住民税とはどんな税? 日本で一番安い自治体はどこ?

配信日: 2022.02.20

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住民税とはどんな税? 日本で一番安い自治体はどこ?
住民税という言葉は知っていても、いったいどんな税金で、どうやって金額が決まっているのか知らないという人も、少なくないのではないでしょうか。住民税は、納付者の収入によって金額が違ってきますが、どこに住んでいるのかによっても変わります。
 
ここでは住民税がどんな税なのかをわかりやすくまとめ、住民税が安い自治体はどこなのかについてもお知らせします。
FINANCIAL FIELD編集部

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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住民税とは

住民税は、都道府県民税と区市町村民税を合わせた税の総称です。私たちが地域社会で生活する上で、必要とする行政サービスの運用に使用される地方税です。教育や福祉、消防や救急などの運営や環境整備など、日々の暮らしに関係するものに使われます。
 
各地域で住む個人や、事業所を持つ法人に課す税で、それぞれ個人住民税・法人住民税として、1月1日の時点で住所のある地域で納めます。
 

・住民税のしくみ

住民税は都道府県民税と区市町村民税を合わせたものですが、納める際は区市町村にまとめて住民税として納めます。納税を受けた区市町村は、住民税から都道府県民税分だけを都道府県に払い込むことによって、納税者は都道府県に対して納税したことになります。
 

住民税の内訳

納付する税額は、各自治体に定められた額で一律に課される「均等割」と、前年の1月から12月までの納付義務者の所得金額に応じて計算される「所得割」を合算した額です。
 

・均等割とは

住民税の課税対象となる人に対して、一律で割り当てられる税額のことです。年額4000(5000)円で、区市町村民税の3000(3500)円と都道府県民税の1000(1500)円を合わせた金額です。(カッコ)内の金額は、復興財源確保のため平成26年度から令和5年度までの間、臨時増税されている金額です。
 

・所得割とは

標準税率で、課税所得金額の一律10%が税額となります。その割合は区市町村民税が6%(政令都市は8%)、都道府県民税が4%(政令都市は2%)となっています。ただし、条例によって自治体が税率を変えることも認められているので、全国一律ではありません。
 

・住民税の均等割と所得割以外の要素

住民税には他にも「利子割」・「配当割」・「株式等譲渡所得割」があります。
 
「利子割」は利子に対する課税で、税率5%。「配当割」は一定の上場株式等の配当等に対する課税で、税率5%。「株式等譲渡所得割」は一定の特定口座における上場株式等の譲渡に係わる所得に対する課税で、税率5%。いずれも都道府県民税にあたります。
 

なぜ自治体によって住民税に差がでるのか

住民税の計算方法は、どの自治体でも基本的には同じですが、宮城県の「みやぎ環境税」や、神戸市の「神戸モデル」のように、環境保全活動や福祉活動の活動財源として税金を上乗せすることが認められているので、自治体によって税額に差がでてきます。
 
ここまでは税額が上乗せされる話しでしたが、減額される場合もあります。愛知県名古屋市では、市民税減税条例で均等割が200円減額されて2800(3300)円に減税されています。
 
また、同じく愛知県名古屋市は、個人住民税の所得割の税額のうち、市民税の税率も一律5%減税されています。所得割の市民税率6%のうち5%が減額されるので、6%×0.95=5.7%が県民税名古屋市民税の所得割の税率となります。
 
このように、住民税の減税がされている自治体は愛知県名古屋市だけですが、愛知県では「あいち森と緑づくり税」500円が課税されているので、均等割の都道府県民税が1500(2000)円になります。
 
それ以外の自治体で住民税を比較すると、均等割も所得割も標準税率のままで増税されていない自治体が、住民税の安い自治体となります。
 

住民税の安い自治体は

住民税の金額は所得額によって計算が変わるので、均等割の税額と所得割の税率で住民税の安い自治体を判断しました。均等割も所得割も標準税率のまま採用している自治体は、以下の10の自治体となります。
 
北海道(夕張市をのぞく)・青森県・埼玉県・千葉県・東京都・新潟県・福井県・徳島県・香川県・沖縄県で均等割が年額4000(5000)円、所得割が課税所得金額の10%です。それ以外に愛知県名古屋市は、均等割が4300(5300)円、所得割が課税所得金額の9.7%です。
 

自治体によって変わる住民税

住民税とは、それぞれが住む地域で必要とされる費用を、生活している住民が負担する会費のようなものとも考えられます。金額は自治体によって多少増減することもありますが、増えた分はそれぞれの行政サービスに使用され、減った分はサービスを減らすということにも思えます。
 
とは言え、支払うことを考えれば、安いに越したことはありません。今お住まいの自治体の住民税を、一度調べてみるのもよいかも知れません。
 
出典
総務省 地方税制度 個人住民税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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