」ってなに?

配信日: 2022.01.26

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確定申告の「予定納税額」ってなに?
「予定納税」という言葉を知っていますか? 確定申告書に「予定納税額」という欄があるのを見たことがある人もいるかもしれません。
 
一般的に所得税は確定申告のタイミングで納税しますが、一定の条件を満たす場合には予定納税が必要になります。
 
今回は予定納税の制度や手続きについて詳しく解説します。
宮野真弓

執筆者:宮野真弓(みやのまゆみ)

FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

子育てファミリーや妊活カップルのライフプランニングを中心に活動しています。
結婚や妊活、出産、住宅購入など人生のターニングポイントにおけるお悩みに対して、お金の専門家としての知識だけでなく、不妊治療、育児、転職、起業など、自身のさまざまな経験を活かし、アドバイスさせていただきます。
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予定納税とは

予定納税とは、簡単にいうと税金の前払い制度のようなものです。
 
納税額が多額になる場合、確定申告時に一度に全額を納めるのが難しくなることも考えられます。そのため、一定の条件を満たす場合には税金の一部をあらかじめ納めておきます。これが予定納税です。
 

(1)予定納税が必要になる場合

前年分の所得金額や税額を基に計算した予定納税基準額が15万円以上になる場合、予定納税が必要になります。ただし、すべての所得が対象となるわけではなく、譲渡所得や一時所得、雑所得などの一時的に生じるような所得は含みません。
 
給与所得、事業所得、不動産所得のように恒常的に生じると考えられる所得を基準に税額を計算します。また、源泉徴収された税額はそこから差し引きます。
 
予定納税基準額 = 前年分の課税総所得金額に係る所得税の額※ - 前年分の源泉徴収された所得税の額※ (※一定の所得に対する税額を除く)
 
このように、計算した予定納税基準額が15万円以上になる場合、予定納税基準額の3分の1の金額を、第1期分は7月1日から7月31日までに、第2期分は11月1日から11月30日までに納めます。期限内に納付できなかった場合には、延滞税が発生してしまいますので注意が必要です。
 
前年度よりも収入が著しく減った場合などで、申告納税見積額が予定納税基準額より少ないと見込まれる場合や、予定納税が困難な場合などには予定納税額の減額申請ができます。予定納税の通知が届いたら早めに確認し、税務署に相談しましょう。
 

(2)会社員(給与所得者)の場合

給与所得者は所得税が源泉徴収されているため、基本的に予定納税の対象にはなりません。しかし、事業的規模で副業を行っていたり、不動産所得があったりする場合などには、予定納税が必要になるケースもあります。通知が届いたら忘れずに納税しましょう。
 

確定申告時の注意点

予定納税は、前年の所得を基準にした所得税の一部前払いなので、最終的には確定申告をして所得税額を確定する必要があります。確定申告書の作成時に「予定納税額」の欄に記載し、支払税額から控除するのを忘れないように注意しましょう。
 
実際の納税額が予定納税額よりも多かった場合は、納税額から予定納税額を差し引いた金額を納税します。
 
実際の納税額が予定納税額よりも少なかった場合は、払いすぎた分の還付を受けることができます。この還付金には、納税した日の翌日から還付額が決定するまでの日数分の還付加算金が付与されます。受け取った還付加算金はその支払いを受けた日の属する年分の雑所得になりますので、確定申告時に忘れずに記載しましょう。
 
執筆者:宮野真弓
FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

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