更新日: 2022.05.10 控除

所得税が跳ね上がる! 年収800万の人が所得税対策をした場合、しない場合

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

所得税が跳ね上がる! 年収800万の人が所得税対策をした場合、しない場合
給与明細を見て、給与から引かれる税金の額に驚いた経験がある人は多いのではないでしょうか。
 
「もう少し税金が少なければ手取りを増やせるのに」というのが率直な感想でしょう。実はサラリーマンなどの個人でも、節税対策をして所得税を減らすことは可能です。
 
所得税対策をするとしないとでは、どれぐらいの差があるのでしょうか。年収800万円の人を例に説明していきます。
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所得税額はどうやって決まる?

所得税を算出する際に使う計算式は「課税所得金額×税率-控除額」です。
 
課税所得金額とは、全ての収入から経費や所得控除を差し引いたもの。税率と控除額は課税所得金額によって変わります。例えば、課税所得金額が695万円から899万9000円までの人は、税率は23%で、控除額は63万6000円です。
 
所得税を減らすためには、課税所得金額を減らさなければなりませんが、収入自体を減らしてしまっては元も子もありません。収入に影響を及ぼさずに課税所得を減らすためには、経費や所得控除を増やす必要があります。
 

・所得控除とは

所得控除には、保険料に関するもの(生命保険料控除、社会保険料控除など)や社会的立場を是正するためのもの(寡婦・寡夫控除、障害者控除など)、家族に関するもの(配偶者控除、扶養控除など)、その他(基礎控除、給与所得控除など)があります。
 
「給与所得控除」はサラリーマンなど給与収入を得ている人を対象としたもので、個人事業主などはこの代わりに経費を差し引きます。このほかに「寄付金控除」「医療費控除」「小規模企業共済掛金等控除(iDeCo)」などを活用することで、所得控除を増やすことが可能です。
 

年収800万円で所得税対策をしない場合

年収800万円の独身男性を例に、所得税対策をしない場合の所得税を算出していきます。
 
課税所得金額を算出するため、まず「800万円(年収)-190万円(給与所得控除額)=610万円(給与所得)」で給与所得を計算します。給与所得控除額は収入によって異なり、660万1円から850万円までは「収入金額×10%+110万円」です。
 
次に給与所得から所得控除を引きます。ここでは社会保険料を年間120万円と仮定します。「610万円-48万円(基礎控除)-120万円(社会保険料控除)=442万円(課税所得金額)」。
 
課税所得金額が442万円の場合、税率は20%で税額控除額は42万7500円なので、所得税は「442万円×0.2-42万7500円」で求めることができ、45万6500円となります。
 

年収800万円で所得税対策をした場合

同じく年収800万円の独身男性を例に、所得税対策をした場合の所得税を算出していきます。行った対策は、「iDeCoで毎月3万円の積み立て」「12万円のふるさと納税」「12万円の医療費控除」です。
 
課税所得は「610万円-48万円(基礎控除)-120万円(社会保険料控除)-3万円×12カ月(iDeCo・小規模企業共済掛金等控除)-(12万円-2000円)(ふるさと納税・寄附金控除)-(12万円-10万円)(医療費控除)」の式で求めることができ、392万2000円になります。
 
税率は20%で税額控除額は42万7500円なので、所得税は「392万2000円×0.2-42万7500円=35万6900円」です。所得税対策をしなかった場合の45万6500円と比べると、約10万円も所得税が少なくなることが分かります。
 

さまざまな控除の活用で所得税の節税が可能に

ふるさと納税やiDeCoを活用することで、所得税は減らすことができます。
 
また、定期的に通院している人や手術をした人などは、医療費控除の対象になるかもしれません。明細書を取っておき、年間の医療費を集計してみましょう。
 
このほかにもマイホームを購入したり、家のリフォームを行ったりした際は、住宅ローン控除を利用できる可能性があります。さまざまな控除を活用すれば、所得税を大幅に節税することが可能です。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No. 2260 所得税の税率
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No. 1410 給与所得控除
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCo(イデコ)のイイコト
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No. 1155 ふるさと納税(寄附金控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No. 1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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