更新日: 2022.03.03 確定申告

フリマアプリやネットオークション等でかなりもうかったのですが、確定申告は必要ですか?

フリマアプリやネットオークション等でかなりもうかったのですが、確定申告は必要ですか?
スマホのアプリ上で手軽に出品でき、取引上の安全性も比較的確保されていることから、フリマアプリ等を利用している方も多いでしょう。
 
特にコロナ禍で自粛生活を送っているなかで、自宅の整理がてら、使っていないものを出品した人もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
フリマアプリ等は活用方法によっては収入を増やす手段として、副業の1つとしても利用されていますが、実際に利益が出た際の確定申告は必要なのでしょうか?
 
今回はフリマアプリ等で得た収入の仕組みと、確定申告が必要になるケースについて解説します
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

聞くのは耳ではなく心です。
あなたの潜在意識を読み取り、問題解決へと導きます。
https://marron-financial.com

フリマアプリ等で得た収入はどのような所得になる?

出品したものの種類にもよりますが、副業としてフリマアプリ等を利用してそこで継続的に得ている収入は、原則として雑所得となります。
 
事業として行っているのであれば、それは事業所得です。それぞれの所得の計算は、収入から必要経費を引いた額となります。
 
また、宝石や骨とう品など高価なものを出品した際には、内容によっては譲渡所得となる可能性がありますので注意が必要です。
 

確定申告が必要なケースとは?

確定申告が必要なケースはそれを副業として行っているか、本業として行っているかで異なります。
 
副業とは給与所得など主たる収入があり、それ以外の収入を得るための手段として行っているもので、本業とは、事業として行っているものです。
 

■副業として行っている場合

副業として行っている場合は、その所得が20万円を超えた場合、確定申告が必要です。したがって、副業でフリマアプリ等を利用しており、それで得た収入から手数料や送料などの経費を指しい引いた額が20万円以下であれば、確定申告は不要です。
 

■本業として行っている場合

個人が本業として行っている場合は、それは事業として行っていることになりますので事業所得です。そして、確定申告が必要になるのは事業所得が48万円を超えた場合です。
 
したがって、収入から経費を差し引いた事業所得が48万円以下であれば、確定申告の必要はありません。
 

出品する内容によっては確定申告が必要

フリマアプリ等で収入を得た際に、どんな商品を出品して得た利益かによっては、課税対象となり確定申告が必要です。
 

■古着などは非課税

自分や家族が着ていた服や日用品で、もう着なくなった、もしくは不要になったものを出品し、それで得た収入については非課税扱いです。
 
ただし、ほかから仕入れた日用品を出品して利益を得た場合は課税対象となりますし、このような「せどり(いわゆる転売)」といわれる行為をするには、古物商であることを証明するものが必要になります。
 
都道府県知事に対し、古物商許可申請書を提出して許可を得る必要がありますので、忘れないように手続きを行っておきましょう。
 

■高価なものを出品した場合は課税対象

自宅にあった骨とう品などを出品するケースもあるでしょう。その際、そのものの値段が1点につき30万円を超える場合は、譲渡所得とみなされ課税対象です。
 

確定申告をしなかったらどうなる?

なかには不用品を出品しただけなので確定申告は不要と考えている人もいらっしゃるかもしれません。
 
ただし、その出品したものによっては課税対象となりますし、その収入から経費を引いた額が課税所得となります。そして、その所得が副業であれば20万円、本業であれば48万円を超える場合は確定申告が必要です。
 
では、それに気付かず確定申告を行わなかった場合はどうなるのでしょうか。
 

■延滞税などペナルティーが発生する

確定申告はその年の所得を計算し、原則として翌年の2月16日から3月15日までに自分が住んでいる管轄の税務署に対して行います。
 
それを過ぎた場合は、本来納めるべき税額に延滞税がかかるほか、申告していなかったことに対する「過少申告加算税」が加算されます。
 
さらに、確定申告をしなかったことが悪質なものだと判断された場合は、代わりに「重加算税」が加算されます。
 

■修正申告を活用しよう

もし、確定申告の期限後に確定申告の必要があったことに気付いた場合は、早めに修正申告を行うようにしましょう。そうすれば、新たに納める税金と延滞税、そして「過少申告加算税」だけで済ませられます。
 
しかし、税務署の指摘を受けた後に修正申告を行う場合は、さらに「過少申告加算税」に代えて「無申告加算税」が加算されます。
 

■ペナルティーの税率は?

過少申告加算税の税率は、新たに納める税金額の10%相当額です。しかし、無申告加算税になると、その税率は15%以上になります。
 
また、延滞税についても納付期限から2年目までは2.4%、2年を経過した場合は8.7%(令和4年1月1日から令和4年12月31日までの期間に適用)となっていますので、新たに納める税金に加えてかなりのペナルティーを強いられます。
 

まとめ

基本的に自分が使っていた日用品を出品し、それで得た収入については非課税となりますので、確定申告の必要はありません。
 
ただし、自分が利用していたものではない商品を他から仕入れ、それを出品した場合は課税対象です。
 
また、自分が使っていたものでも、1点が30万円を超える高価なものだった場合は課税対象となる点に気をつけましょう。
 
確定申告の必要があるのかどうか不安になった際には、税務署に用意されている相談窓口を利用するとよいでしょう。電話でも相談できますし、税務署に赴いても相談できます。
 
何もせずそのままにした結果、確定申告が必要だったなどということにならないよう、事前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。
 
出典
(※1)国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.2024 確定申告を忘れたとき
(※2)国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.9205 延滞税について
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集