住民税はなぜ6月頃に注目される? 確認しておくべきこととは?

配信日: 2022.06.01

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住民税はなぜ6月頃に注目される? 確認しておくべきこととは?
所得税の納税が年末調整や確定申告(原則として翌年の2月16日~3月15日)で完了するのと異なり、住民税は前年の所得を基に決定され5~6月頃に通知書が届きます。
 
これまで住民税についてあまり気にしていなかった、という人もいらっしゃるかもしれませんが、人によっては住民税の決定通知書が届いたら必ず確認しておくべきこともあります。今回は住民税が決定する仕組みや、住民税の決定通知書についてチェックしておくべき内容について解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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住民税が決定する仕組み

冒頭でも述べたとおり、住民税は前年の所得を基に計算し、6月から翌年の5月までの1年分を支払う仕組みとなっています。給与所得者や65歳以上の公的年金受給者であれば「特別徴収」という形が取られ、毎月の給与額もしくは偶数月に支払われる年金額から差し引かれます。
 
給与所得者以外の自営業者の場合は普通徴収という形で、市区町村から送付される納税通知書によって年4回に分けて納めます。
 

■住民税の計算方法

住民税額は「均等割」と「所得割」を合算した額です。均等割とは、所得に関係なく1月1日の時点の居住地の自治体によって決められた額を納めるもので、多くは5000円(道府県民税:1500円、市町村民税:3500円)となっています。
 
所得割とは、前年の所得金額から所得控除額を差し引き、それで求められた課税所得金額に10%を乗じて求められます。そして、所得税から引き切れなかった住宅ローン控除額や、ふるさと納税を行った場合の寄付金控除(税額控除分)が差し引かれた額が最終的な納税額です。
 

■住民税の所得控除額は所得税と異なる

ここで注意したいのが、住民税の所得控除額は所得税で適用される所得控除額と異なる点です。違いは図表1のとおりです。
 
【図表1】


 
なお、社会保険料控除や小規模企業共済掛金等控除、雑損控除、医療費控除については所得税と同額です。
 
(出典:東京都主税局 個人住民税)
 

住民税額は6月から変わる

住民税が6月に注目されるのは、6月から納税額が変わるためです。また、6月は年間の納税額を12で割った端数分が加算されるため、他の月よりも高くなる仕組みとなっています。
 
給与所得者であれば、住民税決定通知書を毎年5月中旬頃に勤め先から受け取るはずですので、6月からの住民税額がいくらになるのか確認しておきましょう。
 
また、自営業者などの場合は6月に入ってから通知が届くため、納付税額がいくらになっているのか、また計算に間違いはないかをしっかりと確認しておくことが大切です。
 

住民税額決定通知書が届いた際の確認ポイント

住民税額決定通知書を受け取ったら、まず計算内容が間違っていないかを確認しましょう。所得控除は確実に反映されているか、iDeCoを行っているなら小規模企業共済掛金等控除と昨年の掛け金合計額が合っているかを確認しましょう。
 
また、税額控除(住宅ローン控除、ふるさと納税(寄付金控除))が適用される人は、その額が合っているかを確認する必要があります。ふるさと納税を行った場合、確定申告で行ったか、ワンストップ特例を利用したかで控除される額が若干異なりますので、注意して確認してください。
 

■住宅ローン控除

その年の住宅ローン控除額が所得税額から引き切れなかった場合は、住民税額から差し引かれます。ただし、前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(上限9万7500円)が限度となる点に注意が必要です。
 
(出典:総務省 新築・購入等で住宅ローンを組む方・組んでいる方へ 個人住民税の住宅ローン控除が受けられる場合があります。(※1))
 

■ふるさと納税(寄付金控除)

ふるさと納税(寄付金控除)を確定申告にて行った場合、住民税から引かれる額は「基本分((ふるさと納税額-2000円)×10%)」および「特例分((ふるさと納税額-2000円)×(90%-所得税率)」の合計額です。
 
ワンストップ特例を利用した場合、所得税からの控除が適用されない(※3)ため、ふるさと納税額から自己負担額である2000円を引いた全額が住民税から減額されます。
 
(出典:総務省 ふるさと納税ポータルサイト ふるさと納税のしくみ(※2))
 

まとめ

住民税額は6月から変更となり、増額するケースもあれば減額するケースもあります。自分が適用される所得控除と税額控除をきちんと把握し、もれなく適用されているかを確認しましょう。
 
もし不明な点があれば、住民税決定通知書に記載されている問い合わせ先に連絡し、確認することも忘れないようにしておきましょう。
 

出典

(※1)総務省 新築・購入等で住宅ローンを組む方・組んでいる方へ 個人住民税の住宅ローン控除がうけられる場合があります。
(※2)総務省 ふるさと納税ポータルサイト ふるさと納税のしくみ
(※3)総務省 ふるさと納税ポータルサイト ふるさと納税トピックス
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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