親と同居すると得られる税金面のメリットとは? 自宅を相続するとき最大8割の節税になるって本当?
配信日: 2022.05.30
本記事ではそのような人々に向けて、親との同居で得られる税金面のメリットについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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親と同居すると得られる税金面のメリットを知ろう
親と同居した場合、得られる税金面のメリットとして挙げられるのは扶養控除の適用による「所得税の軽減」や小規模宅地等の特例の適用による「相続税の軽減」です。前者は誰かを扶養している分、課税される所得を軽減する制度です。
この制度は、主に親が子供を扶養している場合に適用されると考えている人がいるかもしれませんが、実際には子供が親を扶養する場合にも適用可能です。同居していなくてもこの制度を利用して所得税を軽減することはできますが、同居していると税金の軽減度合いが高くなります。
一方、後者は相続税を計算する際に利用できる制度です。親が亡くなった後にその親と同居していた親族がその土地を相続する場合、通常は路線価方式によって求められた評価額によって相続税が課税される仕組みがあります。
その際に小規模宅地等の特例を適用することで、上限330平方メートルまでであれば、土地の相続税評価額を80%減らすことが可能です。330平方メートルを超える土地を相続する場合は、超えた分の土地についての評価額を下げることはできません。
この制度を利用する場合は、いくつかの条件を満たす必要があります。まず、対象者については配偶者・同居していた親族・持ち家のない親族のいずれかに限定されます。
配偶者が相続する場合は細かな条件はありませんが、同居していた親族が相続する場合は「居住継続条件」と「保有継続条件」の両方の条件を満たすことが必要です。前者は被相続人が亡くなる前から相続税の申告期限(被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内)まで、該当物件に住んでいること、後者は該当物件を相続税の申告期限まで保有していることを意味しています。
また、持ち家のない親族が相続する場合は上記の条件に加えて、相続開始時に居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことなど、いくつかの定められた条件を満たす必要があるため、注意が必要です。
なお、小規模宅地等の特例の適用には、被相続人と同居していたかどうかが重要なポイントとなりますが、これは日常の生活の状況や同居した目的をはじめ、家の構造や設備、ほかに生活拠点となる家を所有しているかなど、いくつかの観点から判断が行われます。例えば、寝食を共にしていた場合は同居と認められますが、週末だけ同居したり住民票だけを移していたりした場合は同居とは認められないため気を付けましょう。
親との同居は税金面のメリットがある
親と同居する場合、扶養控除の適用による所得税の軽減や小規模宅地等の特例の適用による相続税の軽減といったメリットを享受することが可能です。特に後者については、居住継続条件と保有継続条件を満たす必要があるなど、いくつかの条件をクリアしなければなりませんが、条件を満たせば大きなメリットを得られます。条件を確認しつつ、必要に応じて申請するとよいでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部