更新日: 2022.02.21 その他税金
ドラッグストアや薬局で医薬品を複数買った人は税金が戻ってくるかも? セルフメディケーション税制とは
ここでは、セルフメディケーション税制の概要や適用の条件と注意点、適用を受けるための手続き方法を紹介します。これまで適用を受けていなかった人も、これを機会にセルフメディケーション税制を意識してみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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目次
「セルフメディケーション税制」は特定の医薬品購入額が所得から控除される制度
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は税金の計算時に、一定の医薬品の購入に使った金額を所得から控除できる制度です。「特定の医薬品購入額の所得控除制度」ともいいます。
ただし、誰でもが制度の適用を受けられるわけではありません。セルフメディケーション税制を利用する前提として「健康の維持増進や病気予防を目的とする一定の取り組みをしている人」であることが定められています。
セルフメディケーション税制の対象となる医薬品は、厚生労働省のホームページで閲覧可能です。
また、一部医薬品には「セルフメディケーション 税控除対象」という青色のマークが付けられているため、ドラッグストアの売り場などでも一目で判断できます。また、医薬品購入時の領収書にも、対象商品であることが記載されます。
セルフメディケーション税制の適用を受ける条件
セルフメディケーション税制の適用を受ける条件は、次のとおりです。
・適用を受けようとする年の対象医薬品の購入費用が1万2000円以上であること(8万8000円が限度)
・申告者が健康の維持増進や病気予防のための一定の取り組みをしていること
2つめの条件の「一定の取り組み」には、次のようなものが該当します。
・健康保険組合などの保険者が実施する健康診査(人間ドック、各種健診・検診など)
・市区町村が実施する健康診査
・予防接種
・勤務先の定期健康診断
・特定健康診査(メタボ検診)、特定保健指導
・市区町村が実施するがん検診
上記の取り組みが条件となるのは申告者のみで、配偶者や親族が取り組みを行っていなくても対象となります。
通常の医療費控除との併用ができないことに注意
セルフメディケーション税制は、通常の医療費控除と併用できません。両方の条件を満たしている場合は、いずれかを選択して適用する必要があります。
セルフメディケーション税制の対象医薬品の購入額を除いた医療費が医療費控除の適用条件を満たしていても、両方は適用できないため注意しましょう。また、いずれかを適用して申告したのちに修正申告などが発生した場合も、セルフメディケーション税制と通常の医療費控除の適用変更はできません。
なお、セルフメディケーション税制の対象医薬品の購入費用のうち、治療や療養に必要な医薬品の購入費用は通常の医療費控除の対象費用にもカウントできます。どちらの適用を受けるほうが得なのか、よく計算したうえで申告しましょう。
セルフメディケーション税制の適用を受ける際の手続き方法
セルフメディケーション税制の適用は、年末調整では受けられません。会社員の人でも、確定申告が必要です。住んでいる地域の管轄税務署に、次の書類を記入して提出しましょう。
・確定申告書
・セルフメディケーション税制の明細書
提出時には一定の取り組みを行ったことを証明する、次のような書類の添付が必要です。
・インフルエンザ予防接種や定期予防接種の領収書または予防接種済証
・市区町村のがん検診の領収書、結果通知表
・職場の定期健康診断の結果通知表(勤務先名または「定期健康診断」の文言が記載されているもの)
・特定健康診査の領収書または結果通知表(保険者名または「特定健康診査」の文言が記載されているもの)
・人間ドック、がん検診など各種健診(検診)の領収書または結果通知表(勤務先名、保険者名が記載されているもの)
また、対象医薬品購入時の領収書と一定の取り組みを行ったことを証明する書類は、5年間の保管が義務付けられています。
セルフメディケーション税制を活用して節税しよう
セルフメディケーション税制は、医療機関に頼らず市販薬で対処する割合が高い人が節税しやすい制度です。当初は2021年12月31日までに購入した医薬品が対象でしたが、2022年4月1月以降、制度が5年延長され、税制対象医薬品の範囲も拡充されました。
適用には健診を受けていることなどの条件があるため、普段から条件を満たせるよう意識して行動しましょう。また、購入明細の提出や領収書の保管も必要となるため、領収書をこまめに取っておくクセをつけることも大切です。
出典
厚生労働省 セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について)
国税庁 セルフメディケーション税制の概要・手続など:令和3年分 確定申告特集
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 No.1131 セルフメディケーション税制と通常の医療費控除との選択適用
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員