更新日: 2022.02.07 確定申告

会社員も確定申告が必要? しないと損をするのはどんな人?

会社員も確定申告が必要? しないと損をするのはどんな人?
年が明けると「確定申告」という言葉をよく耳にするかと思います。会社員の人は基本的には所得税の精算は「年末調整」で終わっているので、気にすることはありません。
 
しかし、確定申告をしないと損をする場合もあります。そこで今回は、確定申告をしないと損をする人がどういう人なのか、見ていくことにします。
秋口千佳

執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)

CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

確定申告をしなければならない人

まず、確定申告をしなければいけない人は、次のような人です(※1)。ここでは代表的なもののみ挙げているので、詳しく知りたい方は国税庁のホームページで確認するか、税務署や税理士にご相談ください。


(1)個人事業主

(2)給与所得が2000万円を超える人

(3)給与所得があり、かつ給与所得と退職所得以外の所得が20万円を超える人

(4)2ヶ所以上から給与をもらっていて年末調整で所得税を精算できていない人

(5)公的年金等の収入金額が400万円を超えていて、公的年金等から所得税を徴収されている人

(6)上場株式等に係る譲渡損失と配当所得等との損益通算および繰越控除の特例の適用を受けようとする人

など

 

確定申告をしないと損をする人とは?

「確定申告をしないと損をする人」とは、結論から言うと「税金の還付を受けられる人」と「特別な規定を受けようと考えている人」となります。具体的には次のような人です。
 

(1)税金の還付を受けられる人

●年末調整ができない人
●年末調整をしたけれど確定申告をすると税金が戻ってくる人
 

(2)特別な規定を受ける人

●上場株式等にかかる譲渡損失と配当所得の損益通算を考えている人
●繰越控除の特例の使用を考えている人
 
以下で詳しく見ていきましょう。
 

税金の還付を受ける人

税金の還付を受けられる具体的な事例は次の通りです(※2)。
 

(1)住宅ローンを使って一定の家を購入したり一定の家をリフォームした人

「住宅借入金等特別控除」と言われるもので、住宅ローンを使って家を購入したり、リフォームをした人については、税負担を減らすことができます。
 
家についても住宅ローンの種類についても、それぞれ要件があり、全員が受けられるわけではありませんので、事前にご自身の家や住宅ローンが対象になっているのかを確認してください。
 

(2)10万円を超える医療費を支払った人

暦年(1月1日から12月31日)で納税者本人とその本人と生計を一にする親族が支払った医療費(交通費や薬代も含む)の合計が10万円を超える人か、所得の5%を超える人については、税負担を減らすことができます。
 
対象の全額が戻ってくるのではなく、あくまで課税所得を減らす制度なので、戻ってくる金額を間違わないように注意してください。
 

(3)災害や盗難にあった人

自然災害や火事等で自宅や家財に被害があった人については、税金を減らす制度があります。課税所得を減らす雑損控除や税額を減らす災害減免額があります。規定については細かく決まっているので、内容を間違えないように気をつけてください。
 

(4)特定の寄付(ふるさと納税を含む)をした人

ふるさと納税に代表される寄付ですが、定められた団体に対しての寄付も控除の対象です。しかしながら、この制度には一定の限度額があります。そのため、その限度額を超えると税金が戻ってこないこともあります。
 
もちろん専業主婦(夫)等で、所得税や住民税を納めていない人については、何も還付されませんので知っておいてください。
 
代表的なものを取り上げましたが、詳しくは国税庁ホームページを確認するか、お近くの税務署や税理士にお問い合わせください。
 

特別な規定を受ける人

「特別な規定」を受ける場合の具体的な内容は次の通りです。
 

(1)株取引で損をした人

暦年(1月1日から12月31日)で株の取引を集計し、損失が出ていれば、翌年以降3年間は、その損失を利益が出た年から控除できます。ただしこの制度は、確定申告をしなければ適用がないので、忘れないようにしてください。
 

(2)自宅を売却して特例を受けたい人

自宅を売却するとその譲渡所得から特別控除を受けられる制度があります。この控除を受けるには、確定申告が必要です。この特別控除を受けることで税額が出なくなる場合でも、確定申告をする必要があるので忘れないでください。
 

確定申告期間は決まっているのでお早めに

確定申告期間は原則2月16日から3月15日までです。ただし、還付申告の人については、今すぐにでも行うことができます(申告等の期限は、その年の翌年1月1日から5年間です)。
 
上記の期間になると税務署が混み合ったり税理士が忙しくなるので、分からないことはできる限り早いタイミングで調べ、行動を起こしてください。
 
【出典資料】
(※1)国税庁:確定申告が必要な方
(※2)国税庁:No.2030還付申告
 
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

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