【副業】年間所得「20万円以下」でも申告は必要! 「住民税申告」と「確定申告」のどちらが必要? 違いや方法を解説
配信日: 2022.05.26
執筆者:北川真大(きたがわ まさひろ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種
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確定申告と住民税の申告との違い
副業をしている人が行う税金の申告は、2種類あります。確定申告と住民税の申告です。
確定申告は、税務署に届け出る所得税に関する申告です。確定申告をしている人は、確定申告書などが地方公共団体へデータで送信されるため、住民税の申告は不要になります。
住民税の申告は、確定申告の義務がない人や所得税と扱いが異なる控除、特例を利用したい人が行うものです。つまり、確定申告と住民税の申告は、対象者が異なります。
会社員の確定申告は、給与以外の所得が年額20万円以下なら不要
国税庁によると、給与所得がある人で確定申告が必要な人は、以下の通りです。
(1)給与収入が2000万円を超えている
(2) 給与を1か所から受けていて、給与所得を除く所得の合計額が20万円を超えている
(3) 給与を2か所以上から受けていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と、給与所得を除く所得の合計額が、年額20万円を超えている
(4) 同族会社の役員やその親族などで、その同族会社からの給与のほかに、貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械・器具の使用料などの支払いを受けている
(5) 給与について、災害減免法により所得税などの源泉徴収税額の徴収猶予や、還付を受けている
(6) 在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払いを受ける際に所得税等を源泉徴収されないこととなっている
※国税庁「確定申告が必要な方(1)給与所得がある方」より
副業をしている人は、上で示したうちの②にあたるので、所得が20万円以下の場合は確定申告は不要です。所得は、収入から経費を差し引いた金額になるので、収入が20万円以上であっても、経費を差し引いて20万円以下になれば、確定申告は不要になります。
給与所得以外の所得が1円でもあれば住民税の申告は必要
一方で、所得が20万円以下の人でも、住民税の申告は必要です。住民税が非課税になる人は、東京都によると同一生計配偶者および扶養親族がいない人で年間の所得が45万円以下となっており、会社員としてフルタイムで働いている人は非課税にはなりません。
つまり、会社員の場合は、副業で1円でも所得があれば申告が必要になります。
住民税の申告方法
住民税は、税務署ではなく各自治体へ書面で申告します。確定申告に際しては、パソコンやスマートフォンで申告できる国税電子申告・納税システム(e-Tax)を利用できますが、住民税の申告には非対応です。
住民税の申告時期は、確定申告と同様に毎年2月16日~3月15日までです。詳細は、各自治体の税務担当課へ問い合わせてください。自治体によっては、申告の時期のみ出張窓口を開設して対応していることもあります。
副業は原則として雑所得とみなされますが、所得の区分などが分からない人も税務担当課へ問い合わせてみましょう。
税金の申告は正しく行いましょう
所得税と同様に、住民税の無申告は「脱税」です。憲法や法律で納税の義務がある以上、知らなかったでは済まされません。
税金の知識を正しく身に付け、正しく申告しましょう。
出典
国税庁 確定申告が必要な方
東京都 個人住民税の非課税
国税料 e-Taxの概要・利用全般
東京都豊島区 住民税の申告
東京都主税局 個人住民税の所得金額
執筆者:北川真大
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種